


不動産を共有名義で相続すると、売却や賃貸活用を進めにくくなるなど、将来的なトラブルにつながるリスクが高まります。
トラブルを未然に防ぐためには、遺産分割協議の段階で共有名義を安易に選ばず、他の分割方法も含めて慎重に検討することが大切です。
この記事では、不動産を共有名義で相続した場合に発生しやすいトラブルや、その対策方法についてわかりやすく解説します。
不動産の共有名義とは、一つの不動産を複数人で共同所有する状態をいいます。
例えば、夫婦でペアローンを組んで自宅を購入した場合や、親が住んでいた実家を兄弟姉妹で相続した場合などは、不動産が共有名義になることがあります。
また、共有名義の不動産では、各共有者が持つ所有権の割合を「共有持分」または「持分」といいます。
親が住んでいた実家を兄弟3人が法定相続分どおりに相続する場合、共有持分はそれぞれ「3分の1ずつ」です。
共有名義の不動産では、将来的に以下のようなトラブルが発生するリスクがあります。
共有名義の不動産全体を売却したり、賃貸に出したりするためには、共有者全員の同意が必要になります。
一人でも反対すると話が進まず、スムーズに手続きを済ませられなくなるため、注意が必要です。
特に共有者の人数が多い場合は、将来的に一部の共有者と連絡が取れなくなるリスクがあります。
その場合、売却や賃貸経営の話を進めたい際には、まずは共有者を探すところからスタートしなければなりません。
共有名義の不動産では、固定資産税や修繕費、管理費などの負担割合で揉めるケースも少なくありません。
共有不動産にかかる費用は、持分に応じて負担するのが基本ですが、共有者間で費用負担の考え方が一致しない場合は、トラブルに発展することもあります。
出典:e-Gov 法令検「民法第二百五十三条」
共有者の誰かが亡くなると、その持分は相続の対象となります。
その結果、持分が次の世代へと引き継がれて共有者が増え、権利関係がさらに複雑になってしまうケースも少なくありません。
共有者が把握しきれなくなると、売却や賃貸活用のハードルがさらに高くなってしまいます。
共有名義の不動産は、そのままの状態にしておくと将来的なトラブルの原因になるリスクもあります。
トラブルを未然に防ぐためには、早い段階で対策を考えておくことが重要です。
できることなら、遺産分割協議の段階で、共有名義を避けておくのが理想です。
不動産を売却して現金を分ける「換価分割」や、一人が不動産を相続し、他の相続人に代償金を支払う「代償分割」なら、将来的に権利関係が複雑化することもありません。

やむを得ず共有名義で相続する場合は、管理費や固定資産税の負担割合、修繕時の対応、将来売却を検討する際の進め方などについて、共有者同士で事前に話し合い、文書にまとめておくことをおすすめします。
相続人同士で意見がまとまらない場合は、弁護士などの専門家に間に入ってもらうと良いでしょう。
自分の持分のみを売却し、共有不動産の共有者でなくなることで、将来的なトラブルに巻き込まれるリスクを軽減できます。
自分の持分のみの売却であれば、他の共有者の同意を得る必要もありません。
ただし、持分の買取を行っているのは不動産会社が中心で、買取価格は一般的な相場よりも安くなる傾向にある点に注意が必要です。
また、持分の売却をきっかけとして、他の共有者とのトラブルに発展するケースも少なくないため、慎重な判断が求められます。
共有名義の不動産を手放したくない場合は、他の共有者の持分を買い取って単独名義にする方法が有効です。
単独名義にできれば、売却や賃貸活用、担保設定などを自分の判断で進めやすくなります。
ただし、持分の買取にはまとまった資金が必要になる点には注意が必要です。
不動産の共有名義は、権利関係が複雑になりやすく、売却や賃貸経営が難しくなるほか、管理費や固定資産税の負担割合で揉めることもあり、親族間でのトラブルの火種となってしまうケースも少なくありません。
不動産の遺産分割方法はほかにもあるので、遺産分割協議の段階で慎重に選ぶことが大切です。
また、現在すでに共有名義の不動産を所有している場合は、他の共有者が所有する持分の買取を検討するのも1つの方法といえます。
所有する不動産を担保にまとまった資金を借入できる不動産担保ローンなら、借入資金の使い道は限定されないため、持分の買取資金として活用することも可能です。
業者によっては、自分が保有する持分のみを担保にした貸付を行ってくれるケースもあります。
協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンに特化した貸付を行っております。
一人ひとりのお客様に合わせた柔軟な審査を提供しており、自己所有の持分のみを担保にした貸付も可能です。
持分の買取に必要な現金の調達についても、お気軽にご相談ください。


