共有名義の不動産を担保にして借入を検討する際、通常の不動産担保ローンとは異なる条件や注意点があります。共有者全員の同意が必要となるケースや、借入可能な金額が制限される場合もあるため、事前の確認が重要です。
この記事では、共有名義の不動産を担保にするための条件や、ローン契約の注意点を紹介します。
共有名義の不動産とは?
共有名義の不動産とは、複数の人が共同で所有している不動産のことです。
所有者はそれぞれに「持分」(所有権の割合)を有しており、その内容が不動産登記簿に明記されています。
例えば、5,000万円のマンションを夫婦で2,500万円ずつ出して購入したとしましょう。
この場合、マンションは、夫と妻がそれぞれ「2分の1」の持分を所有した共有名義の不動産となります。
また、親から相続した不動産を、兄弟で共有するケースも考えられます。
評価額3,000万円の土地を兄弟3人で相続する場合、それぞれの3分の1(1,000万円)ずつの持分を所有することになるでしょう。
共有名義の不動産は担保にできる!
共有名義の不動産は、担保として抵当権を設定することが認められています。
その方法としては、大きく分けて以下の2種類があります。
・共有不動産全体を担保とする
・共有持分のみを担保とする
いずれの場合においても、不動産の評価額や持分割合、借入の条件などによって、借入可能額が変動します。
共有名義の不動産を担保にする条件
共有名義の不動産を担保にローン契約をするためには、いくつかの条件があります。
共有名義の不動産に対応している金融機関を探す
共有名義の不動産を担保として設定できるローン商品や、それを取り扱う金融機関は限られています。
そのため、まずは共有名義の不動産に対応している借入先を探さなければなりません。
金利や返済期間などの借入条件は金融機関ごとに異なるため、複数を比較検討することも大切です。
共有者全員の同意を得る
不動産全体を担保にローンを契約する場合には、共有者全員が「物上保証人」となることが求められるケースが一般的です。
物上保証人とは、他の人の債務を担保するために、自分が所有する財産(主に不動産)を担保として提供する人のことを言います。
そのため、まずは共有者全員の同意を得るようにしましょう。
共有持分のみを担保にできる金融機関を探す
自分の持分のみを担保にローン契約を行う場合、他の共有者の同意は必要ありません。
ただし、共有持分のみを担保に契約できる業者は限られています。
また、共有持分を担保に借入をしたことが他の共有者に知られた場合、関係が悪化するリスクもあります。
共有名義の不動産を担保にする際の注意点
共有名義の不動産を担保に資金調達を行う場合、以下の3点に注意が必要です。
共有者全員が持分を失うリスクがある
不動産全体を担保とし、他の共有者に物上保証人になってもらう場合、万が一返済が滞ると、抵当権が実行され、不動産が競売にかけられる可能性があります。
この場合、共有者全員が自分の持分を失うことになるため、注意が必要です。
他の共有者に迷惑をかけないためにも、借入時には無理のない返済計画を立てるようにしましょう。
借入可能額が少なくなる
共有名義の不動産を担保として設定する場合、単独所有の不動産と比較して評価額が低くなる傾向にあります。
特に、自分の共有持分のみを担保にする場合、評価額は低くなるケースが多いでしょう。
結果的に、借入可能額が少なくなり、必要な額の借入ができない可能性もあります。
共有物分割をしても抵当権が残る
共有名義の不動産に抵当権を設定した場合、仮にその不動産を共有物分割しても、抵当権は引き継がれます。
共有物分割とは、複数人で所有している不動産の共有状態を解消し、いずれかの共有者が単独で所有する状態にするための手続きのことです。
例えば、親からの相続によって、兄弟2人で所有していた土地があるとしましょう。
弟が自分の持分のみを担保にローンを契約した後に、共有物分割を行い、兄が弟の持分を買い取ったとします。
この場合、土地に設定された抵当権は残ったまま、兄に引き継がれることになります。
たとえ弟が兄の同意を得ずにローン契約をしていた場合においても、抵当権を消失させることはできません。
共有名義の不動産を担保に不動産担保ローンを借り入れよう
共有名義の不動産に対応した不動産担保ローンであれば、不動産全体または自分の持分のみを担保にまとまった資金を調達することが可能です。
不動産担保ローンなら、低金利で長期の借入にも対応できるため、無理のない返済計画が立てやすいでしょう。
ただし、共有名義や共有持分を担保にできるローンを取り扱う業者は多くはありません。
また、共有名義であることを理由に、担保としての評価額が低く見積もられてしまうケースもあります。
共有名義の不動産を担保に、まとまった資金の借入をご検討中の方は、ぜひ協和信用保証株式会社にご相談ください。
協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンに特化した貸付を行っており、共有名義の不動産や共有持分にも対応しております。
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