ファイナンス(finance)という言葉は聞いたことがあるけれど、詳しい意味は分からないという方も多いのではないでしょうか。
ファイナンスには、「金融」「財政」「資金」といった意味がありますが、企業のファイナンスというと資金調達という意味で使われるケースが多いです。
そこで今回は、そもそもファイナンスとはどんな意味があるのか、ビジネスシーンにおけるファイナンスの手法について分かりやすく解説します。
そもそもファイナンスってどんな意味?
ファイナンスは、広い意味では「金融」「財政」「資金」などを意味する言葉ですが、ビジネスシーンでは資金調達の方法や手段として使われています。
ファイナンスに似た言葉として「アカウンティング」がありますが、ファイナンスとアカウンティングには以下のような違いがあります。
アカウンティングとの違い
アカウンティングとは、「会計」「経理」「会計報告」を意味する言葉です。
ファイナンスは企業に必要な資金を調達することですが、アカウンティングは調達した資金を使った取引や事象を記録して管理することを指します。
企業向けのファイナンス手法3つ
企業向けのファイナンスには、「エクイティファイナンス」「デットファイナンス」「アセットファイナンス」という3つの手法があります。
それぞれの特徴や違いは、以下の通りです。
エクイティファイナンス
エクイティ(Equity)とは、株式資本のことです。
エクイティファイナンスとは、企業が新株を発行して必要な資金を調達することを意味しています。
エクイティファイナンスのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・原則として返済義務がない
・返済の義務がないので、利息が発生しない
・自己資産が増加する
エクイティファイナンスのデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・新株を発行することで1株当たりの価値が薄まり、株価が下がってしまうことがある
・資金調達までに時間と費用がかかるため、急な資金調達には適していない
エクイティファイナンスは、調達した資金の返済義務がないという点は大きなメリットと言えますが、資金調達までに時間がかかるので注意も必要です。
デットファイナンス
デット(Debt)とは、負債や借金を表す言葉で、利子を含めた返済が必要な資金調達の方法です。
デッドファイナンスには、銀行からの借入や社債発行などの方法があります。
エクイティファイナンスは貸借対照表の「資本」が増加しますが、デッドファイナンスの場合は貸借対照表の「負債」が増加します。
デッドファイナンスのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・日本政策金融公庫、銀行、ノンバンクなど、資金の調達先が複数ある
・比較的短期間での資金調達が可能
デッドファイナンスのデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・期日内の返済が必要
・金利がかかる
・審査が厳しい
デッドファイナンスにおける金利は、調達先によって大きく異なります。日本政策金融公庫など公的金融機関を利用できる場合は、低金利で融資を受けることも可能です。
ただし、審査は厳しい傾向にあるため、しっかりと事業計画を立てたうえで、必要書類などを準備することが大切です。
アセットファイナンス
アセット(Asset)とは、資産を表す言葉で、所有している資産を活用して資金調達を行うのがアセットファイナンスです。
アセットファイナンスには、「ファクタリング」「債権回収」「資産の売却」といった手法があります。
アセットファイナンスのメリットは、担保となる資産を所有していれば企業の信用度に関係なく資金調達ができることです。
ただし、返済ができなくなってしまった場合は、担保提供した資産を売却して返済することになります。
企業のファイナンスに不動産担保ローンを活用
企業のファイナンスには、不動産担保ローンを活用することもできます。
不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保に融資を受ける方法です。
不動産担保ローンのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
・不動産を担保提供することで融資の審査に通りやすい
・原則として資金使途が限定されていないため借りたお金を自由に使うことができる
・金利が低く設定されている
・返済期限が長いので、返済の負担が軽減できる
公的金融機関や銀行からの融資を断られた場合でも、不動産担保ローンであれば審査に通る可能性があります。
所有する不動産がある場合は、企業のファイナンスに不動産担保ローンを活用することも検討してみてはいかがでしょうか。
最後に
企業のファイナンスには、今回紹介したようにいくつかの手法があります。
それぞれにメリット、デメリットがあるため、内容をきちんと理解したうえで、目的に合った選択をすることが大切です。
不動産担保ローンは、アセットファイナンス手法の一つです。
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