親などから土地などの不動産を受け継いだ場合や、所有している不動産を担保に融資を受けたい場合、不動産が担保に入っているのかどうか確認しておきたいということがあります。そこで今回は、不動産が担保に入っているかを確認する方法について解説します。
不動産が担保に入っているか確認する方法
所有している不動産が担保に入っているか知りたい場合は、「不動産登記簿謄本(登記事項証明書)」取得することで確認することができます。不動産登記簿謄本(登記事項証明書)」は戸籍等とは違い、一般に公開されているものなので、近くの法務局で交付申請書を提出すれば誰でも交付を受けることができます。その際、身分証明書や委任状、印鑑などは必要ありません。
登記事項証明書・登記簿謄本・抄本交付申請書の取得方法
近くの法務局で直接申請書の提出を行う場合は、法務局に置いてあるものを利用することができます。郵送で申請を行う場合は、法務局のホームページ からダウンロードすることができます。
登記事項証明書・登記簿謄本・抄本交付申請書の書き方
1. 住所、氏名欄に申請者の住所と名前を記載します。
2. 不動産の種類の項目は、土地または建物にチェックを入れます。不動産は、土地と建物が別々に登記されていますので、土地を含めた建物の内容を知りたい場合は、それぞれ別に申請する必要があります。
3. 取得したい不動産の所在を記入します。ここで記載する住所は、法務局が付けている地番、家屋番号です。住民票に記載されている住所と同じ場合もありますが、法務局でつけている地番・家屋番号と住民票に記載されている住所が異なっている場合がありますので、正確な住所を記載する必要があります。法務局でつけている地番・家屋番号が記載されていない場合は、正しい登記簿謄本が所得できない場合がありますので注意してください。
4. 請求通数は、書類の必要枚数を記載します。土地と建物をセットで取得する場合は、2通になります。
5. 共同担保目録とは、取得する不動産と一緒に担保となっている不動産を確認したいときに必要な項目になります。ここにチェックを入れておかないと共同担保に関する情報は記載されないので注意してください。
6. 登記簿謄本の取得には1通につき600円の収入印紙が必要です。法務局で取得する場合は、法務局で購入することができますが、郵送で請求する場合は、必要な金額の収入印紙を忘れずに貼付してください。
法務局でつけている地番・家屋番号がわからない場合の対処法
法務局でつけている地番や家屋番号が分からない場合は、以下の方法で確認することができます。
固定資産税納税通知書
固定資産税の納税通知書に課税明細書がついています。課税明細書を見ると、所有している地番・家屋番号と課税額が記載されています。
法務局に電話で確認
所有している不動産を管轄している法務局に法務局へ電話して、「住所から地番・家屋番号を教えてほしい」と伝えれば教えてもらうことができます。不動産の所有者ではない人でも確認することが可能なので、本人確認や氏名などを確認されることもありません。
ブルーマップで調べる
法務局に行くとブルーマップという地図が備え付けられている場合がありますので、ブルーマップがある法務局であれば自分で調べることもできます。しかし、すべての法務局にブルーマップが備え付けられているわけではないので、電話をして確認するほうが簡単です。
登記簿謄本・登記事項証明書で担保の有無を確認する方法
不動産が担保に入っているかは、登記簿謄本または登記事項証明書の権利部(甲区)と権利部(乙区)を見ると確認することができます。
権利部(甲区)には、所有権に関する内容が記載されています。
最初の所有者から別の所有者に権利が移った場合は、その経緯がわかるようになっています。
権利部(乙区)には、所有権以外の権利に関する内容が記載されています。たとえば、融資を受けるために不動産を担保としたときは、融資を受けた金額、債務者名、抵当権者名などが記載されています。
所有している不動産の所有者の移動や担保の有無は権利部(乙区)を確認することでわかるようになっています。
担保に入った不動産で融資を受けることはできない?
不動産がすでに担保に入っていたとしても、新たに抵当権を設定することで融資が受けられるケースもあります。
抵当権(担保)は登記の順番で順位が決まっています。最初に抵当権を設定した人は、1番抵当権者、2番目に抵当権を設定した人は、2番抵当権者ということになります。
債務者が万が一返済不能になってしまった場合、担保となっていた不動産を売却して弁済を行いますが、抵当権が2つ以上ついていた場合は、1番抵当権者から優先して弁済を受けることができます。そのため、2番以降の抵当権者は回収した債権がなくなってしまった場合は弁済を受けることができません。
不動産がすでに担保に入っていた場合は絶対に融資が受けられないということではありませんが、1番抵当権者から借り入れた金額と返済額によっては融資が受けられない可能性もあります。
最後に
自分が所有している不動産や親などが所有している不動産が担保に入っているかどうかは、「不動産登記簿謄本(登記事項証明書)」取得すると確認することができます。不動産登記簿謄本(登記事項証明書)は、戸籍とは異なり一般に公開されている情報なので、不動産の所有者ではなくても誰でも取得することができます。
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