相続した土地をどうするかは、さまざまな要因に左右されます。売却するのか、自分で利用するのか、それとも他の方法で活用するのかは、状況に応じて慎重に検討しましょう。
また、相続した土地を売却するなら、その時期に注意が必要です。
この記事では、相続した土地はいつ売却するのが良いのか、売却以外の方法についても紹介します。
相続した土地はどうすればいい?
相続した土地をどうするかについては、主に4つの選択肢があります。
自分が住む
相続した土地に自分が住むのは、もっともシンプルな方法です。
土地の有効活用ができ、住居費用の節約になるなどのメリットがある一方で、維持管理の費用や手間がかかるというデメリットもあります。
誰かに貸す
相続した土地を誰かに貸すことで、毎月の家賃収入が見込めるため、安定した収入を得られるというメリットがあります。
一方で、借主との契約管理やトラブル対応、物件管理などの手間がかかります。
また、空室リスクが存在することもデメリットの一つです。
土地活用
土地を活用する方法としては、駐車場経営やアパート・マンション経営などがあります。
安定した収益を得ることが期待でき、立地が良ければ収益を最大化できる可能性がある点がメリットです。
一方、デメリットとしては、初期投資が必要であることや、経営管理に時間と労力を要することが考えられます。
相続した土地を所有している場合、初期投資にかかる費用は不動産担保ローンを利用できます。
不動産を担保にすることで、通常の無担保ローンに比べて高額の融資を受けることができさまざまな土地活用プロジェクトを実現することができます。
担保があるため、金融機関はリスクを抑えることができ、無担保ローンよりも低い金利で融資を受けられる点も魅力です。
売却する
相続した土地を売却すれば、現金を手にすることができるため、他の投資や支出に資金を回すことができます。
一方で、将来的な土地の価値上昇を逃す可能性がある点や、売却時に税金が発生する点はデメリットと言えます。
相続した土地の売却は早いほうがいい?
相続した土地の売却タイミングは、さまざまな要因に依存します。
ここでは、売却するタイミングによるメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
3年以内に売却する
相続した土地を3年以内に売却する場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を活用できます。
相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができるという特定です。
5年以内に売却する
相続した土地を3年以降に売却する場合、相続税の負担を軽減する特例は利用できません。
また、土地を売却したときにかかる譲渡所得税は、所有期間に応じて税率が変わります。
5年以内の売却は「短期譲渡所得」となり、所得税率30.63%、住民税率9%を支払わなければいけません。
5年以降の売却でかかる「長期譲渡所得」の税率よりも高額となる点は、デメリットと言えるでしょう。
一方で、計画的に売却を進められるため、土地の価値が安定している時期を狙いやすくなるなどのメリットもあります。
5年以降に売却する
相続した土地を、相続してから5年以降に売却する場合、「長期譲渡所得」の所得税率は15.31%、住民税率は5%となり、短期譲渡所得よりも大きく負担が軽減されます。
譲渡所得税率だけを見れば、5年以内に売却するよりも、5年経過後に売却したほうが良いと言えるでしょう。
一方で、所有期間が長くなればなるほど、固定資産税や管理費用がかかることになります。
どちらが良いかを一概に言うことは難しいため、シミュレーションしながら検討するのがおすすめです。
相続した土地を放置するとどうなる?
相続した土地を放置すると、さまざまなリスクが生じます。
例えば、利用していない空き家であっても、固定資産税の支払いは行わなければならず、管理費用もかかるでしょう。
まったく管理をせずに放置してしまうと、雑草やゴミの放置により近隣とのトラブルが発生する可能性もあります。
さらに、土地の価値が下がるリスクもあり、売却時の価格に影響を与える可能性に注意しなければいけません。
相続した土地をどうするかは、できるだけ早く検討し、適切に対処しましょう。
相続した土地の売却は3年以内に!土地活用も検討しよう
相続した土地の扱い方は、多岐にわたる選択肢があります。
早期の売却や賃貸、土地活用など、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で最適な決断をすることが重要です。
特に、売却を検討する際は、3年以内に行うことで税制上のメリットを享受できる場合があります。
また、土地活用を始める場合は、不動産担保ローンを活用して初期投資を賄うことも一つの方法です。
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