自宅を売却し、売却益を得たあとも自宅に住み続けることができるリースバックやリバースモーゲージという融資方法が注目されています。リースバックもリバースモーゲージも同じように自宅を活用して資金を調達し、資金調達後も自宅に住み続けることができる融資方法ですが、その仕組みには大きな違いがあります。
そこで今回は、リースバックとリバースモーゲージの違いや利用するときの注意点などについて分かりやすく解説します。
リースバック・リバースモーゲージとは？
はじめに、リースバック、リバースモーゲージの仕組みを紹介します。
リースバックの仕組み
リースバックとは、自宅を売却して資金を一括で受取り、売却した先と賃貸契約後結ぶことで自宅に住み続けることができるという仕組みの融資方法です。
リースバックのメリットとしては、
・売却したことを周りに知られることなく変わらず自宅に住み続けることができる
・リースバックによって得た資金には資金使途の制限がなく自由に使うことができる
・借り入れをせずにまとまった資金を得ることができる
などがあげられます。
ただし、リースバックによる賃貸契約は一般的な賃貸住宅の契約とは異なるため、周辺の同じような賃貸物件よりも家賃が高めに設定されてしまう可能性がある点がデメリットと言えます。
リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージは、自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者世帯に向けたサービスです。
自宅を担保に融資を受け、存命中は利息分のみの返済を行い、契約者が亡くなったときに担保の自宅を売却して返済を行うという仕組みになっています。
現在、実家があっても子どもが相続する必要がないケースも多く、空き家が増えていることが問題になっていますが、リバースモーゲージを利用すれば、親が存命中は資金を生活資金として利用することができ、亡くなったあとは家を売却して返済を行うので、家を処分する必要がない点もリバースモーゲージのメリットと言えます。
しかし、リバースモーゲージの場合、家の担保価値によって受けられる融資額が異なるため、生きている間に融資額の上限に達してしまった場合や契約者に配偶者がいた場合、ご存命中に自宅を失ってしまうリスクがあります。
また、リースバックとは異なり、リバースモーゲージは生活資金など資金使途が限られているため、お金を自由に使うことができない点もデメリットと言えます。
リースバックとリバースモーゲージの違いはどこにある？
リースバックもリバースモーゲージも自宅を活用して資金を得ることができ、資金を得たあとも自宅に住み続けられるという点は同じですが、仕組みが異なるため以下のような点に違いがあります。
| リースバック | リバースモーゲージ | |
| 仕組み | 自宅を売却して現金化し、その後賃貸契約を結ぶことで自宅に住み続けることができる | 自宅を担保に融資を受け、年金方式または一括で資金を得て、存命中は利息分のみの返済を行い、契約者が亡くなったあとに自宅を売却して返済を行う |
| 借り入れの有無 | なし | あり |
| 資金使途の制限 | なし | あり |
| 所有権の移転 | 売却が成立後、所有権が移転 | 契約者が亡くなり、売却によって返済が行われるときに所有権が移転 |
| 担保設定 | 必要なし | 必要あり |
| 返済方法 | 自宅を売却するので返済の必要はないが、自宅に住み続けるためには家賃を支払わなければならない | 存命中は利息分のみの返済を行い、契約者が亡くなったときに自宅を売却して返済を行う |
| メリット | 自宅を現金化したあとも自宅に住み続けることができる | 存命中は、利息分の返済のみで自宅に住んだまま生活資金を得ることができる |
| デメリット | 賃貸契約によって自宅に住み続けるため、家賃を支払わなければならなくなる | 融資額が上限に達してしまったときや、契約者に配偶者がいた場合、途中で自宅を失うリスクがある |
事業資金の調達は不動産担保ローンも検討しよう
リースバック、自宅を売却して現金化するため、借り入れをせずにまとまった資金を得ることができますが、自宅に住み続けるためには周辺の相場よりも高い家賃を支払わなければならない可能性があります。
リバースモーゲージは、契約者が亡くなったときに家を売却して借入金の返済を行うので、契約者の存命中の生活資金の調達方法としてはメリットもありますが資金使途が限られており、また融資額の上限に達してしまったときはご存命中に自宅を失ってしまうというリスクもあります。
事業資金などで高額な資金を調達したい場合は、リースバックやリバースモーゲージ以外に不動産担保ローンを活用する方法もあります。
不動産担保ローンは、基本的に資金使途に制限がなく、自宅を担保にすれば無担保ローンと比較すると低い金利で高額な融資を受けることが可能です。また、返済期間も長く設定することができるので返済の負担を軽くすることができます。
自宅を活用した事業資金の調達を考えている場合は、不動産担保ローンの利用もぜひご検討ください。
最後に
自宅を活用して融資を受ける方法としてリースバックやリバースモーゲージが注目されてきています。
リースバックやリバースモーゲージにはメリットもありますが、デメリットもあるため、仕組みやデメリットを理解した上で活用することが大切です。
協和信用保証株式会社は、不動産担保ローンに特化した融資を行っています。自宅などの不動産を活用した融資を検討されている方は、協和信用保証株式会社にお気軽にご相談ください。
