バックファイナンスという言葉を聞いたことがありますか。あまり聞きなれない言葉ですが、バックファイナンスは資金調達するための1つの手段です。バックファイナンスとは何か?ここでは、バックファイナンスを使ってどのように資金調達をするのかについて解説します。
バックファイナンスとは?
バックファイナンスとは自己資金で不動産を購入し、購入した不動産を担保に融資を受ける方法のことをいいます。「バック=あとから」「ファイナンス=資金を調達する」という意味があります。
通常であれば、資金が不足しているためにお金を借りるというのが一般的です。ですが、銀行などから融資を受ける場合、収入や返済能力が高いと判断されなければ融資を断られてしまうこともあります。資金がない状態で融資を受けるのではなく、自己資金を投入したあとに融資を受けるバックファイナンスは、通常の資金調達方法を逆手にとった融資方法といえます。では、実際にバックファイナンスはどのように利用することができるのでしょうか。
どうしても購入したい土地があるときにバックファイナンスを利用する
どうしても購入しておきたい土地があるが、現金は手元に残しておきたい場合は、バックファイナンスの利用を考えてみましょう。良い物件は早く決断しなければ、すぐに売れてしまう可能性がありますが、手元にキャッシュを残しておきたいときは、すぐに決断できずに迷ってしまうことがあります。そんなときにバックファイナンスを利用すると、欲しい土地を購入することができ、キャッシュも手元に残すことが可能です。
通常であれば土地を購入してしまうと、不動産は手に入りますが現金はなくなります。しかし、バックファイナンスを利用すれば、希望の土地を購入したあとにその土地を担保にお金を借りることができるため、手元に現金も残しておくことができます。また、土地などの不動産を購入後、急に資金が必要になった場合もバックファイナンスを利用すれば資金調達が可能になります。
バックファイナンスはノンバンクで
資金調達をする場合、銀行から融資を受ける方法とノンバンクを利用して融資を受ける方法があります。一般的に、銀行の審査基準は厳しく、銀行の融資は断られてもノンバンクの融資は受けられたという話は多くあります。銀行の場合、「この人(この会社)にお金を貸しても、確実にお金を返してもらうことができるか」ということが根本的な審査基準になっています。
そのため銀行の融資の審査では、収入が多い(利益が多い)、返済の遅延などがない、勤務経験が長い(経営期間が長く安定している)といった点が重視されています。
一方、不動産担保ローンなどを利用できるローン会社の場合、もちろん貸したお金を確実に返してもらうことができるかという点も審査の対象になりますが、本人(会社)の収入(収益)よりも不動産の価値が重視されることが多いです。そのため、不動産を所有している場合は銀行よりもノンバンクの融資のほうが、審査が通る可能性が高くなります。
銀行の場合、バックファイナンスは難しい
銀行から融資を受ける場合、個人の場合や会社を設立後あまり年数が経過していない場合、希望する融資の審査が通らないことが多いです。しかし、保証人や担保があると融資の審査が通ることがあります。ですが、銀行の場合は、バックファイナンスによる資金調達は難しいといわれています。なぜなら、銀行はお金を必要な人に融資をするという考えがあるためです。バックファイナンスを利用する場合、まず自己資金で土地などの不動産を購入し、購入した不動産を担保に融資を受けます。そのため、土地を購入する資金がある人に融資する必要はないと判断されてしまうことがあるのです。
一方、不動産担保ローンなどを扱う会社の場合、利用者が所有している不動産に十分な担保価値があれば審査が通る可能性があります。バックファイナンスの利用を考えている場合は、銀行ではなく不動産担保ローンなどを販売しているローン会社を利用することをおすすめします。
バックファイナンスで資金調達をするメリット・デメリット
バックファイナンスを利用して資金調達をするメリットは、自己資金を最小限にして融資を受けることができることです。一時的に自己資金を利用して不動産を購入することになりますが、バックファイナンスを利用することで3割程度の自己資金の投資で融資を受けることが可能です。たとえば購入した土地を駐車場として貸し出せば、購入した土地を利用して新たな収益を生むことができますし、借り入れたお金も資金として使うことができます。
バックファイナンスで資金調達をするデメリットは、資金繰りがうまくいかなくなってしまった場合のダメージが大きいことです。融資を受けたお金は期日までに返済する必要がありますし、返済が滞ってしまった場合は購入した不動産を失う可能性もあります。手元にキャッシュを残し、融資を受けられるバックファイナンスは便利な面もありますが、このようなデメリットも理解した上で利用することも必要です。
最後に
バックファイナンスとは、通常の資金調達方法とは考え方を変えた資金調達の方法です。銀行などの融資が通らなかった場合でも、バックファイナンスを利用して不動産担保ローンを利用すれば融資が通る可能性もあります。ただし、バックファイナンスにはメリットもありますが、デメリットもあります。デメリットも理解した上で、上手に利用することが大切です。
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