


相続した不動産を売却しても、売却代金をすべて受け取れるわけではありません。
不動産を売却すると税金がかかるため、あらかじめ考慮しておかなければ「手元に残ったお金が予定よりも少なかった」という事態に陥ってしまいます。
この記事では、相続した不動産を売却したときにかかる税金の種類、税金を抑える方法、不動産を売却せずに資金調達する方法について解説します。
相続した不動産を売却すると、「譲渡所得税」「住民税」「印紙税」という3種類の税金がかかります。
特に相続した不動産の価値が高い場合、課せられる税金の額も高額になるため注意が必要です。
譲渡所得税とは、不動産の売却によって得た利益に対して課税される税金です。
不動産を売却して得た金額のすべてが課税対象になるのではなく、売却価格から売却するためにかかった費用や減価償却費を差し引いた金額に税金がかかります。
不動産の所有期間 | 譲渡所得税率 |
5年以下 | 30.63% |
5年以上 | 15.315% |
譲渡所得税の税率は、不動産を所有していた期間によって異なります。
また、2037年まで復興特別所得税2.1%相当が上乗せされます。
譲渡所得税は、不動産を売却した翌年に確定申告を行い、納付期日までに支払わなければいけません。
住民税も、譲渡所得税と同じく、不動産の売却によって得た利益に対して課税される税金です。
不動産の所有期間 | 住民税率 |
5年以下 | 9% |
5年以上 | 5% |
住民税の税率も不動産の所有期間によって異なります。
住民税は、会社員の場合、不動産を売却した翌年の6月以降から給与天引き(特別徴収)という形で支払いを行います。
一方、個人事業主など会社に勤務していない人の場合は、自治体から届く納付書で年4回に分けて支払います(普通徴収)。
印紙税とは、契約書、領収書など課税文書に対してかかる税金です。
不動産の売却時には、不動産売買契約書を作成します。
不動産売買契約書は課税文書の対象となるため印紙税が必要です。
印紙税は収入印紙を貼付することで納税しますが、必要な金額は契約書の金額によって変わります。
必要な印紙税の金額は以下の通りです。
契約金額 | 印紙税額 |
10万円以下 | 200円 |
10万円を超え50万円以下 | 400円 |
50万円を超え100万円以下 | 1,000円 |
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え1千万円以下 | 1万円 |
1千万円を超え5千万円以下 | 2万円 |
5千万円を超え1億円以下 | 6万円 |
1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
5億円を超え10億円以下 | 20万円 |
10億円を超え50億円以下 | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 |
相続した自宅を売却する場合、条件が合えば特別控除の適用が可能です。
例えば、以下のような特別控除を適用できる可能性があるでしょう。
被相続人が亡くなった後、誰も居住せずに空き家になっていた不動産を売却した場合、3,000万円の特別控除の対象になります。
この特例を適用するためには、一定の要件を満たしたうえで必要な書類を添えて確定申告する必要があります。
例えば、親と一緒に暮らしていたなど、相続人自身が住んでいる(マイホーム)を売却し、一定の要件を満たしている場合は、3,000万円の特別控除を受けることができます。
相続人自身が住んでいる不動産であることが条件なので、親だけが住んでいた実家は対象外です。
この特例を適用するためには、一定の要件を満たしたうえで、必要な書類を添えて確定申告する必要があります。
相続した不動産を売りたくないが、どうしても資金が必要だという場合は、不動産担保ローンの活用がおすすめです。
不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保にお金が借りられる金融商品です。
一般的なローンと比較すると、金利が低く、原則として資金使途が限定されていないため、借りたお金を自由に使えるという特徴があります。
ただし、相続した不動産の相続登記が完了していない場合、不動産担保ローンを利用することができません。
不動産担保ローンを検討している場合は、先に相続登記手続きを行い、その後に申し込みをしましょう。
不動産を売却すると、売却益には譲渡所得税や住民税などの税金がかかります。
どれくらいの税金が必要なのか、特別控除の対象になるのか知りたい場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
相続した不動産を売りたくないけれど、資金が必要になったときは、不動産担保ローンの活用を検討してみましょう。
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