不動産担保ローンの利用を検討している場合、いくらくらい借りられるのか限度額が知りたいという方も多いのではないでしょうか。ここでは、不動産担保ローンの借入限度額や借入限度額の目安を知る方法などについて解説します。
不動産担保ローンの限度額とは
不動産担保ローンは所有する不動産を担保に融資を受けるものですが、担保提供したからといって、いくらでも借りられるというわけではありません。
不動産を担保に融資を受ける場合、担保となる不動産の評価額にある一定の割合をかける「担保掛目」によって、借入限度額が決まります。
例えば、評価額が1,000万円の不動産を担保提供する場合、担保掛目が7割であれば、借入限度額は700万になるということです。
利用する金融機関やローン会社によって担保となる不動産の評価額と担保掛目の違いがあるため、同じ不動産を担保にする場合でも借入限度額が変わる可能性があります。
不動産担保ローンの借入限度額を知る方法
不動産担保ローンの借入限度額の目安を知るためには、担保となる不動産の担保評価額と担保掛目を調べる必要があります。
不動産の担保評価額は、積算価格、比準価格、収益価格をもとに算出するのが基本ですが、担保掛目は利用する金融機関やローン会社によって異なる場合があります。
積算価格
積算価格は、新築として立て直した場合にかかる費用(再調達原価)から、時間が経過したことで下がった建物の価値(経年劣化)を減額して求めます。
建物は建物の構造によって耐用年数が決められており、新築の状態から年数が経過するごとに建物の価値は下がっていきます。
そのため、建物の構造と建ててからの年数が、不動産の担保評価額に大きく影響します。
比準価格
比準価格は、過去の取引事例を参考に、物価や需給状況などを加味して計算されます。
収益価格
収益価格は、不動産の持つ収益性をもとに不動産の評価を行います。
家賃収入などで不動産が将来生み出すと考えられる価値と現在の価値を合わせて不動産の担保価値を評価する方法です。
担保提供する不動産の担保評価額を知る方法は大きくわけて2つあります。
1つめは、不動産の一括査定サイトなどを利用する方法です。不動産価格の査定は無料で行ってもらえるところが多いので、おおよその価格を知りたいという場合は、不動産会社に相談したり、不動産の一括査定サイトなどを利用してみると良いでしょう。
不動産の担保評価額を知るもう1つの方法は、不動産鑑定士に依頼する方法です。ただし、不動産鑑定士に不動産の評価を依頼した場合、一般的に20~30万程度の費用がかかります。おおよその金額を知りたいだけであれば、不動産の一括査定サイトを利用することをおすすめします。
不動産担保ローンの限度額を上げる方法
不動産担保ローンの限度額を上げるための方法には、以下のようなものがあります。
ローンの申込者の信頼力を上げる
不動産担保ローンは、有担保ローンの1種なので無担保ローンと比較すると比較的審査に通りやすい融資方法ですが、担保があれば必ずしも審査に通るわけではありません。
審査に通すためにも、ローンの限度額を上げるためにも、利用する金融会社やローン会社への信頼力を上げることが必要です。
いきなり収入を上げることは難しいですが、他社からの借入がある場合はできるだけ返済をしておく、返済の遅延がないように注意するといったことに気をつけておきましょう。
担保掛目が高い金融機関やローン会社を選ぶ
不動産の借入限度額は、担保評価額と担保掛目で決まります。そのため、同じ担保評価額でも担保掛目が高ければその分借入限度額が多くなります。
担保掛目は金融会社やローン会社によって異なりますので、できるだけ担保掛目が高い金融機関やローン会社を選ぶようにしましょう。
不動産担保ローンを専門に扱う会社を利用する
不動産担保ローンを専門に扱う会社は、不動産に詳しいスタッフが在籍しています。そのため、不動産の知識がない金融機関やローン会社に依頼するよりも、不動産の担保評価額が高くなる可能性があります。不動産担保ローンの借入限度額を上げたい場合は、不動産担保ローンを専門に扱う会社に相談してみることがおすすめです。
最後に
不動産担保ローンの借入限度額は、不動産の担保評価額と担保掛目で決まります。不動産の担保評価額=借入限度額ではないので注意が必要です。
不動産の担保評価額の計算方法は、利用する金融機関やローン会社に異なるため、同じ不動産を担保にする場合でも評価額が異なる場合があります。不動産担保ローンの限度額を上げるには、複数の金融機関やローン会社に相談してみることがおすすめです。
自社で不動産を扱っているローン会社では、万が一返済が滞ってしまった場合に不動産を売却しやすいため、不動産担保ローンの借入限度額が高くなる可能性があります。不動産担保ローンを利用する場合は、不動産を扱うローン会社や不動産担保ローンを専門に扱っているローン会社に相談してみると良いでしょう。