購入・リフォーム・解体に使える「空き家活用ローン」とは?

少子高齢化や人口減少により、全国で空き家が増え続けています。放置された空き家は老朽化が進み、固定資産税の負担や近隣トラブルの原因になることもあります。

そのため、「空き家を購入してリノベーションしたい」「実家を解体して土地を有効活用したい」という人が増えています。

「空き家活用ローン」は、空き家の購入資金だけでなく、リフォーム・解体費用にも対応しており、自治体の補助金制度と併用できる場合もあります。

この記事では、空き家活用ローンの仕組みやメリット、利用時の注意点をわかりやすく解説します。

目次

空き家活用ローンとは

空き家活用ローンとは、空き家の購入・リフォーム・解体などにかかる費用をまかなうための融資制度です。

近年は、空き家を放置せずに有効活用する動きが全国で広がっており、金融機関や自治体でも専用ローンが登場しています。

空き家活用ローンを利用すれば、古い住宅を購入してリノベーションしたり、老朽化した家を取り壊して土地を再活用したりすることが可能です。

銀行によっては、担保や保証人が不要な商品もあり、最長15年程度の返済期間を設定できるケースもあります。

用途も幅広く、リフォーム費用のほか、解体費用、防犯対策工事、駐車場整備などにも対応しています。

空き家を活かす第一歩として、こうしたローンを上手に活用すれば、費用負担を抑えながら安心して再生・活用計画を進めることができるでしょう。

空き家活用ローンの特徴

空き家活用ローンは、老朽化した空き家を再生したい人や、空き家を解体して土地を有効活用したい人のために設計された金融商品です。

購入資金・リフォーム費用・解体費用など、幅広い用途に使えるのが大きな特徴で、自治体の補助金制度と組み合わせて利用できるケースもあります。

一般的な住宅ローンとは異なり、築年数が古い物件や再建築不可の建物にも対応している場合があり、地域の空き家問題の解消や資産活用の手段として注目されています。

ここでは、空き家活用ローンの主な特徴を4つの観点から詳しく見ていきましょう。

幅広い用途に使える

空き家活用ローンの大きな特徴は、「購入・リフォーム・解体・造成」にまで使用途が幅広いことです。

例えば、古くなった実家を購入してリノベーションし、住まいや賃貸物件に変えるための資金として使える商品が複数あります。

さらに、解体後の土地を駐車場や太陽光発電設備として活用するための費用、また防災・防犯設備の設置費用なども対象となる場合が多く、ただ「使い道を限定した改修ローン」ではなく、空き家を資産として再活用するための資金手段として柔軟に設計されています。

担保・保証人不要

もうひとつの特徴として、担保や保証人を必ずしも必要としないプランが存在する点があります。

例えば、ある地銀の商品では無担保・最大1,000 万円まで融資可能とされ、担保設定に伴う登記費用や司法書士費用も不要と記載されています。

もちろん、金融機関によっては担保や保証人を求める場合もありますが、一般的な住宅ローンと比べて「物件の築年数が古い」「再建築不可」など担保価値が低い物件でも申し込みのハードルが低めに設計されているのがポイントです。

ただし「担保不要=審査が緩い」というわけではなく、審査では申込者の収入・信用情報・返済能力などが改めてチェックされます。無理のない返済プランの提示が鍵です。

煩雑な手続きが不要

一般的な住宅ローンに比べて、空き家活用ローンは申込時の手続き負担が軽く設計されているケースも見られます。

例えば、売買契約書やリフォーム見積書等がそろっていれば、抵当権設定登記が不要となる商品もあります。

また、Webで仮審査を完結できる金融機関もあり、契約までの期間が比較的短いのも魅力です。

「急きょ空き家の解体や改装が必要になった」というケースでも活用しやすいでしょう。

自治体の補助金を活用

空き家活用ローンを検討する際には、金融機関のローン条件だけでなく、自治体の補助金制度・利子補給制度と併用できるかどうかを確認することが大切です。

空き家問題は国や地方自治体の住環境・地域活性化の課題ともなっており、自治体が空き家のリノベーション・解体・活用を支援するための補助金を設けています。

例えば、「空き家バンク」に登録された物件を購入してリフォームする場合、助成金や一定期間の利子補給を受けられるエリアもあり、実質的な返済負担を軽減できる可能性があるでしょう。

空き家活用ローンを利用する際のポイント

空き家の購入や改修、解体を検討している人にとって、「空き家活用ローン」は有力な資金調達手段です。

ただし、一般的な住宅ローンとは審査基準や利用目的が異なります。より有利な条件で借り入れるためには、事前に「利用条件」「資金使途」「返済計画」を十分に確認しておくことが大切です。

ここでは、申し込み前に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

利用条件を確認する

空き家活用ローンは金融機関によって条件が異なります。

例えば、銀行系では「申込時20歳以上、完済時80歳未満」「安定収入があること」などが一般的な条件です。

一方、地方銀行や信用金庫では、地域貢献を目的に、比較的柔軟な審査を行っている場合もあります。

また、担保や保証人を不要とする商品も増えており、最大1,000万円程度までの融資が可能なケースもあります。

金融機関によっては、自治体と提携して金利を優遇していることもあり、対象地域や物件の条件を確認することで、より有利に借り入れられる場合もあるでしょう。

資金使途を確認する

空き家活用ローンの魅力は、資金の使い道が幅広い点です。空き家の購入費用、リフォーム・リノベーション工事費、老朽化による解体費用、解体後の土地整備(駐車場化・造成など)にも利用できます。

なかには、耐震補強やバリアフリー工事、外構工事、防犯設備の設置といった細かな改修にも対応しているローンもあるようです。

ただし、事業目的や収益化(賃貸・民泊・転売など)を目的とする場合は対象外となることが多いため、事前に金融機関へ用途を明確に伝えることが大切です。

返済計画を立てる

空き家活用ローンは、返済期間が5〜15年程度に設定されることが多く、借入金額や金利によって毎月の返済額が変わります。

借入前に、返済シミュレーションを行い、無理のない範囲で計画を立てることが重要です。

例えば、金利1.7%・借入額300万円・返済期間15年の場合、毎月の返済額は約1万8,800円となります。総返済額はおよそ338万円で、利息負担は約38万円です。

短期間で返済すれば利息負担は減りますが、月々の支出が増えるため、家計全体のバランスを考慮する必要があります。

また、変動金利の場合は将来的に金利が上昇するリスクもあるため、安定した返済を希望する場合は固定金利を選ぶのも一つの方法です。

空き家活用には不動産担保ローンを活用しよう

空き家を所有していて「このまま放置しておくのはもったいない」「解体して土地活用したい」「リフォームして賃貸や二世帯住宅にしたい」という思いを抱えている方にとって、選択肢のひとつとして注目すべきなのが、不動産担保ローンです。

不動産担保ローンとは、土地・建物を担保にして融資を受ける仕組みで、空き家をそのまま資産として残すのではなく、活用または整理するための資金を効率よく得ることが可能です。

目的を明確にし、物件の状態・資金計画を把握したうえで、信頼できる金融機関と相談のうえ、活用の一歩を踏み出しましょう。

協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンに特化した融資を行っております。

お客様の状況に合わせた柔軟な審査を提供いたしますので、お気軽にご相談ください。

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