不動産担保ローンを利用する場合、不動産の担保評価額だけではなく、年収も融資額に関係があるのか疑問に感じたことはありませんか。そこでこの記事では、不動産担保ローンの融資額と年収の関係を紹介します。
不動産担保ローンの審査に影響を与えるものとは
不動産担保ローンを利用するためには、金融機関やローン会社の審査に通過しなければなりません。不動産担保ローンの審査に影響を与えるものには、以下のようなことがあります。
1. 信用力
2. 担保となる不動産の価値
3. 資金使途(お金の使い道)
4. 借入期間
不動産担保ローンのように担保が必要な融資の場合、担保となる不動産の価値も審査に大きく影響しますが、個人(または法人)の信用力も審査に大きな影響があります。信用力を計る基準の1つとなるのが「年収(法人の場合は利益)」です。年収が少なければ返済が滞るリスクが高くなるため、年収が極端に少ない場合は審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
不動産担保ローンの審査で年収以外に審査でチェックされる項目
年収が少ないよりも年収が多い方が信用力はアップしますが、不動産担保ローンの審査では年収の金額以外にもチェックされる項目があります。
現在利用しているローンの件数や金額
不動産担保ローンの審査では、現在すでに利用しているローンの件数や金額が多い場合は、審査に落ちてしまうことがあります。不動産担保ローンは総量規制の対象外 となっているため、年収に関係なく利用することができますが、現在利用しているローンの件数や金額が多い場合は返済が滞るリスクが高くなることから、現在利用しているローンの件数や金額も不動産担保ローンの審査の対象になります。
ローンや支払いの延滞状況
不動産担保ローンの審査では、ローンや公共料金などの支払いの延滞の回数が多い場合や、延滞している料金がある場合は、信用力が落ちてしまうので不動産担保ローンの審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
返済負担率
返済負担率とは、年収に対するローンなどの返済の割合を示すものです。例えば、年収500万円の人の年間返済額が150万円の場合、返済負担率は150万円÷500万円=30%になります。年収負担率の割合が高くなると、その分返済の負担が大きくなりますので、返済が滞るリスクが高くなります。金融機関やローン会社では、返済負担率の基準を設定していることが多く、基準となっている返済負担率よりも返済率が高い場合は不動産担保ローンが利用できない可能性があります。
不動産担保ローンと年収、総量規制の関係
総量規制という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。総量規制とは、お金の借り過ぎにより生活が破綻してしまうことを防ぐために、貸金業者から借りられるお金の総額の上限を規制した法律のことです。総量規制が定められたことにより、年収の1/3を超えて貸金業者からお金を借りることができなくなりました。例えば、年収が600万の人であれば、総額で200万円を超えた借り入れはできなくなったということです。複数の会社から借り入れをする場合は、利用する貸金業者すべての総額で計算されます。
貸金業者とは、信販会社、ローン会社など銀行以外のいわゆるノンバンクと呼ばれている会社のことです。総量規制はノンバンクからの借入を規制する法律なので、銀行からの融資は総量規制の対象外になります。
不動産担保ローンは、銀行以外のノンバンクの会社でも融資を受けることができますが、不動産担保ローンはノンバンクを利用した場合も総量規制の対象外になっています。つまり、不動産担保ローンは、年収の額に関係なく融資が受けられるということです。
ただし、自宅を担保にする場合は例外的に総量規制の対象になるため注意するようにしましょう。
不動産担保ローンの審査基準は年収だけじゃない
不動産担保ローンの審査において年収の額は、信用度に影響するため審査や融資額に大きく影響します。ただし、不動産担保ローンの審査基準や融資額の上限は会社によって異なるため、仮に申し込んだ会社の審査が落ちてしまったとしてもすべての会社の審査に通過できないというわけではありません。担保となる不動産の評価額と希望の融資額によっては年収が少ない場合でも審査に通過できる可能性もあります。不動産担保ローンの審査に落ちてしまった場合は、いくつかの会社に相談してみるというのも1つの方法です。
最後に
不動産担保ローンの審査において、年収は申込者の信用度の高さをチェックする上で大きく影響します。しかしながら、年収が低い人は不動産担保ローンが利用できないということではありません。なぜなら、不動産担保ローンの審査基準は会社によって異なるためです。不動産担保ローンは総量規制の対象外になっているため、年収の1/3を超えた融資を受けたいときに利用できる融資方法の1つです。
ただし、万が一返済ができなくなってしまった場合は担保となっている不動産を失う可能性がありますので、年収と返済のバランスを考慮して利用することが大切です。