資産運用などの投資目的を中心に、不動産を購入される方が年々増加していますが、不動産の購入方法は大きく2種類あることをご存知でしょうか。ひとつは不動産仲介業者を利用して購入する一般的な方法、そしてもうひとつは競売物件を落札して購入する方法です。いずれの方法も、不動産を購入するということにおいては同じですが、競売物件の多くは、一般的に不動産仲介会社が扱っている不動産の相場よりも割安で購入できる可能性があり、不動産購入に興味をお持ちの多くの方に注目されています。しかし、競売物件を落札する際に、不動産担保ローンを活用することは可能なのでしょうか。今回は、不動産担保ローンを活用して競売物件を購入する方法について解説していきます。
競売物件とは何か
競売物件とは、何らかの理由によりローンや借金の返済ができなくなってしまった人が所有していて、担保となっていた物件が、裁判所から売りに出されることを言います。担保となっていた物件を裁判所が差し押さえ、競売物件として売りに出し、最も高い金額で買ってくれる人に売ることで、債務の返済に充てるのが目的です。ひと昔前までは不動産の扱いに慣れた不動産会社などが、市場の相場よりも安く不動産を仕入れることができる方法の一つとして競売物件を活用していましたが、最近は競売物件を購入するメリットがより浸透し、一般の個人にも競売物件を購入したいと考える人が増えています。
競売物件を落札・購入するまでの流れ
競売物件を落札し、購入するまでの一般的な流れについて解説していきます。
①インターネットなどで競売物件の情報を見ながら物件を探す
②競売物件を管轄する地方裁判所で物件の詳細情報を確認する
※物件を管轄する地方裁判所には、「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」があり、どなたでも閲覧することが可能です
※「物件明細書」などの情報に加え、直接現地に物件を確認しに行くのがおすすめです
④裁判所が定めた保証金(最低売却価格の2割)を納付する
⑤希望する物件の入札期間が始まったら、自分で購入金額を決めて、入札を行う
⑥開札期日になると裁判所により入札の封が開けられ、最も高い金額で入札をしている人を落札者として決定する
⑦裁判所より売却許可が決定される
⑧購入代金を納付する
※裁判所により、売却許可が決定された日から1ヶ月以内のいずれかの日に納付期日が設定されます
⑨所有権の移転登記を行う
⑩競売物件の引き渡しを行う
以上が、競売物件を落札し、購入するまでの一般的な流れです。
ここで注目いただきたいのは、支払いが発生するタイミングです。最低売却価格の2割にあたる保証金の納付(④)が1回目の支払い、購入代金の納付(⑧)が2回目の支払いとなります。
競売物件は不動産担保ローンで購入できる
競売物件を購入するためには、最も高い入札金額で入札し、裁判所から売却許可をもらう必要があります。入札するためには、落札するしないに関わらず、入札時に最低売却価格の2割にある金額を保証金として納付しなければなりません。あくまで保証金ですので、もし自分よりも高い入札金額を設定している人がいて、希望する競売物件を落札できなかった場合には、決められた手続きをすることで保証金は全額返金されます。
競売物件は不動産担保ローンを活用して購入することが可能ですが、この2割分の資金だけはご自分で用意しなければなりません。例えば、裁判所が定めた最低売却価格が1億円と決められた競売物件を落札したいと思ったら、その2割にあたる保証金2,000万円を、入札前に用意し、必ず納付しなければならないのです。かし、競売物件の中には、数百万円から1,000万円台のものが出てくることも多く、一般の方にも購入チャンスがあることで人気です。
仮に最低売却価格が1,000万円と設定された競売物件の場合、2割の200万円だけをご自身で用意できれば、誰でも入札の権利を得られるということになります。そして、入札の結果1,300万円での購入許可を得ることができた場合、残りの1,100万円を納付することになります。
その時に活用できる融資方法が不動産担保ローンです。一般的な住宅ローンとは違って不動産担保ローンはスムーズに進めば申し込んでから融資実行までが数営業日と早く、不動産担保ローン専門会社によっては即日融資可能とうたっているところも存在します。競売物件の購入許可が決まると、最長でも1ヶ月以内に購入代金を納付しなければならないため、もしその購入するための代金が手元にない場合や落札した金額に足りないという場合は、融資実行までのスピードが早い不動産担保ローンを活用するのがおすすめです。
最後に
今回は、競売物件を不動産担保ローンで購入する方法、競売物件を手に入れるまでの全体の流れについて解説してきました。不動産担保ローンを活用した競売物件の取得方法について、より詳細にご覧になりたい方は、こちらをご参照ください。
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