代償分割とは?メリット・デメリット、代償金が足りない場合の対処法を解説

不動産は、相続人同士で公平に分けるのが難しい財産です。

特に、思い入れがある実家については「売らずにそのまま引き継ぎたい」「売却して現金化したい」など、相続人間で意見が分かれるケースも少なくありません。

そのような場合に選ばれることが多いのが、「代償分割」です。

この記事では、代償分割の仕組みや他の分割方法との違い、メリット・デメリット、代償金が足りない場合の対処法について解説します。

目次

代償分割とは?

代償分割とは、1人の相続人が不動産などの相続財産を現物で取得する代わりに、他の相続人へ現金などの代償財産を支払う遺産分割の方法です。

出典:国税庁「No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算

まずは、代償分割の基本的な仕組みや、他の遺産分割方法との違いについて解説します。

基本的な仕組み

代償分割は、不動産を取得する相続人がほかの相続人に代償金を支払うことで、公平性を保つ仕組みです。

例えば、評価額3,000万円の実家を兄弟2人で相続する場合、長男が実家を単独で相続し、その代わりに次男へ1,500万円の代償金を支払う方法が、代償分割にあたります。

代償金の金額の決め方に、一律のルールはありません。

不動産の評価額や法定相続分、他の遺産の内容などを踏まえ、相続人全員の話し合いによって決めるのが一般的です。

他の分割方法との違い

不動産を複数の相続人で分ける方法は、代償分割だけではありません。

他にも、現物分割、共有分割、換価分割といった方法があります。

遺産分割方法概要
現物分割遺産をそのままの形で分ける方法
(例:実家は長男、預貯金は次男が相続する)
共有分割一つの不動産を複数の相続人で共有名義にする方法
換価分割不動産を売却して現金化し、その売却代金を相続人で分ける方法

相続財産の大部分が不動産である場合、現物分割では公平性を保つのが難しいケースもあります。

共有分割には将来的な権利関係が複雑化するリスクがあり、換価分割では不動産を売却しなければなりません。

代償分割は、これらの方法と比較して、公平性を保ちやすく、不動産を手放さずに済むのが特徴です。

代償分割のメリット

代償分割の主なメリットは、以下の3つです。

スムーズな遺産分割が可能

代償分割は、一人が不動産を相続し、ほかの相続人に代償金を支払うというシンプルな仕組みのため、遺産分割手続きをスムーズに進めやすいです。

また、権利関係が複雑になりがちな不動産の共有名義を避けられるため、将来的なトラブルの防止にもつながります。

支払った代償金は相続税の対象金額から控除される

代償分割で支払った代償金の金額は、相続税の課税価格から控除して計算されます。

出典:国税庁「No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算

不動産を取得する相続人にとっては、公平な遺産分割を実現しながら、税負担を調整しやすいのもメリットです。

不動産を売却せずに済む

代償分割なら、不動産を売却せずに遺産分割手続きを進められます。

そのため、思い入れのある実家を残したい場合や、収益不動産をそのまま引き継ぎたい場合にも適した方法です。

代償分割のデメリット

代償分割にはさまざまなメリットがある一方、以下のようなデメリットにも注意が必要です。

代償金を支払う相続人の負担が大きい

代償分割では、不動産を取得する相続人が、ほかの相続人に代償金を支払う必要があります。

そのため、遺産の大部分が不動産で預貯金が少ない場合は、まとまった現金を用意する負担が大きくなりがちです。

金額の決め方で揉めることがある

代償金の金額の決め方に、法律上の明確なルールはありません。

一般的には不動産の評価額をもとに算出しますが、相続人間で認識に差があると、トラブルにつながることもあります。

代償金がすぐに用意できない場合の対処法

代償金を手元の資金だけで賄うのが難しい場合は、以下のような対処法を検討しましょう。

分割払いに合意してもらう

相続人の合意が得られれば、代償金を分割で支払うことも可能です。

ただし、支払い時期や金額を明確にしておかなければ、後のトラブルに発展する可能性があります。

遺産分割協議書などに、条件をしっかりと定めておきましょう。

ほかの資産を現金の代わりにする

代償金は、必ずしも現金で支払わなければならないわけではありません。

預貯金のほかに有価証券などの資産がある場合は、他の相続人の合意を得たうえで、それらを代償財産として充てることもできます

不動産担保ローンを活用する

不動産を手放さずにまとまった現金を調達する方法としては、不動産担保ローンも有効です。

比較的低金利で長期借入が可能なため、無理のない返済計画を立てながら代償金や相続税、登記費用などの負担に備えられます。

不動産の代償分割は専門家に相談しながら進めよう

代償分割は、不動産を手放さずに、相続人同士の公平性を保ちながら遺産を分けられる方法です。

一方で、不動産を取得する相続人は代償金の支払いが必要となるため、資金の調達に負担を感じるケースも少なくありません。

また、代償金の金額を一方的に決めてしまうと、相続人間のトラブルにつながるおそれがあります。

そのため、税理士や司法書士、弁護士などの専門家にも相談しながら、各相続人が納得できる形で遺産分割協議を進めることが大切です。

代償金の調達方法に悩む場合は、不動産担保ローンの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンに特化した貸付を行っております。

代償金の調達についても、お気軽にご相談ください。

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