不動産担保ローンで担保提供者がご高齢の場合の融資審査とは

2019.6.26
不動産担保ローン関連情報

不動産担保ローンの申し込みを検討されている方で、担保に設定する不動産の所有者がご高齢である場合には注意点があることをご存知でしょうか。不動産担保ローンのサービスによっては不動産所有者の年齢に上限が設定されている場合や、不動産所有者がご高齢の場合は、認知症などによる意思判断能力の衰えがないということを証明する必要がある場合が多いです。今回は不動産担保ローンにおいて、担保提供者がご高齢の場合に注意しなければいけない融資審査について解説していきます。

親名義の不動産を担保にするときの注意点

不動産担保ローンの申し込みをご検討中の方の中には、両親や祖父母名義の不動産を担保に設定したいとお考えの方も少なくありません。結論から申し上げますと、両親や祖父母が所有する不動産を担保に設定して不動産担保ローンを申し込むことは可能です。しかし、担保提供者である両親や祖父母の承諾が間違いなく得られていること、また、不動産担保ローンにおいて、担保提供者がご高齢者の場合には、融資審査の際に、認知症などによる意思判断能力の衰えがないかを証明する必要があるのです。

担保提供者がご高齢の場合の融資審査とは

不動産担保ローンを申し込むにあたり、担保提供者がご高齢の場合に追加される融資審査基準として、意思判断能力の確認があります。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などにかかってしまっており、意思判断能力に衰えが見受けられる場合、担保不動産の提供者として認められない場合があります。

これは、悪意を持った第三者が、ご高齢者の意思判断能力が衰えていることを利用し、本人の意思に反して勝手に担保設定してしまうことを防ぐための審査基準です。不動産提供者がご高齢の場合には、認知症でないことや、意思判断能力に衰えがないことを医師が発行する診断書によって証明したり、認知症でないことを調べる知能検査を行ったりすることが融資審査に含まれるといったケースがほとんどです。

担保提供者がご高齢かつ担保に設定する不動産が地方物件の場合

担保提供者がご高齢で、なおかつ担保に設定する不動産が地方にある物件という場合にも注意が必要です。不動産担保ローンの融資審査で医師の診断書や知能検査から意思判断能力に問題がないと証明できたとしても、いよいよ契約という段階まで進んだら、契約時には担保提供者つまりご高齢の両親や祖父母が、不動産担保ローン会社の営業所や事務所へ行って契約をしなければならないというケースが大半だからです。もし、不動産担保提供するご高齢者が車椅子での生活をされている場合や寝たきりなど、長距離の移動ができない場合、不動産担保ローンの契約ができないという場合もあります。不動産担保ローンの専門会社や金融機関によっては、ご高齢者がお住まいの地方まで出張し、契約手続きを行ってくれる会社もありますが、その際には別途出張費が請求されますので事前に確認しておく必要があるでしょう。

融資契約事前説明が重要

担保提供者の年齢に関わらずですが、自分以外の第三者が所有する不動産を担保に不動産担保ローンを申し込む場合には、融資を申し込む前の事前説明が非常に重要です。例えば、両親が現在住んでいる自宅を担保に不動産担保ローンによる融資を受ける場合、不動産所有者がローンの連帯保証人になる必要があります。何らかの事情により返済計画通りの返済ができなくなってしまった、返済不能な状況に陥ってしまったという場合、連帯保証人である両親が、返済を肩代わりしなければいけません。それができない場合には、担保設定した不動産を売却して融資残金を返済することになるため、担保提供した不動産は、不動産担保ローン会社の手に渡ってしまう、つまり両親が住む家がなくなってしまうことになるのです。

このような最悪な状況に陥る可能性があることを含めて、融資契約についての詳細を事前にきちんと説明し、承諾を得なければ、不動産担保ローンの申し込みをすることはできません。また、担保提供者がご高齢の場合には、融資条件に関する説明をしっかりと理解したうえでの判断ができるかどうか、担保提供者の意思判断能力が重要な審査審査基準となるわけです。

まとめ

今回は、担保提供者がご高齢の場合の融資審査や、自分以外の第三者が所有する不動産を担保に不動産担保ローンを申し込む場合の注意点について解説してきました。ご高齢者が所有する不動産を担保設定する場合は、担保提供者の意思判断能力が衰えていないことの証明が重要な融資審査項目となります。また、担保に設定する不動産が両親や祖父母の自宅であるという場合、万が一、返済不能となってしまっら、その不動産に住めなくなってしまう可能性があることなど、融資条件や契約内容について担保提供者に事前にきちんと説明し、承諾を得なければ融資を申し込むことができません。ご高齢の両親や祖父母が所有する不動産を担保にした不動産担保ローンの申し込みについて、より詳細にご覧になりたい方は、こちらをご覧ください。

https://kshc.jp/realestate-securedloan/