自宅を売却して資金を調達する方法の一つに、「リースバック」というものがあります。リースバックは、売却後もそのまま自宅に住み続けられるというメリットがあり、老後資金確保などの目的で利用されています。また、リースバックの場合、自宅を売却した後に買戻しを行うことも可能です。
この記事では、リースバックの買戻しについて、やり方や注意点を解説します。
リースバックの買戻しで知っておきたいこと
リースバックで資金調達をする場合、買戻しができるケースもあります。
ただし、契約内容によっては買戻しができない場合もあり、住宅ローンが組めなくなってしまう可能性もあるため注意が必要です。
リースバックを利用したいけれど、将来的に自宅は買戻したいと考えている場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
買戻しに関する取り決めが必要
リースバックによって自宅を売却した場合、自宅の所有権はリースバック業者に移ることになります。
売却によって高額の資金を手にした後は、リースバック業者と賃貸契約を締結し、毎月家賃を支払ながら、自宅にそのまま住み続けるという仕組みです。
リースバック実行後に買戻しを考えている場合は、あらかじめ買戻しに関する取り決めをしておく必要があります。
リースバックは自宅の所有権を失うという契約でもあるため、買戻しに関する取り組めをしていないと、買戻しを断られてしまうケースがあるのです。
売却価格よりも1~3割増しになる
買戻しに関する契約がある場合は、リースバックによって売却した自宅は基本的には買戻しが可能です。
ですが、リースバックの買戻し価格は、売却時の価格よりも1~3割増しで設定されるのが一般的です。
つまり、買戻しを予定している場合は、売却価格の1~3割増しの購入資金を用意しなければならないということです。
住宅ローンが組めない可能性がある
住宅は高額な買い物なので、購入の際は住宅ローンを組んで分割で支払うというのが一般的です。
しかし、リースバックの買戻しを行う場合は、住宅ローンが組めないケースが多くなっています。
住宅ローンは、契約者の収入などの情報をもとに審査が行われるため絶対に利用できないとは言い切れませんが、リースバック買戻し時の住宅ローン利用は難しいと考えておいたほうが良いでしょう。
リースバックの買戻しのやり方
買戻しのやり方には、「買戻し(売買予約)」と「買戻し特約」という2つの方法があります。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
買戻し(売買予約)とは
買戻し(売買予約)とは、将来的に買戻し(再購入)をすることをあらかじめ予約しておくことです。
リースバックの場合、自宅の所有権はリースバック業者に移るので、売買予約をしておかなければ他の人に売却されてしまう可能性があります。
そこで気になるのが、リースバック後の買戻しはいつまでにしなければならないかという点です。
買戻し期間は、買戻し(売買予約)の契約時に取り決めを行うのが一般的です。
通常、リースバック後は2~3年程度の賃貸契約を締結します。賃貸契約は更新をし続けることで何年でも住むことができます。
しかし、買戻しについては契約時に設定した期間を過ぎてしまうと、できなくなってしまう可能性があるので、よく考えて取り決めを行うことが大切です
買戻し特約とは
買戻し特約とは、「売却の際に受け取った金額と同等の金額を支払うことで、一度売却してした不動産の売買契約を解除できる」という制度です。
買戻し特約は、リースバックの契約と一緒に買戻し特約の契約を結ぶ必要があります。
売買予約と同様に、あとから特約を追加することはできないので、注意が必要です。
ただし、買戻し特約は要件が厳しいため、実際リースバックの契約ではほとんど使われることがありません。
リースバックの買戻しをするときの注意点
あらかじめ売買予約の契約を行っていれば、リースバックで売却した自宅を買戻すことができます。
リースバックで自宅を買戻す場合、以下の点に注意しましょう。
家賃を滞納すると買戻しはできない
リースバックで自宅に住み続けるためには、賃貸契約を結び、家賃を支払う必要があります。
家賃を滞納してしまうと買戻しができなくなるので、毎月きちんと支払うようにしましょう。
買戻しの価格はあらかじめ決めておく
将来的に買戻しを希望しているのであれば、買戻しの価格はあらかじめ決めておきましょう。
買戻し価格の取り決めを行っていなかった場合、いざそのタイミングがきたときに、価格を上げられてしまう可能性があるので注意が必要です。
リースバック以外に不動産担保ローンを活用
自宅を活用した資金調達の方法は、リースバックだけではありません。
一時的に資金が必要なだけで自宅を手放すつもりはなく、将来的に買戻すことを考えているのであれば、不動産担保ローンを利用しても良いでしょう。
不動産担保ローンとは、自宅を担保に融資を受ける金融商品です。
リースバックのメリットは借金をせずに資金調達ができることですが、自宅に住み続けるためには家賃を支払う必要があり、買戻しをする際はほとんどの場合、住宅ローンを使うことができません。
しかし、不動産担保ローンの場合は、返済期間を長く設定できるため返済の負担が少なく、自宅の所有権を保持したまま自宅に住み続けることができます。
借りたお金を返済できなくなってしまった場合は、自宅を失う可能性がありますが、買戻しのようにまとまった資金を準備する必要がないため、自宅を失うリスクを下げることが可能です。
最後に
リースバックの買戻しをする際にはまとまった資金を準備しなければなりません。
自宅を活用して資金調達を行うのであれば、不動産担保ローンの利用も検討してみましょう。
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