市場価格より安く購入できる可能性がある「競売物件」。
しかし、通常の住宅ローンを利用できるのか疑問に思う方も多いでしょう。
結論から言うと、競売物件の購入には一般的な住宅ローンを利用するのが難しいケースが多く、代わりに「不動産担保ローン」や「つなぎ融資」などの別の資金調達方法が必要になります。
この記事では、競売物件購入時に住宅ローンが組めるケースと組めないケースの違い、そして購入資金を調達する方法について詳しく解説します。
競売物件の取得時にローンは組めるのか?
競売物件とは、「住宅ローンの返済ができなくなった」などの理由で金融機関に強制的に差し押さえられ、売却される物件のことです。
競売物件は、通常の不動産よりも安く、オークション形式で売却されます。
通常の不動産とは購入手続きの流れが異なるため、「住宅ローンは組めるのだろうか」と気になっている方もいるでしょう。
住宅ローンを組むのは難しい
競売物件の購入時に住宅ローンを組むのは、非常に難しいと言われています。
オークション形式で売却される競売物件の場合、内覧ができないため、金融機関は物件の価値を明確に審査することができません。
また、競売物件は売却許可から支払い期日までのスケジュールが非常にタイトです。
そのため、金融機関としては、審査のための十分な時間を確保できない可能性があります。
さらに、競売物件の代金納付と所有権移転登記を同時に行うためには「民事執行法82条2項の申出書」を裁判所へ提出する必要があるなど、煩雑な手続きが増えてしまうため、敬遠する金融機関が多いです。
競売物件を購入する際の流れ
競売物件の購入手続きは、以下の流れで進められます。
- 物件情報の確認
- 入札
- 開札
- 代金の納付
- 不動産の引渡し
入札前に確認できるのは、裁判所から開示される「物件証明書」「評価書」「現状調査報告書」の3つの資料のみです。
それらの情報をもとに入札額を決定し、管轄する裁判所に設置されている入札用紙に必要事項を記入し、提出します。
また、入札時には、後述の「買受申出保証金」の納付が必要です。
定められた期日で入札が締め切られ、1週間程度経ってから開札が行われます。
もっとも高い金額で入札した人が、不動産の購入権利を手にします。
競売物件を購入する際に利用できるローン商品
競売物件の購入時には、住宅ローンを組めない可能性が高いです。
とはいえ、自己資金のみで物件を購入するのは難しいという方も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、不動産担保ローンの活用です。
すでに所有している不動産を担保に資金を借入できる
不動産担保ローンとは、すでに所有している不動産を担保にまとまった資金を借入できる融資商品です。
競売物件を落札できるかどうかにかかわらず、融資が受けられるため、入札に必要な資金をスムーズに調達できます。
担保価値に応じて、高額の借入も可能です。
低金利で長期借入が可能
不動産担保ローンの金利は住宅ローンより高めなものの、一般的な無担保ローンと比較すると低めに設定されています。
また、返済期間も長期で設定できるため、無理のない返済計画が立てやすいのもメリットです。
競売物件を不動産担保ローンで購入する際の注意点
競売物件を不動産担保ローンで購入する際には、以下の3点に注意する必要があります。
入札段階で金融機関に相談しておく
競売物件を購入するためには、裁判所が定めている代金納付期日までに確実に代金を納付しなければなりません。
決められた期日までに納付できない場合、保証金が返金されず、購入権利も失われるリスクがあります。
そのため、スムーズな資金調達のためにも、入札段階で金融機関に相談しておくのが望ましいです。
融資特約がない
通常の不動産をローンで購入する場合、「融資特約」というものが適用されます。
これは、「ローンを組めなかった場合は売買契約を解除できる」という特約です。
競売物件には、この特約が適用されないため、仮に不動産担保ローンの審査に落ちて資金が調達できなかった場合においても、必要な金額を期日までに納付しないと保証金が返金されないリスクがあります。
買受申出保証金が必要になる
競売物件に入札するためには、買受申出保証金を納付しなければなりません。
金額は通常、売却基準価額の20%です。
例えば、売却基準価額が3,000万円の不動産に入札するためには、600万円の買受申出保証金を納付する必要があります。
買受申出保証金は、落札されなければ返金されるため、自己資金で賄うケースが一般的ですが、不動産担保ローンを事前に借り入れ、保証金の納付に充てることも可能です。
競売物件の取得には不動産担保ローンを活用しよう
競売物件の購入時には、住宅ローンを組めない場合が多いため、不動産担保ローンの活用が現実的な選択肢です。
不動産担保ローンなら、入札や落札の決定を待たず、事前にまとまった資金を借り入れできるため、買受申出保証金の納付にも対応できます。
協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンを専門的に取り扱っております。
お客様のニーズに合わせ、柔軟かつスピーディーな審査を提供させていただきますので、競売物件への入札をお考えの方もぜひご相談ください。