不動産を担保にすることで、総量規制による融資限度額(年収の3分の1まで)の対象とならず、大規模な資金調達をすることができるというのは不動産担保ローンのメリットの一つです。しかし不動産担保ローンのメリットはそれだけではなく、「つなぎ融資」としての有効活用方法もあるのです。今回は不動産担保ローンをつなぎ融資として有効活用する方法について解説していきたいと思います。
つなぎ融資とは
つなぎ融資とは、一時的に立て替えるための資金融資を受けることを言います。例えば、1ヶ月後に資金が手元に入ってくることが確定しているが、それまでの1ヶ月間に発生する支払い分の資金がない場合、その不足分を1ヶ月という短期間で借りるようなケースです。その資金がなければ売買契約が成立しない、事業の運転資金がショートしてしまうなどの問題を、つなぎ融資で解消することができます。つまり、つなぎ融資とは確定している資金の入金のタイミングまで「つなぐ」ことが目的の短期融資なのです。続いては、つなぎ融資が有効活用できるケースについて解説していきます。
住宅買い替えのときのつなぎ融資
一つ目のつなぎ融資の有効活用ケースは「住宅を買い替える」場合です。現在住んでいる自宅を売却し、その売却金額を次に住む住宅購入に当てようと考えている場合、自宅の売却と新居の購入のタイミングにズレが生じる場合が多くあります。住み替えのために新居物件を見つけ出したが、新居物件の購入代金支払い期日までに現在の自宅が売却できず、代金の支払いができないというケースです。このケースでは、近い将来に現在の自宅が売却できる可能性が高く、売却できたタイミングで資金を得ることができるため、売却できたときに返済するという短期の契約で、不動産担保ローンによるつなぎ融資を有効活用することができます。
事業資金としてのつなぎ融資
続いてのケースは事業資金としてつなぎ融資を有効活用する場合です。法人としての会社経営でも、個人事業主としてでも、事業を行なっていると突発的に資金使途が発生することは少なくありません。
例えば、新規で大規模案件の受注にに成功し、2ヶ月後にその仕事の報酬が1,000万円入金されることが確定したとします。しかし、その仕事を期限内に完遂するためには、外部の業者に一部の業務を委託し、前金で300万円を支払わなければならないものの、手元に300万円分の余力がない、というようなケースです。この事例では、2ヶ月後の入金時に返済する契約で300万円のつなぎ融資を受けることで事業を遂行することが可能となります。
また、事業における資金問題では、緊急性が求められるケースも少なくありません。5日後に従業員の給与支払いをしなければならないが、先んじて大きな支出が発生してしまい給与支払い分が足りないというような急ぎのケースにおいても、つなぎ融資を有効活用することができます。
つなぎ融資の場合、銀行などの金融機関よりもローンの会社の方が申し込みから実行までの時間が早いというケースも多く、最も早いものであれば即日から2〜3日のうちに融資が実行されるような場合もあります。不動産を担保に事業資金のつなぎ融資を申し込む場合は、不動産評価額によって決められた範囲内での融資となります。
つなぎ融資としての不動産担保ローンのメリットとは
不動産担保ローンをつなぎ融資として有効活用することには様々なメリットがあります。一つ目が申し込みから融資実行までのスピードの早さです。信用を重要視した無担保ローンと異なり、不動産担保ローンでは不動産の担保価値が高ければ高いほど審査は通りやすいため、資金が必要となる期日までの時間が限られている場合に大きなメリットを発揮します。
また、つなぎ融資とはそもそも予定していた資金が確保できるまでのつなぎであるため、短期間で返済を完了するケースが殆どです。仮に金利が高めに設定されたとしても、利子分が大きく膨らむ前に完済すればよいのです。
住宅の買い替え時や事業の運転資金や納税資金の一時的な不足時など、「あと数ヶ月もしたら入金されることが決まっているのに…」というようなケースにおいて、不動産担保ローンでのつなぎ融資を有効活用すれば、スピードの面においても、資金規模の面においても大きなメリットを発揮してくれます。
まとめ
今回は、不動産担保ローンでのつなぎ融資とは何なのか、どのような有効活用方法があり、メリットは何なのかについて解説してきました。不動産担保ローンを使ったつなぎ融資の有効活用を検討するタイミングとしては、「数ヶ月先に資金の入金が決まっているが、それまでを乗り越える資金が足りない」というケースです。つなぎ融資とは、このような入金と支出のズレ・タイムラグを解決するために有効な短期融資なのです。不動産担保ローンをつなぎ融資として有効活用する方法について、より詳細にご覧になりたいという方は、以下の当社サイトをご参照いただければと思います。
https://kshc.jp/realestate-securedloan/