不動産投資と聞くと、所得が多い人が行うものというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし、不動産投資を行っている人の年収を調べてみると、年収600万円以下の人が最も多いという結果が出ています。
その一方で、不動産投資に失敗したことが原因で自己破産をしてしまう人もいます。そこで今回は、不動産投資で自己破産に追い込まれないために、不動産投資で失敗を防ぐ方法について解説します。
不動産投資の自己破産率はどれくらい？
自己破産してしまった人の割合を調べてみると、不動産投資を行っている人の中の約1％の人が自己破産をしてしまったという結果が出ています。
不動産投資の自己破産率だけを見ると、不動産投資が原因で自己破産をしてしまう確率はそれほど多くないと感じた方も多いかもしれませんが、不動産投資の成功率は10％程度と言われていることから、不動産投資で成功するためにはしっかりと準備を行い、不動産投資に関する知識をつけておくことが大切です。
不動産投資で自己破産してしまう理由とは
不動産投資で自己破産をしてしまう原因には、いくつかの理由が考えられます。
自己資金がほとんどない状態で高額な融資を受けた
不動産投資を行う人の多くは、不動産業を専門としている人ではなく、会社員が副業で行うケースが多くなっています。
年収が高く勤続年数の長い会社員の場合、安定した収入が得られることが見込まれるため、自己資金がゼロだったとしても融資の審査に通過することがあります。
しかし、自己資金がゼロまたは自己資金の比率が少ない状態で不動産投資を始めるとなれば、当然融資額は高額になり、融資額が高額になれば返済の負担も大きくなるでしょう。
つまり、不動産投資で利益を出せなければ返済が困難になり、自己破産をせざるを得ない状況に陥ってしまう可能性が高くなるのです。
思ったような収益が得られなかった
不動産投資によって利益を得る方法には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」があります。
キャピタルゲインとは、不動産の購入価格と売却価格の差で利益を得る方法です。購入した不動産の価格が高くなれば利益を上げることができますが、購入した不動産の価格が暴落してしまった場合は大きな損失が発生します。
一方、インカムゲインとは、家賃収入などで利益を得る方法です。
キャピタルゲインは購入した不動産を売却することで利益を得ますが、インカムゲインは購入した不動産を保有したまま利益が上げられるという特徴があります。
インカムゲインの場合、空室がなければ安定した収益を期待できますが、空室の状態が続いてしまうと予定通りの収益が得られなくなり、ローンの返済が難しくなります。
ローンの金利が高い
不動産投資ローンは、利用する金融機関によって金利に数パーセントの差があります。
高額な融資になる不動産投資ローンは、金利がたった1％違うだけでも返済額が大幅に変わってきます。
また、金利タイプには固定金利と変動金利があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
固定金利は、変動金利と比較すると金利が高めに設定されていますが、金利上昇が起きたとしても金利が変わらないため、返済額が増えることはありません。
変動金利は固定金利と比較すると最初の金利は低めに設定されていますが、原則的に5年ごとに金利の見直しが行われるため、金利上昇が起こると返済額も増えてしまいます。
そのため、契約時よりも大幅な金利上昇が起こると返済の負担が大きくなってしまうので、返済額が増えたことが原因で自己破産してしまうこともあるようです。
キャッシュ不足
不動産投資を行うためには、不動産の購入資金だけでなく、不動産の運用管理費や修繕費などの費用が継続してかかってきます。
これらに予定以上の費用がかかってしまうと、キャッシュ不足が起こり、自己破産してしまうことがあります。
不動産投資で自己破産を防ぐ方法
不動産投資で自己破産を防ぐためには、購入する不動産の適正価格を見極め、収益性の低い物件を購入しないことが重要です。
不動産は、周辺地域の状況の変化によって不動産の価値が大幅に変わってしまうことがあります。
不動産の購入を決める前には、購入予定の不動産に関する情報だけではなく、周辺の物件の相場や物件周辺の状況なども必ず確認しておくようにしましょう。
また、物件購入後に思うように収益が上げられなかった場合は、ローンの返済期間を延ばす、物件を売却するなど早めに検討するのがおすすめです。
キャッシュ不足の状態に陥った直後であれば、複数の対応策の中から選ぶことができますが、自己破産をしなければどうにもならない状況になってしまってからでは、自己破産以外の方法を選べなくなります。
自己破産をしたからといって路頭に迷うことになるわけではありませんが、債務整理を行うデメリットはたくさんあります。
最悪の事態を避けるためには不動産投資に関する知識をつけておくことはもちろんですが、万が一キャッシュ不足の状態に陥ってしまったときは、一人で悩まずに専門家に相談するなど早めの対策と行動を取ることが大切です。
最後に
不動投資の自己破産率はそれほど高いというわけではありませんが、思うように利益が上がらなくなってしまった場合は、早めに対策を講じなければ自己破産をしなければならない状況に陥ってしまう可能性があります。
不動産投資は、利益の元となる不動産を購入すれば必ずしも利益が上げられるわけではありません。
物件選びを失敗したり、自己資金が十分でなかったりした場合は返済ができなくなり、キャッシュ不足の状態になってしまう可能性が高くなるため十分に検討した上で始めることが大切です。
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