不動産を購入して住宅ローン控除を受ける場合や、不動産を賃貸して家賃収入がある場合、売却して売却益を得た場合は、確定申告が必要になります。しかし、その確定申告が未申告の場合、不動産担保ローンを利用できるのか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、確定申告が未申告でも不動産担保ローンを利用できるケース、できないケースについて解説します。
不動産で確定申告が必要なケース
不動産に関して確定申告が必要になるのは、以下のようなケースです。
不動産を購入して住宅ローン控除を受けるとき
住宅ローンを組んでマイホームを新築、購入、増改築をした場合、住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)を受けることができます。
ただし、住宅ローン控除を受けるためには確定申告が必要です。
会社員などの給与所得者は、控除を受ける1年目は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で行うことも可能です。
個人事業主など給与所得者以外の人が住宅ローン控除を継続する場合は、毎年確定申告が必要です。
不動産を賃貸して家賃収入があるとき
賃貸マンションや賃貸アパートなどの家賃収入は、不動産所得となります。
家賃収入が年間20万円以上ある場合は、確定申告をして所得税を納める必要があります。
不動産を売却したとき
土地や建物などの不動産を売却して利益がでた場合も、税金がかかります。
不動産売却によって得た利益は、給与所得や事業所得とは分離して税額を計算されるため、確定申告が必要です。
確定申告が未申告でも不動産担保ローンを利用できる?
確定申告が未申告でも、不動産担保ローンを利用することができるのでしょうか。
結論から申し上げますと、確定申告が未申告でも不動産担保ローンは利用できるケースが多くなっています。
ただし、確定申告の有無に関係なく、融資の際は必ず審査が行われます。
そのため、確定申告が未申告であったとしても審査に通れば不動産担保ローンの利用はできますが、確定申告が済んでいても、ローンの審査に落ちてしまえば融資を受けることができません。
不動産担保ローンに必要な書類
不動産担保ローンの審査に必要な書類は、法人、個人によって変わります。
金融機関やローン会社によって異なる場合もあるため、審査に通りやすくするためには必要な書類を漏れなく準備しておくことも大切です。
不動産担保ローンの審査は大きく分けて2つの観点で行われます。
・返済能力
・担保不動産の価値
また、一般的に以下のような書類の提出が求められます。
【個人の場合】
・本人であることを証明するもの(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・源泉徴収票
・給与の支払い明細表(2ヶ月以上)
・担保不動産に関する書類(登記事項証明書(登記簿謄本)、建物図面など)
・未納税金がないことを確認できる書類
【法人の場合】
・代表者個人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・会社謄本
・直近3期分の決算書類一式(確定申告書・決算報告書・勘定科目明細など)
・未納税金がないことを確認できる書類
・担保不動産に関する書類(登記事項証明書(登記簿謄本)、建物図面など)
不動産担保ローンの審査項目
融資を実行するうえで、お金を貸す側が一番懸念するのは、「貸したお金をきちんと返済してもらえるか」という点です。
細かい審査項目や基準はそれぞれ異なり、審査項目や審査基準を開示している金融機関やローン会社はほとんどありませんが、不動産担保ローンの審査で大切なことは以下の3つです。
1.信用情報に問題がない
2.複数の銀行やローン会社から借り入れをしていない
3.担保提供予定の不動産に融資希望額以上の価値がある
この3つのポイントをクリアしている場合は、審査に通る可能性が高いと言えます。
確定申告が未申告で不動産担保ローンが利用できないケース
確定申告が未申告でも不動産担保ローンは利用できることが多いですが、以下のようなケースでは利用できない可能性があります。
信用情報に問題がある
信用情報とは、返済の遅延、滞納、破産などいわゆる金融事故と呼ばれているものです。
信用情報の登録期間は情報機関によって異なりますが、各情報機関で定められた期間内は情報が保持されています。
登録されている信用情報に問題があると判断された場合は、不動産担保ローンは利用できません。
固定資産税を滞納している
不動産担保ローンは、借りたお金を返済できなくなった場合、担保提供していた不動産を売却した利益から返済を行います。
固定資産税などの税金を滞納している場合も、最終的に財産の差し押さえが行われ、差し押さえたものを換金し、換金されたお金から税金を納めます。
税金を滞納していた場合、売却によって得た利益から滞納していた税金があった場合は優先的に未納分の税金に充てられるため、固定資産税を滞納している場合も不動産担保ローンは利用できません。
書類に不備や虚偽がある
書類に間違いなどの不備があった場合は、修正すれば審査に通ることもあります。
ですが、書類の内容に虚偽があった場合は審査に通らなくなるので注意が必要です。
最後に
確定申告が未申告でも不動産担保ローンが利用できるケースは多いです。
しかし、信用情報に問題がある場合や税金を滞納している場合は、未申告、申告済みに関係なく審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
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