今回は、不動産担保ローンを受ける際、担保提供者への融資契約事前説明における重要なポイントについてご説明します。ここでの「担保提供者」とは、不動産担保ローンの契約の際に、担保として所有不動産を提供してくれる自分ではない第三者(配偶者、実父、実母、実兄弟姉妹などの家族)のことを指します。急に大きな資金が必要になったとき、自分名義の所有不動産ではなく家族の所有する不動産を担保として不動産担保ローンを考えることもあるでしょう。その場合、担保提供者への担保融資契約に関する事前説明は非常に重要なことです。家族とはいえ、自分以外の人が所有する財産である不動産を担保に融資を受けるわけですから、事前にしっかりとした説明をした上で不動産担保ローンを利用しなければ、後々大きなトラブルの元となりますので注意が必要です。
家族名義の不動産で不動産担保ローンを利用する手順
不動産担保融資契約で必要となる書類は担保対象不動産の名義人が家族でも同じ
不動産担保融資契約において、名義が担保契約者本人のものではない不動産を担保とする場合であっても、対象の不動産に担保価値があると評価されれば、基本的に不動産担保融資契約は締結可能です。しかし、不動産担保融資を受ける際の審査という点での厳しさは、自分名義の不動産を担保にした不動産担保ローンの審査とほとんど変わらないと言っていいでしょう。
不動産担保ローンの審査時に事前準備しておくべき土地建物に関する必要書類も、ほとんど変わりありません。土地建物図面や、不動産登記簿、地積測量図のほか、住宅ローンがまだ残っている場合には、その残債が確認できるような書類が必要になります。
担保提供者への融資契約事前説明は不動産担保ローン利用の手順として重要
不動産担保ローンの利用において、事前に準備しておくべき必要書類は、担保対象不動産の名義人が本人でも家族でも変わらないとご説明しましたが、家族名義の不動産を担保として不動産担保ローンの審査を行う際には、追加で必要となる手順があります。
それが担保提供者への融資契約事前説明であり、「担保提供者の意思確認」および「各書類への担保提供者の直筆署名・捺印」です。特に、「担保提供者の意思確認」は、不動産担保ローンサービスを提供する業者立ち合いのもとでの確認が必要になり、担保提供者が家族だからと言って、委任された担保契約者が、担保提供者の立ち合い無しに担保契約をすることは出来ないのです。
不動産担保ローンの審査が通った際には、不動産担保ローンのサービス提供会社から改めて担保提供者に、担保提供による担保融資契約の説明がなされますが、担保提供者に対する担保融資契約事前説明は、後々説明不足によるトラブルが起きないように、企業からの説明のみならず担保提供を受ける担保ローン契約者自身からも、しっかりと行っておくことが重要なのです。
家族名義の不動産で担保ローンを利用する際、担保提供者への融資契約事前説明すべき重要な注意点
返済不能時には家族が所有不動産・住宅を失うこと
家族名義で不動産担保ローンを組んだ場合に、一番リスクとなり、また家族への説明が重要なポイントはこれです。返済不能時には、もちろん、担保対象となっている家族所有の不動産・住宅が失われることになります。返済不能とならない状況が一番ですが。どうしても返済不能な状況に陥った場合は、家族所有の不動産・住宅が失われることを、担保契約者本人及び担保提供者が留意しておかなくてはならないポイントです。
家族が連帯保証人となる必要がある
自分が自分名義の不動産で担保ローンを契約する場合と異なる点ですが、家族名義の不動産・住宅で担保ローンを組もうとする場合は、不動産を所有する家族が連帯保証人となる必要があります。この連帯保証人は、ローン契約者本人が返済不能となった場合に、契約者と同じだけの責任を持つため、本人が返済不能となった場合は、連帯保証人が返済しなくてはならなくなります。この点も、家族名義の不動産担保ローン契約を考える際に、事前に説明をして承諾を得ておくべき事項と言えます。
審査結果が出るまでに時間・費用がかかることも伝えておきましょう
不動産担保ローン契約の審査時には、不動産登記簿、土地・建物図面などの他、納税関連、または住宅ローン残債の確認など、事前準備に必要な書類が多く、書類を集めるだけでも時間・費用がかさみます。審査結果が出るのも基本的には、数日から1週間という目安で考え、比較的審査結果が出るのが遅いということも、担保提供者である家族の方の不安や疑問を少なくする意味でも、事前に説明をしておきましょう。
担保提供者が家族だからこそ、担保融資契約についてしっかりと事前に説明することが重要
これまで、家族名義の不動産担保ローン契約時の担保提供者(家族)への事前説明の重要性をお話してきましたが、自分の家族だからといって、簡単に不動産担保ローン契約を推し進めるのはおすすめしません。事前に家族としっかりと話し合い、担保ローンを契約して融資をどのような用途に使うのかなど、ご自身の家族に説明した上で承諾を得ることが大切です。将来、トラブルによって家族関係の破綻が起きてしまうことは絶対に避けたいことです。事前説明は、絶対に怠らないようにしましょう。
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https://kshc.jp/realestate-securedloan/