


相続手続きには、相続税の支払いや不動産の代償分割など、思わぬ出費がかさみ、資金調達が必要になる場面が少なくありません。
そのため、「不動産を売却したくないけど、現金が足りない」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが、相続不動産を担保にした不動産担保ローンの活用です。
この記事では、相続時に不動産担保ローンを活用した5つの具体的な事例と、そのメリットについて詳しく紹介します。
不動産担保ローンは、被相続人から不動産を相続し、「資産はあるのに現金がない」「不動産は売却したくない」という方に適した選択肢の一つです。
不動産を担保にして融資を受けられるため、相続時に必要な資金を確保することができます。
ここでは、相続時によくある不動産担保ローンの活用事例を5つ紹介します。
相続税は、原則として現金で一括納付する必要があります。
しかし、相続財産の大半が不動産の場合、納税資金をすぐに用意できないケースは少なくありません。
例えば、8,000万円相当の不動産を相続したものの、現金はほとんど残っていないという場合、相続税として数百万円単位の支払いが発生することもあります。
このようなとき、不動産担保ローンなら担保価値に応じて数百万円〜数千万円規模の融資を受けられるため、相続税の納付期限内に資金を用意することができます。
また、ローンを組むことで不動産を急いで売却せずに済むため、資産の継承という面でも有効な選択肢です。
相続人の一人が不動産を相続し、他の相続人には代わりに現金を支払う「代償分割」も、よくある相続方法です。
ただし、現金を用意できなければ話し合いが難航し、遺産分割協議がまとまらないケースも見受けられます。
例えば、5,000万円相当の不動産を長男が相続し、次男にはその分の代償金を支払うという代償分割の場合、長男は2,500万円前後の現金を用意しなければいけません。
このような場合にも、不動産担保ローンを活用できます。
ローンの契約者は代償金を支払う側の相続人(相続人)となりますが、収入要件や不動産の担保評価によっては柔軟に融資が検討されることもあります。
遺言により特定の相続人に大部分の財産を遺した場合でも、他の法定相続人には「遺留分」と呼ばれる最低限の取り分が認められています。
遺留分に対する請求(遺留分侵害額請求)があった場合、相続人は遺留分に相当する現金を支払わなければいけません。
例えば、「不動産はすべて長男に相続させる」とする遺言があったとしても、長男や次男が遺留分の請求を行えば、長女は他の相続人に対して一定の金額を現金で支払う必要があるのです。
遺留分侵害額請求を受けた際にも、不動産担保ローンの活用が可能です。
不動産を失わずに遺留分請求に対応できるため、遺産を守りつつ法的トラブルを回避できるメリットがあります。
相続には法律や税務の知識が必要となる場面が多く、遺産分割協議や相続税申告を円滑に進めるために、弁護士や税理士に依頼するケースも多いです。
しかし、専門家に依頼する場合は数十万円〜100万円を超える費用がかかることもあり、思わぬ出費に戸惑う方も少なくありません。
相続手続きにかかる支払いについても、不動産担保ローンの活用がおすすめです。
一時的かつ突発的な出費をカバーできるため、相続手続きをスムーズに進めることができます。
また、担保とする不動産が相続財産に含まれている場合でも、相続人が単独で所有権を得た後であれば、ローンの申し込みが可能です。
所有する相続人以外の親族に譲りたいというケースでは、親族間売買が有効です。
ただし、親族間売買では適正価格での売買が求められるため、金融機関のローン審査が通常の売買よりも厳しくなる傾向があります。
また、譲り受ける親族は、まとまった金額を一括で支払う必要があるため、資金調達のハードルも高くなるでしょう。
不動産担保ローンなら、自己資金が不足していても譲り受ける不動産を担保に融資を受けられるため、親族間売買の手続きが可能です。
担保とする不動産が対象物件である場合でも、評価額次第では融資を受けられるケースがあります。
相続においては、「現金がないけれど不動産はある」という状況が非常に多く見られます。相続税の納付、代償金や遺留分の支払い、専門家への報酬、さらには親族間売買など、現金を必要とする場面は少なくありません。
不動産担保ローンを活用すれば、不動産を手放さずに資金を調達できるため、相続人の間でのトラブル防止や、スムーズな手続き進行に大きく役立ちます。
不動産の価値を賢く活用しながら、円満な相続を実現するためにも、早めの相談・検討がおすすめです。特に、相続に強い金融機関や専門家のサポートを受けながら進めることで、安心して資金計画を立てられるでしょう。
協和信用保証株式会社では、創業以来、不動産担保ローンによる融資を専門的に取り扱っております。
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