不動産を担保に融資を受ける場合、担保となる評価額と担保掛目によって融資限度額が決定されます。担保となる不動産によって担保掛目は異なるのか、ハイグレードマンションは担保掛目が有利になることがあるのかについてご紹介します。
担保掛目とは?
不動産を担保に融資が実行される場合、担保となる不動産の評価額に対して一定の割合を差し引いた金額が融資限度額になります。このときに差し引かれる割合が担保掛目です。たとえば、2,000万円の評価額の不動産に対して担保掛目が80%の場合、2,000万円×80%=1,600万円になりますので、2,000万円の評価額に対して担保掛目が80%だった場合の融資限度額は1,600万円になります。
担保掛目が高くなればその分差し引かれる金額が少なくなりますので、同じ評価額の物件だったとしても融資限度額が多くなるということになります。
ノンバンクで扱う不動産担保ローンの担保掛目
ノンバンクで扱っている不動産担保ローンの担保掛目は6割~7割が相場です。ですが、都心部にあるハイグレードマンションの場合は担保掛目が8割になることがあります。マンションの立地だけではなく大手不動産開発業者の三菱地所や野村不動産といった会社が事業展開しているマンションはブランド力があり、人気も高いため、分譲と同時に完売してしまう物件が数多くあります。
担保掛目が設定されている理由は、融資したお金が回収できなくなってしまった場合の損害を、最小限にする目的があります。通常のマンションの場合は、築年数の経過とともにマンションの不動産価値が下がってしまいますが、ハイグレードマンションは人気が高いため買主がすぐに見つかることから債権回収に対するリスクが比較的低い物件です。そのため、一般的なマンションと比較した場合、担保掛目が高くなっていることがあるのです。
ハイグレードマンションは築年数が経過しても不動産としての価値が高い
ハイグレードマンションは販売価格自体も高額ですが、大手不動産開発業者が販売しているマンションは人気が高いため、築年数が経過しても買い手がつかないというリスクがほとんどありません。そのため、築年数が経過しても不動産の価値を認めてもらいやすい物件です。
ハイグレードマンションはローンが残っていても融資可能?
前の項目でご紹介したように、ハイグレードマンションは販売価格自体が高額の物件なので、その分評価額が高くなります。また、好立地にある大手不動産開発業者が販売しているハイグレードマンションの場合は売りに出してもすぐに買い手がつくため、通常のマンションよりも担保掛目が高くなっている可能性があります。担保掛目が高くなれば融資限度額も高くなりますので、仮に多くのローンが残っていたとしても融資してもらえる可能性があります。
ローンの残債が多い場合はすべてのローン会社で融資が可能になるわけではありませんが、ハイグレードのマンションの場合は担保掛目が高いケースがありますので、担保掛目が高ければその分融資限度額も高くなります。融資限度額が高い分、残債を差し引いたとしても担保価値があると認められることがあるため、ローンが残っていても融資をしてもらえる可能性があるのです。
ローンの残債が多い場合は想定遅延損害金を差し引かれる可能性も
ハイグレードマンションの場合はローンが残っていても融資をしてもらえる可能性がありますが、残債が多い場合は万が一支払いができなくなってしまった場合に想定される遅延損害金分が融資限度額から差し引かれる可能性があります。
そのため、ローンの残債が多い場合は想定遅延損害金の金額を加算するとオーバーローンという判断が下されて、融資が受けられないケースもあります。不動産の査定方法や担保掛目は法律などで定められているわけではありませんので、不動産の評価額の査定方法はローン会社によって異なりますし、使用する担保掛目も異なります。
想定遅延損害金分を差し引いたときにオーバーローンと判断されてしまうか、融資可能という判断をしてもらえるかは、実際に融資の相談をしてみなければわかりません。申し込んだローン会社では断られてしまったとしても、別のローン会社では融資が可能になるケースもあります。あきらめずに複数のローン会社に融資の相談をしてみると良いでしょう。
まとめ
ハイグレードマンションの場合、融資限度額を決めるときに必要な担保掛目が一般的な不動産よりも高く設定されていることがあります。担保掛目が高く設定されていれば、その分融資限度額も増えることになりますので、ローンが残っている物件でも不動産担保ローンが利用できる可能性があります。融資の申し込みを断られてしまったとしても、不動産の査定方法や担保掛目はローン会社によって異なるため融資をしてもらえるローン会社がある可能性があります。1社で断られてしまったとしても、諦めずに別のローン会社に相談してみることがおすすめです。