金融機関での住宅ローンや不動産担保ローンによる融資を比較検討されている方にご注意いただきたいのが、「実質年率」と「表面金利」の違いです。一般的に金融機関での住宅ローンや融資商品、ローン会社での不動産担保ローンでは表面金利を全面に出し、他社の金融商品よりも金利が低いことをアピールしていることが多いのですが、実はここに落とし穴があるのです。今回はこの実質年率と表面金利の違いについて解説していきたいと思います。
実質年率と表面金利の違いとは
最初に表面金利についておさらいしましょう。表面金利とは、ローンの契約時に借り手側と貸し手側とが合意をした契約上の金利のことを指します。しかし実際には、元本返済分とこの表面金利分だけを支払えば良いというケースはほとんどありません。実際の支払い時には、取扱手数料や団体信用生命保険料、保証料など諸経費分の金利が加算された実質年率により毎月の返済を行なっていくこととなります。
金融機関によっては、期間限定などと銘打って金利優遇サービスを行なっている場合があり、稀に表面金利よりも実質年率の方が低くなる可能性もありますが、多くの場合表面金利よりも実質年率の方が高くなるため、金融機関やローン会社のローンや融資を利用する際は、実質年率での返済計画を検討することが重要です。
ローンを比較する際には実質年率に注目
金融機関やローン会社の金利合戦を鵜呑みにしてしまうと、誤った判断をしかねません。「A社の方がB社よりも金利が低いからA社でローンを組もう」と安易に判断してしまうと、大きな損をしてしまう可能性があります。表面金利だけで比較した場合はA社の方が良かったが、実際の支払い時の実質年率を比較してみたらB社の方が低かった、というケースはよくある話です。
ローンを比較する際には、表面金利に加え、事務手数料や保証料などの諸経費分の金利を含めた実質金利で比較検討するようにしましょう。
不動産担保ローンを比較する際にも実質年率が有効
無担保ローンのみではなく、不動産を担保に設定する不動産担保ローンにおいても、実質年率を使った比較方法が有効となります。
高額なローンを必要とする場合、金融機関で「信用」だけで組むローンよりも、「不動産」を担保に設定する不動産担保ローンの方がメリットな点があります。それが金利の低さです。不動産担保ローンでは万が一借り手が融資金額を返済できなくなってしまっても、担保に設定している不動産を売却することで融資金額を回収できる仕組みになっています。それゆえ、金利を低めに設定している、高額なローンを組むことができる、返済期間を長めに設定できるなどのメリットがあります。
金融機関などが提供している不動産担保ローンは主にウェブサイトで商品説明がなされていますが、ほとんどの商品が「表面金利」が目立つようなアピールをしています。不動産担保ローンを組むとき、正確に比較検討をするためには、事務手数料や保証料などの他に、金利に含まれる実質年率について実際に問い合わせてみることがとても重要なポイントになるでしょう。無担保ローンよりもレバレッジを効かせた大きな額のローンを組むことができる不動産担保ローンでは、1%の金利の違いが数十万、数百万もの支払い総額の違いとなって現れます。
ローンの金利には上限がある
ローンを組む際の金利には法律で上限が決められています。元本金額が100万円以上の場合は、法律で金利上限は元本の15%まで。もし表面金利が15%の金融商品で、実質年率を計算したら15%以上になっているようなものがあれば、それは違法商品である可能性もあります。また、実質年率には毎月(毎年)かかる金利の他に、返済の途中で発生する手数料、繰上げ返済をしようとした場合の解約時手数料などが含まれる場合がありますので、目先の表面金利の低さだけに惑わされず、事務手数料、保証料、解約時手数料などの実際の支払い金額を見ることができる実質年率を見るようにしましょう。
まとめ
今回は、表面金利と実質年率の違いについて解説してきました。住宅ローンだけでなく不動産担保ローンを比較検討する際にも有効となるのが実質年率による比較方法です。ローン会社や金融機関、さらにはローン商品一つひとつごとに異なる事務手数料や保証料、団体信用生命保険料、解約時手数料など、表面金利には含まれていない様々な諸費用が発生します。それらを総合的に考慮して金利換算したものが実質年率です。特に高額なローンを組むことができる不動産担保ローンにおいては、表面金利と実質年率が1%違えば、支払い総額は数十万〜数百万もの違いとなり、気がつかないうちに大きな損をしてしまう場合があるのです。より詳細に不動産担保ローンの実質金利についてご覧になられたい方は、以下の当社サイトをご参照ください。
https://kshc.jp/realestate-securedloan/