不動産を担保に日本政策金融公庫から融資を受けるメリットや流れ

事業資金や教育資金として、日本政策金融公庫から融資を受けることを検討している方も多いのではないでしょうか。日本政策金融公庫の融資には、担保提供の必要のない融資と担保提供をする融資があり、不動産を担保にすることでより有利な条件で借り入れできるケースがあります。

そこで今回は、日本政策金融公庫の融資の概要に加え、不動産を担保提供するとどんなメリット・デメリットがあるのか、また不動産担保で日本政策金融公庫から融資を受けるときの流れについて紹介します。

目次

日本政策金融公庫の融資とは

日本政策金融公庫とは、政府が100%出資している政策金融機関です。国民生活の向上や地域経済の活性化を目的として、中小企業や小規模事業者、個人事業主などに対して積極的に融資を行っています。

日本政策金融公庫の融資の最大の特徴は、民間の金融機関と比較して低い金利で借り入れできることです。また、融資はすべて固定金利で提供されており、返済期間中に金利が上昇するリスクがない点も大きなメリットといえます。

日本政策金融公庫の融資は、資金の使い道によって「国民生活事業」「中小企業事業」「農林水産事業」の3つの事業区分に分かれています。事業資金のほか、教育ローン(国の教育ローン)なども取り扱っており、幅広い資金ニーズに対応しています。

さらに、若い方(29歳以下)や高齢の方(55歳以上)、女性の方には金利の優遇制度が設けられており、一般的な金融機関では審査が厳しくなりがちな方でも融資を受けやすい環境が整っています。個人の場合は原則として保証人が不要で、団体信用生命保険(団信)への加入も任意である点も、日本政策金融公庫の融資ならではの特徴です。

不動産を担保に日本政策金融公庫から融資を受けるメリット

日本政策金融公庫から融資を受ける場合、「担保提供あり」と「担保提供なし」を選ぶことができます。 担保なしでも融資を受けることが可能ですが、不動産を担保にすることで以下のようなメリットがあります。

まず、担保提供ありの場合は、担保提供なしと比較して金利を低く抑えることができます。日本政策金融公庫の有担保融資の基準金利は年1%台〜3%台で推移しており、無担保融資と比較すると0.5〜0.8%程度低くなります。特に事業資金などの融資を受ける場合は、融資額が高額になるケースも多いので、金利を低く抑えることができれば返済の負担を大きく減らすことができます。

また、不動産担保を提供することで、無担保の場合よりも高額の融資を受けられる可能性があります。日本政策金融公庫の融資は、無担保の場合は2,000万円が上限とされていますが、不動産を担保にすることでそれ以上の金額を借り入れることが可能になります。

ただし、不動産を担保に提供した場合、万が一返済ができなくなってしまった場合は、担保提供した不動産を失う可能性がありますので注意も必要です。

不動産担保で日本政策金融公庫から融資を受けるデメリット・注意点

不動産担保で日本政策金融公庫から融資を受ける場合、メリットだけでなくデメリットや注意点もあります。融資を検討する際の判断材料として、事前に把握しておきましょう。

まず、日本政策金融公庫の融資は返済期間が比較的短い点に注意が必要です。民間の不動産担保ローンでは20年〜30年の返済期間を設定できるケースが多いですが、日本政策金融公庫の場合は最長でも10年〜15年程度が一般的です。返済期間が短い分、月々の返済額が大きくなるため、資金繰りには余裕をもった計画が求められます。

また、日本政策金融公庫における不動産の担保評価は、民間の金融機関と比較してやや厳しめとされています。そのため、不動産の評価額に対して融資額が低くなる可能性があります。一般的に、日本政策金融公庫の担保評価は市場価格の50%〜70%程度とされており、希望する融資額に対して十分な担保価値を示せるかどうかが重要なポイントとなります。

さらに、融資の審査には4〜5週間程度の期間がかかるケースが多く、急ぎの資金調達には向いていません。日本政策金融公庫の融資を断られた場合、次に申し込むまでには半年〜1年以上の期間をあける必要があるとも言われています。

なお、不動産を担保にする場合は、抵当権設定のための登記費用や司法書士への報酬(3万円〜10万円程度)が発生する点も考慮しておきましょう。

抵当権付き不動産を担保に日本政策金融公庫から融資は受けられる?

住宅を購入する場合、ほとんどの方は住宅ローンを組んで購入します。住宅ローンは、分割で住宅の購入費を返済するものという認識を持っている方も多いと思いますが、住宅をローンで購入した場合、購入した住宅には抵当権が設定されています。

抵当権とは、債務者が借りたお金を返済できなくなってしまった場合、債権者が担保を売却して弁済してもらうことができる権利のことです。住宅ローンを返済中で家を担保にする場合、すでに抵当権がついている状態になっていますが、抵当権がついている家(ローンの返済途中の家)を担保に日本政策金融公庫から融資を受けることは可能です。

抵当権は、1つの不動産に対して複数の抵当権を設定することができます。住宅ローンの場合、抵当権の順位は第一抵当権(1番抵当権者)でなければならないと定められていることがほとんどですが、日本政策金融公庫の場合は、第二抵当権以降でも担保にすることが可能だからです。住宅ローンを返済中の家以外のすでに抵当権がついている不動産も、同様に担保にすることができます。

不動産を担保に日本政策金融公庫に融資を申し込むときの流れ

日本政策金融公庫に融資を申し込む場合、資金の使い道によって融資の申し込み先が変わります。資金の使い道に合わせて、以下の窓口に融資の申し込みを行います。

国民生活事業に関する融資の場合

国民生活事業に関する融資とは、以下のような内容のものです。

・小口事業資金融資 ・創業支援、事業再生支援、事業承継支援、ソーシャルビジネス支援、海外展開支援 ・教育ローン ・恩給、共済年金を担保とする融資

これらに該当する融資の場合は、お住まいの自治体を管轄している日本政策金融公庫の国民生活事業のある支店に申し込みを行います。国民生活事業のある支店は、日本政策金融公庫のホームページで確認することができます。

中小企業事業に関する融資の場合

中小企業事業に関する融資とは、以下のような内容のものです。

・中小企業への長期事業への融資 ・新事業支援、事業再生支援、事業承継支援、海外展開支援 ・証券化支援 ・信用保証協会が行う債務の保証に関わる保険引き受け等 ・ビジネスマッチング等による経営課題解決支援

これらに該当する融資の場合は、お住まいの自治体を管轄している日本政策金融公庫の中小企業事業のある支店に申し込みを行います。

農林水産事業に関する融資の場合

農林水産事業に関する融資とは、以下のような内容のものです。

・担い手を育て支える農林水産業者向けの支援 ・食の安全の確保、農食連携を支える加工流通分野向け融資 ・コンサルティングやビジネスマッチング等の経営支援サービス

これらに該当する融資の場合は、お住まいの自治体を管轄している日本政策金融公庫の農林水産事業のある支店に申し込みを行います。

不動産を担保にする場合の主な必要書類

不動産を担保にして日本政策金融公庫から融資を受ける場合、通常の申込書類に加えて担保に関する書類が必要になります。主な必要書類は以下のとおりです。

・借入申込書 ・創業計画書または事業計画書 ・本人確認書類(運転免許証など) ・印鑑(実印)と印鑑証明書 ・過去2年分の確定申告書または源泉徴収票 ・担保物件の不動産登記簿謄本(登記事項証明書) ・預金通帳のコピー(最低半年分以上)

上記はあくまで一般的な書類であり、融資の内容や物件によって追加書類が必要になる場合があります。特に不動産賃貸事業として融資を申し込む場合は、不動産の賃貸借契約書や収支計画書の提出を求められることがあります。事前に日本政策金融公庫の担当者に確認しておくとスムーズに手続きを進められるでしょう。

日本政策金融公庫の融資が難しい場合は民間の不動産担保ローンも検討を

日本政策金融公庫の融資は低金利で利用できる魅力がありますが、審査に時間がかかることや、返済期間が短いこと、担保評価が厳しいことなどのデメリットもあります。また、融資を断られてしまった場合は、次の申し込みまでに半年〜1年以上の期間が必要とされています。

そのような場合に検討したいのが、民間の不動産担保ローンです。民間の不動産担保ローンには、日本政策金融公庫の融資と比較して以下のような特徴があります。

まず、返済期間を20年〜30年と長期に設定できるため、月々の返済負担を抑えた計画を立てやすい点が挙げられます。また、審査スピードが早く、最短で申し込み翌日に融資が実行されるケースもあるため、急ぎの資金調達にも対応しやすいでしょう。

さらに、民間の不動産担保ローンは資金使途が自由なものが多く、事業資金だけでなく生活費の補填や借金の一本化、税金の支払いなど幅広い用途に対応できます。日本政策金融公庫の融資は事業目的に限定されるため、個人的な資金ニーズには民間の不動産担保ローンのほうが適しているケースもあるでしょう。

なお、日本政策金融公庫と民間の不動産担保ローンは、いずれか一方を選ぶというだけでなく、併用して利用することも可能です。たとえば、事業資金は日本政策金融公庫の低金利融資で調達し、急ぎの運転資金は民間の不動産担保ローンで補うといった使い分けも検討できます。

協和信用保証株式会社は、昭和63年の創業以来、不動産担保ローンに特化した融資を行っております。融資のお申込みから実行まで1人の担当者が対応するため、迅速かつきめ細やかなサービスを提供しています。不動産を担保にした融資をご検討の方は、ぜひ協和信用保証株式会社にお気軽にご相談ください。

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