不動産担保ローンで自宅を担保にする場合、建物のみ、土地のみを担保にできるのかを知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産担保ローンは建物のみでも可能なのかを解説します。
不動産担保ローンは建物のみでも借りられる
不動産担保ローンは建物のみでも借りられます。なぜなら、土地と建物は別々に評価されるからです。
そのため、建物のみだけではなく、土地のみ、建物と土地の両方でも融資を受けることが可能です。
建物のみを担保にいくら借りられる?
建物のみを担保に融資を受ける場合は、築年数、建築構造などによって担保評価額が変わります。
そのため、古い建物のみを担保に融資を受けたい場合は、希望の金額の融資が受けられない可能性があります。
建物を評価する方法はいくつかありますが、ここでは一般的に利用されている建物のみの担保評価の算出方法、マンションの担保評価額算出方法を紹介します。
建物構造別の法定耐用年数について
住宅、マンションなどの建物は、建物の構造によって法定耐用年数 が定められています。
法定耐用年数とは、機械や建物などを固定資産として使用できる期間を税法によって定められているものです。
法定耐用年数は、減価償却をする際に利用されますが、経年劣化によって建物にどれくらいの価値が残っているかを判断する際などにも利用されています。
建物の法定耐用年数は、建物の構造、使用目的などによって細かく定められています。
主な法定耐用年数は以下の通りです。
・木造…22年
・重量鉄骨造…34年
・鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造…47年
建物のみの担保評価額算出方法
建物のみの評価額を算出する際は、以下のような計算式がよく使われます。
『建物のみの担保評価額=再調達費用×建物の床面積×残存年数÷法定耐用年数』
再調達価格とは建物を再建築した場合に必要になる金額で、1平方メートル当たりの再調達価格の目安は以下の通りです。
鉄筋コンクリート造(RC造) 18~20万円
重量鉄骨造(S造) 15~18万円
軽量鉄骨造(S造) 12~17万円
木造(W造) 12~16万円
残存年数とは、法定耐用年数から築年数を引いたものです。
例えば、1平方メートルあたりの再調達価格が16万円、床面積が100平方メートルの築15年の木造の建物の担保評価価格を求める計算式は以下のようになります。
16万円×100㎡×(22年-15年)÷22年=509万円
建物の評価額を算出したら、担保掛目をかけて建物の担保評価額を算出します。担保掛目とは、不動産の評価額に一定の割合をかけるもので、一般的に7割程度に設定されています。
509万円(建物の不動産評価額)×担保掛目(7割)=356万円
この場合の建物の担保評価額は356万円ということになります。
建物の評価額は必ずしもこの計算式が使われるとは限りません。
法定耐用年数よりも築年数が経過している場合は、建物の価値がまったくないと判断されてしまうケースもあるため、建物のみを担保にする場合は注意が必要です。
マンションの担保評価額算出方法
マンション評価額を調べる際は、建物と土地の評価額を別々に計算し、合算して求めます。
建物の評価額は、固定資産税評価額と同等額です。
固定資産税評価額は、自治体から送付される固定資産税の納付書と一緒に送付される明細書に記載されています。
自分が専有している分のマンションの土地の価格は、路線価と持分割合を利用して求めます。
①マンションの所在地の路線価を調べる
路線価にマンション全体の面積を掛けるとマンション全体の土地の価格が算出できます。
②マンション全体の土地の価格に持分割合掛けて、専有分の土地の価格を求める
マンションの持分割合は、売買契約書で確認できます。
③固定資産税評価額で調べた土地の評価額と専有分の土地の価格を合算し、担保掛目をかける
この手順でマンションの担保評価額が算出できます。
ただし、マンションの場合は、周辺環境の変化や需要と供給のバランスによって担保評価額は変動するため、自分で計算した担保評価額と、実際の担保評価額が大幅に変わってしまう可能性もあります。
最後に
不動産担保ローンは、建物のみでも利用することが可能です。
不動産の担保評価額は、計算方法だけではなく評価する人によっても価格が変わってしまうことがあるため、できるだけ高く評価してもらいたい場合は、外部の不動産鑑定士に依頼するのではなく自社で不動産鑑定が可能なローン会社を選ぶことがおすすめです。
協和信用保証株式会社は、昭和63年の創業以来、不動産担保ローンのエキスパートとして成長を続けてまいりました。不動産担保ローンに特化した独自のノウハウと不動産担保ローン専業ならではの強みを活かし、担保価値を迅速に確実に評価し、適正な融資を素早く実行します。
建物のみを担保に不動産担保ローンを利用したい方や、マンションを担保に不動産担保ローンの利用を検討されている方は、協和信用保証株式会社にお気軽にご相談ください。