


介護が必要になったときの費用は、想像以上に大きな負担となることがあります。
介護にかかる平均的な自己負担額は月額約9万円とされており、介護期間が長引けば総額500万円を超えるケースも少なくありません。
一方で、年金や貯蓄だけでは十分な資金をまかなえない家庭も多く、「万が一のときに備えて資金を確保しておきたい」と考える人が増えています。
この記事では、介護費用の現状と、不動産担保ローンを活用して将来の介護資金を確保する方法について、わかりやすく解説します。
介護は誰にでも起こり得る現実的な問題です。
いざという時に慌てないためには、必要となる費用の目安を把握しておくことが大切です。
介護にかかる費用は「一時的に必要な費用」「月々かかる費用」「介護が続く期間」の3つに分けて考えると分かりやすいとされています。
ここでは、生命保険文化センターの調査(2024年)をもとに、それぞれの平均金額を見ていきましょう。
介護が始まる際には、住環境を整えるための初期費用がかかります。
具体的には、介護ベッドや手すりの設置、バリアフリー改修、介護認定の手続きに関する費用などが挙げられるでしょう。
生命保険文化センターの調査による、この一時的な費用の平均は約47.2万円です。
自宅で介護を始める場合には、介護用品の購入や住宅改修費がかさみやすく、施設に入居する場合も入居時費用が数十万円から数百万円にのぼることがあります。
初期費用を確保しておくことは、安心して介護生活を始めるための第一歩といえるでしょう。
次に、毎月の介護費用です。
生命保険文化センターの調査によると、介護にかかる月々の自己負担額は平均9万円(公的介護保険サービスの自己負担を含む)となっています。
在宅介護の場合は、介護サービス利用料のほかに、食費・光熱費・消耗品・交通費などが追加で発生するでしょう。
一方、介護施設を利用する場合は、月々15〜20万円前後になることも珍しくありません。年金だけではまかなえないケースも多く、介護費用は家計に大きな影響を与える支出となります。
介護が必要になる期間は人それぞれですが、平均は4年7か月(約55か月)とされています。
月9万円の介護費用が4年7か月続くと、総額は約495万円に達します。
さらに、一時的な初期費用や医療費・介護用品代などを加えると、総額は平均約550万円〜600万円に上ると考えられます。
この金額は、一般的な家庭にとって決して小さくありません。
長期間にわたる介護では、年金や貯蓄だけで資金を賄うのが難しいケースもあります。
介護にかかる費用は、想定以上に大きな負担になることがあります。
すべて貯蓄だけでまかなうのは難しく、年金や収入だけでは足りないケースも少なくありません。
そのため、介護が始まる前に複数の資金確保方法を知っておくことが大切です。
ここでは、主な5つの方法を紹介します。
介護費用を抑えるために、まず検討したいのが公的制度の活用です。
介護保険制度では、要介護認定を受けることで、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなどの費用の7〜9割が公費でまかなわれます。
また、「高額介護サービス費制度」を利用すれば、1か月あたりの自己負担額に上限が設けられ、収入に応じて負担が軽減されます。
さらに自治体によっては、住宅改修や介護タクシー利用、福祉用具購入に関する助成金制度を設けている場合もあるため、まずは市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに相談し、どの制度を利用できるかを確認しましょう。
多くの家庭では、老後の生活費や年金から介護費用をまかなうケースが一般的です。
ただし、長期的な介護になると貯蓄を使い切ってしまうリスクもあります。
介護費用と生活費を明確に分け、毎月の年金収入の中からどの程度を介護に充てるか、事前にシミュレーションしておくことが重要です。
また、介護が始まってから慌てないよう、退職金や金融資産の一部を「介護専用の資金」として取り分けておくのも良いでしょう。
近年、介護資金の確保手段として注目されているのが「不動産の活用」です。
特に、自宅や所有不動産を担保に融資を受ける「不動産担保ローン」や「リバースモーゲージ」は、まとまった資金を確保したい人に適した方法です。
不動産担保ローンは、自宅や土地を担保に金融機関から融資を受ける仕組みで、介護施設の入居一時金やリフォーム費用、在宅介護の費用など幅広い目的に使えます。
融資金額は担保評価額に応じて数百万円〜数千万円に上ることもあり、比較的審査が通りやすいのも特徴です。
一方、リバースモーゲージは高齢者向けの制度で、自宅を担保にしながら、住み続けたまま融資を受ける仕組みです。
返済は契約者の死亡後に不動産の売却で行われるため、年金収入が限られている人でも利用しやすいメリットがあります。
ただし、どちらも不動産の評価額や地域によって借入上限が異なり、金利の上昇や物件価値の下落に影響を受けるリスクもあるため、契約前に金融機関へ詳細を確認しましょう。
民間の介護保険や医療保険に加入しておくことで、介護発生時に給付金を受け取ることもできます。
介護保険は、要介護認定を受けた場合に一時金や年金形式で支払われるタイプがあり、将来の経済的リスクを軽減できます。
また、終身保険や医療保険の中にも介護特約を付けられるものがあり、幅広い保障を確保することが可能です。
ただし、保険は加入時期が遅いと保険料が高くなるため、早めの検討がポイントです。
介護は家族全員で支えるものでもあります。
そのため、親の介護をきっかけに、兄弟姉妹で費用分担の話し合いをする家庭も増えています。
トラブルを防ぐためには、「誰が、どの費用を、どの程度負担するのか」を明確に決め、必要に応じて家族会議の記録を残しておくと安心です。
また、介護費用の支払いを一人が立て替えた場合に備えて、後日清算できる仕組みを作っておくと、公平で円満な関係を維持できます。
介護が長期化すると、施設入居費や在宅介護費などで数百万円単位の支出が必要になるケースもあります。
年金や貯蓄だけでは十分にまかなえない場合、頼れる選択肢のひとつが「不動産担保ローン」です。
不動産担保ローンは、自宅や土地などの不動産を担保にして融資を受ける仕組みで、使い道が自由なため、介護費用やリフォーム費用、医療費などにも利用できます。
まとまった資金を一度に確保でき、返済期間を長めに設定できるため、家計への負担を抑えながら安定した介護を続けられるのが特徴です。
将来の介護を見据え、資産を上手に活用して安心できる生活を維持するための手段として検討してみましょう。
協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンに特化した融資を行っております。
お客様の状況に合わせた柔軟な審査を提供いたしますので、お気軽にご相談ください。


