「不動産担保ローン」と「住宅ローン」という言葉を聞いて、住宅も不動産なのに「不動産担保ローン」と「住宅ローン」って何が違うのかよくわからないという人や、違いをうまく説明できないという人もいるかもしれません。そこで不動産担保ローンとは何か?また不動産担保ローンと住宅ローンの違いについてわかりやすくご説明します。
不動産担保ローンとは
不動産担保ローンとは、わかりやすくいうと自分の住んでいる家や所有している土地を担保にお金を借りることをいいます。お金を借りた場合、お金を借りた債務者はお金を貸した債権者に返済する必要がありますね。しかし、なんらかの事情でお金の返済が困難になってしまった場合、家や土地を売却し、売却によって得たお金で借りたお金を返済することができる家や土地のことをいいます。
つまり不動産担保ローンを利用してお金を借りた場合、お金を返済することが困難になってしまった場合は、担保にしていた家や土地を失う可能性があるということです。
住宅ローンとは
家を購入する場合、家の購入代金を現金で一括で支払うという人はほとんどいないのではないでしょうか。頭金として購入代金の一部を現金で支払い、残りの残金を何十年かにわけて支払うという方法を取っている人が多いですね。
このように住宅ローンとは、購入代金を一括で支払うのではなく、返済の金額と期間を決めて家の購入代金を分割して支払うことをいいます。
不動産担保ローンと住宅ローンの違い
購入した住宅を担保にお金を借り入れて、分割で返済するという意味では住宅ローンも不動産担保ローンと同じといえます。しかし、住宅ローンの場合は借り入れたお金の使い道が購入した家の代金に限られていますが、不動産担保ローンの場合は、借り入れたお金を他のことに使うことができます。
不動産担保ローンと住宅ローンはこの点に大きな違いがあります。
不動産担保ローン以外にも教育ローンなどローン商品がありますが、住宅ローンのように使い道が限られているものは、低い金利でお金を借りることができますが、お金の使い道が限られていないものは使い道が限定されているローン商品に比べて利子が高く設定されています。
住宅ローンは、家の購入代金に使い道が限定されているので、使い道が限定されていない他のローン商品に比べると低い金利で利用することが可能です。
住宅など不動産にかかわるローンでは抵当権が設定される
住宅ローンや不動産担保ローンを利用する場合は、「抵当(ていとう)権」が設定されます。抵当権とは担保権のことで、借り入れたお金の返済ができなくなってしまった場合は、家や土地を売却した価格から貸したお金を回収することができる権利のことをいいます。
抵当権は、1つの家や土地に対して複数設定することができますが、その場合は抵当権には順位がつけられます。そして、1番の権利のある債権者の債務額をすべて回収しなければ、2番の権利のある債権者は債務額を回収することができないというルールになっています。
そのため住宅ローンを利用する場合は、抵当権が1番になっていないと住宅ローンの審査が通らないことが多いです。
不動産担保ローンは住宅ローン返済中でも利用することが可能なのか
家や土地を担保にお金を借りることができる不動産担保ローンは、住宅ローンを返済中でも利用することができるのでしょうか。
結論からお話すると、住宅ローンを返済中でも条件によっては不動産担保ローンを利用することができます。既にご説明したとおり、住宅の購入資金として住宅ローンを利用した場合は購入した家に抵当権が付いています。抵当権が付いている場合は、借りたお金を返済することができなくなってしまったときは、1番の抵当権の権利を持っている債権者、この場合は住宅ローンを利用した金融機関の債務額をすべて回収しなければ2番目以降の権利の債権者は債務額を回収することができません。そのため、抵当権が付いている住宅を担保に不動産担保ローンを利用する場合は、所有している不動産の評価額とローンの残高に一定の差額がある場合は利用が可能という条件があるローン会社が多いです。
住宅ローン返済中の家を担保に不動産担保ローンが利用できるかどうかは、利用するローン会社によって異なります。ローン返済中に不動産担保ローンの利用を考えている場合は、まずはローン会社に相談してみましょう。
最後に
住宅ローンと不動産担保ローンの違いは、家を担保にして借りたお金の使い道です。住宅ローンは、購入した家の代金にしかお金を使うことができませんが、不動産担保ローンの場合は、借りたお金を自由に使うことができます。
ただし、ローン返済中の場合は家に抵当権がついているので、不動産担保ローンの審査が必ず通るわけではありません。不動産担保ローンの利用を検討している場合は、まずはローン会社に相談することから始めてみましょう。
住宅ローンと不動産担保ローンの違いついて、より詳細にご覧になりたい場合は、こちらをご参照ください。