消費者金融などで個人（サラリーマン）が借り入れできる限度額のことを総量規制と呼び、個人の借り入れは年収の3分の1の金額までと法律で決められています。しかし、人によっては借り入れ金額が既に年収の3分の1に達してしまっているが、どうしても追加の資金が必要で借り入れをしたい…という場合があります。そんな時によく活用されるのが、銀行が提供する銀行カードローンです。しかし近年、銀行カードローンにより多重債務化してしまう人が増加し社会問題となったことから、ローン審査の厳格化が騒がれています。今回は、多重債務化する銀行カードローン審査の厳格化について解説していきたいと思います。

多重債務化する銀行カードローンの審査の厳格化とは

銀行や消費者金融などからの借り入れ金額が年収の3分の1に達してしまい、総量規制によりそれ以上の借り入れができない状態にも関わらず、さらに追加資金が必要になってしまうという人は少なくありません。そんな時に活用されていたサービスが、銀行が提供する銀行カードローンです。

実は、消費者金融からの借り入れと異なり、銀行カードローンでの借り入れは総量規制の対象とはされてきませんでした。そのため、総量規制の限度額上限まで借り入れをした方が、追加資金融資を求めて銀行カードローンに流れ込むという現象が起きていました。その結果、返済能力以上の借り入れを行い、返済ができなってしまい、多重債務化してしまう方が増えてしまったというわけです。

このような社会的問題をうけ、各銀行では「自主規制」として銀行カードローンの審査を厳格化すると発表し、実際に審査が厳しくなってきています。

そもそも総量規制とは何か

ここで総量規制についておさらいしておきましょう。総量規制とは貸金業法という法律によって定められている個人（サラリーマン）が借り入れ可能な限度額のことを言います。具体的には、借りられる方の年収の3分の1までの金額と定められており、貸金業法では、各貸金サービス事業者が、総量規制を超える金額を融資することを禁じています。

総量規制は、多重債務により最終的に自己破産してしまう人達の増加を抑えることが目的です。しかし、総量規制には対象外となるローンや融資もあり、その一つが銀行カードローンなのです。カードローン以外にも、住宅ローンや自動車ローンも総量規制の対象にはなりません。

銀行の自主規制により銀行カードローンの審査にどのような変化があったのか

多重債務化という社会的な問題を受け、各銀行は「自主規制」として銀行カードローン審査の厳格化を発表しています。ここからは、多重債務かする銀行カードローン審査を厳格化することによって、具体的にどのような変化が起きているのかを解説していきます。

即日融資ができなくなった

2018年1月から全ての銀行カードローンにおいて、即日融資ができなくなりました。これは審査の厳格化により「警視庁が管理する情報との照会」が加わり、その工数に1〜2日以上の日数がかかってしまうことが理由です。

警視庁が管理する情報では、「反社会的組織」に関係する人物に融資をしてしまわないようにするための確認を取っています。

限度額上限の減少

各銀行の自主規制のため、全ての銀行に当てはまるわけではありませんが、ある大手銀行では銀行カードローンの限度額を年収の2分の1から3分の1に下げると発表しました。銀行各社とも限度額上限を減少させる傾向にあります。

審査基準のハードルが上がる

大手銀行、地方銀行など銀行カードローンを扱うほとんどの銀行が、審査基準を厳しくすると発表しています。具体的にどのような審査基準が厳しくなっているのか？審査基準について各銀行は明らかにしていませんが、これまで保証会社に依頼していた審査を自社内で行うようにし、審査体制を強化する動きになってきています。

総量規制の対象とならない融資方法とは

銀行カードローン審査の厳格化により、総量規制による上限金額以上の融資を必要としている人にとって、銀行カードローンがこれまでよりも活用しにくいサービスとなっていくことは明らかです。現時点で銀行カードローンは、法的には総量規制の対象とはなっておらず、あくまで各社の自主規制による審査の厳格化が行われているだけですが、社会的な状況の変化によっては総量規制の対象となる日が来る可能性もゼロではありません。

総量規制の対象とならず、一般的な融資の審査よりもハードルが低い傾向にある融資としておすすめできるのが不動産担保ローンです。不動産担保ローンでは、サラリーマンとしての勤続年数や年収よりも、担保に設定する不動産の価値評価を重要視した審査を行うため、担保提供できる不動産を所有している人にとっては、大きな金額の融資を受けられる可能性があるのです。

最後に

今回は、多重債務化する銀行カードローン審査の厳格化について、銀行カードローン審査が厳格化する背景や、厳格化することによる融資環境の変化などについて解説してきました。また、現時点では銀行カードローンは総量規制の対象とはなっていませんが、社会的情勢の変化によっては総量規制の対象となる可能性もゼロではありません。そのようなときの資金調達方法としてご活用いただけるのが不動産担保ローンです。不動産担保ローンについてより詳細にご覧になりたい方は、こちらをご参照ください。

https://kshc.jp/realestate-securedloan/