不動産担保ローンで貸し手が徴求する課税証明とは？
不動産担保ローンとは、所有する不動産を担保として提供することで融資を受ける金融サービスのことを言います。例えば個人でまとまった教育資金が必要になった場合や、法人で事業資金が必要になった場合など、個人法人問わず、様々な用途で活用されている融資です。個人の場合でも法人の場合でも、不動産担保ローンを申し込む際には様々な書類の提出が必要となります。中でも、個人・法人が各種税金をしっかり納税していることを証明する「課税証明」という書類は必ず求められます。金融業界では、融資審査時にこのような書類の提出を求めることを「徴求する（ちょうきゅうする）」と言います。今回は不動産担保ローンの申し込み時に貸し手から徴求される課税証明など、各種書類について解説していきたいと思います。
目次
不動産担保ローンとは？
ここで改めて不動産担保ローンについて理解を深めておきましょう。不動産担保ローンとは、その名称の通り、土地や建物などの不動産を担保に設定してお金を借りるローンのことを言います。一般的には自身が所有している土地や建物を担保提供してローンを申し込むケースがほとんどですが、不動産担保ローンの専門会社や金融機関などによっては、配偶者や両親、祖父母など、親族が所有している不動産を担保に設定できる場合や、法人が所有している不動産を担保に設定できる場合もあります。
融資金額は担保に設定する不動産評価額から算出されるため、所有する不動産の価値によっては数億円規模の不動産担保ローンを申し込むことも可能です。
不動産担保ローンのメリット・デメリット
続いて、不動産担保ローンのメリット・デメリットを見てみましょう。
不動産担保ローンのメリットとは？
不動産担保ローンのメリットの一つ目は、不動産評価額次第で大きな金額の融資を受けられる可能性があることです。例えば、商業ビルを所有しており、その評価額が3億円と評価された場合、1億〜2億規模のローンを申し込むことが可能となります。一般的に個人向けのフリーローンやビジネスローンは1,000万円ほどが融資金額の上限であるため、それ以上の資金が必要な場合には不動産担保ローンの活用が大きなメリットとなります。
また、不動産という信用力の高い担保を設定するため、借入期間を長期間に設定できるということもメリットの一つです。一般的なフリーローンやビジネスローンは数年〜7年程度までのものがほとんどですが、不動産担保ローンの場合には10年、20年、30年と長期間の返済計画を立てることができます。
不動産担保ローンのデメリットとは？
続いて、不動産担保ローンのデメリットについて解説していきます。不動産担保ローンの最大のデメリットは、万が一返済不能になってしまった場合、担保に設定していた不動産が返済金充当のために売却処分されてしまうことです。仮に、空き家になっていた実家を担保に設定していた場合、返済不能になってしまうと、実家を失ってしまう可能性があります。反対に滞りなく完済することができれば、担保に設定していた不動産はそのまま所有者の元に残ります。
個人が不動産担保ローンで徴求される書類とは？
個人が不動産担保ローンを申し込む場合、どのような書類が徴求されるのでしょうか。
個人が不動産担保ローンを申し込む場合は、本人確認書類や収入を証明する書類など、一般的な融資時にも提出が求められる書類が同様に求められますが、それに加えて「納税証明」が徴求されます。具体的には、住民税課税証明書、住民税納税証明書、固定資産税納税証明書、国民健康保険料納付証明書、所得税、相続税、贈与税、国税（消費税）納税証明書（その3：未納の税額がないことの証明書）が徴求されます。
法人が不動産担保ローンで徴求される書類とは？
続いて、法人が不動産担保ローンを申し込む場合にはどのような書類が徴求されるのでしょうか。
法人が不動産担保ローンを申し込む場合も個人の場合と同じく、住民税課税証明書、住民税納税証明書、固定資産税納税証明書、国民健康保険料納付証明書、所得税、相続税、贈与税、国税（消費税）納税証明書（その3：未納の税額がないことの証明書）が徴求されます。
さらに、法人の場合には法人税の納税証明、法人事業税の納税証明、法人住民税の納税証明も徴求されることとなります。もし税金の未納があれば、融資された実行金から最優先で税金を納付することが不動産担保ローンが実行されるための条件となります。
まとめ
今回は、不動産担保ローンを申し込む際に徴収される課税証明などの書類について、個人が徴求される書類、法人が徴求される書類に分けて解説してきました。個人または法人で不動産担保ローンへ申し込む際に徴求される各種納税証明について、より詳細な情報をご覧になられたい場合は、こちらをご参照ください。
