事業資金や開業資金などでまとまったお金が必要なとき、所有している不動産を活用して不動産担保ローンを利用することができます。不動産担保ローンは、資金使途が限定されていないうえに返済期間も長く設定できるなど便利な面もありますが、注意しなければいけないこともあります。
そこでこの記事では、不動産担保ローンについて知っておくべき注意点について解説します。
注意点①返済ができなくなると不動産を失うリスクがある
不動産担保ローンの最大の注意点は、返済ができなくなると不動産を失う可能性があることです。利用していない土地などを担保に不動産担保ローンを利用している場合は所有している土地を失うだけで済みますが、現在住んでいる家を担保にしていた場合は、住む家を失う可能性があります。また、家族名義の土地や建物を担保にしていた場合は、家族が所有している不動産を失うことになりますので特に注意が必要です。
注意点②諸費用が必要になる
不動産担保ローンを利用する際は、諸費用がかかる点にも注意が必要です。カードローンなどを利用する場合は諸費用がかかりませんが、不動産担保ローンの場合は「事務手数料」「抵当権設定の登記費用」「印紙税」「抵当権設定のための司法書士への報酬」といった諸費用が必要になります。
これらの費用分を考慮せずにお金を借りてしまうと、せっかく不動産担保ローンを利用しても資金が不足してしまうといった可能性もあります。不動産担保ローンに必要な諸費用は、利用する金融機関やローン会社によって異なるため、どれくらいの諸費用が必要なのか事前に確認しておくようにしましょう。
注意点③途中解約違約金が発生する可能性がある
不動産担保ローンには、途中解約違約金が設定されているものと、設定されていないものがあります。途中解約違約金が設定されている不動産担保ローンを利用する場合は注意が必要です。途中解約違約金が設定されている場合、一括で繰り上げ返済を行うと違約金が発生します。
途中解約違約金とは、例えば現在利用している不動産担保ローンよりも金利の安い不動産担保ローンに乗り換えたいといった場合に、今まで利用していた不動産担保ローンを一括返済し、別のローンに乗り換えを行うと違約金が発生してしまうということです。不動産担保ローンは返済期間が長く設定されている商品が多いので、借り換えの可能性がある場合やまとまった資金が入ったときに一括返済を考えている場合は、途中解約違約金の有無を確認しておきましょう。
注意点④担保評価額の全額の融資が受けられるわけではない
不動産担保ローンは、担保となる不動産の評価額に応じて融資額の上限が決まります。ですが、担保評価額＝融資額の上限になるわけではありません。不動産担保ローンのように不動産を担保にして融資をする際は、担保評価額に一定の割合を掛けた金額が融資額の上限として設定されています。この一定の割合のことを「掛目（かけめ）」といいます。
不動産担保ローンの場合、一般的な掛目は7割です。たとえば、担保評価額が5,000万円だった場合は5,000万円×70％なので、融資限度額は3,500万円になるということです。
担保評価額がそのまま融資額の上限になるわけではないので、利用する金融機関やローン会社の担保掛目に注意しておきましょう。
金融機関やローン会社が担保掛目を設定している理由は、債務者の返済が困難になって担保の不動産を売却してローンの残金を回収するときに、不動産が値下がりしていた場合のリスクを回避する目的があるためです。担保評価額に近い金額の融資を希望する場合は、担保掛目の割合ができるだけ高いローン会社を選ぶ必要があります。
注意点⑤融資が実行されるまでの時間を考慮しておく
カードローンの場合は、申し込みをした当日に融資が実行されることも多いですが、不動産担保ローンの場合は審査に時間がかかります。申し込みから融資が実行されるまでの期間は、１週間程度のケースもありますが、時間がかかる場合は１ヶ月程度の時間が必要になることもあるため、注意しましょう。
不動産担保ローンを利用して資金調達をする場合は、時間にゆとりを持って申し込みをすることをおすすめします。
注意点⑥追加で担保を要求される可能性がある
不動産担保ローンは、不動産評価額に一定の掛目を掛けた金額が融資額の上限になりますが、急激に担保価値が下がってしまった場合は、追加で担保を要求されることがあります。金融機関やローン会社では、定期的に不動産の鑑定を行っているため、担保価値が下がり、融資額よりも担保価値が下がってしまった場合は追加で担保を要求することがあるのです。追加で担保を要求された場合は、「担保を追加する」「保証人を増やす」「一定額を繰り上げ返済する」などの対応が必要です。
不動産に関する疑問は協和信用保証株式会社へ
不動産担保ローンはまとまった資金の調達方法として便利ですが、今回紹介したような注意点もあります。協和信用保証株式会社は、創業以来不動産担保ローンに特化した事業を行ってきました。そのため、ローンの関する知識だけではなく、不動産評価に対する知識も豊富です。不動産担保ローンについてわからないことや不安なことがある場合は、協和信用保証株式会社にご相談ください。
