亡くなった親名義の不動産を担保に融資を受けたいという場合があります。亡くなった親名義の不動産で不動産担保ローンは利用できるのでしょうか。
今回は、亡くなった親名義の不動産の取り扱いについて、担保提供するまでに必要な手続きの流れを紹介します。
亡くなった親名義の不動産は相続の対象
利用する金融機関やローン会社によって条件は異なりますが、本人名義以外の不動産を担保に不動産担保ローンを利用することは可能です。
ただし、名義人である親が生きている場合と亡くなられている場合では、不動産担保ローンを利用する条件が異なってきます。
親が生きている場合は、基本的に名義人である親の承諾が得られれば融資を受けることが可能です。
しかし、親が亡くなっている場合、親名義の不動産は相続の対象となり、民法によって配偶者、子どもといった相続人が一定の割合で相続できることが定められています。
そのため、亡くなった親名義の不動産を担保に融資を受けられる可能性はありますが、自身がどれくらい相続するかの割合によっては、自身の持分だけを担保に入れたとしても、希望額の融資が受けられない可能性はあると言えます。
亡くなった親名義の不動産を担保にする流れ
亡くなった親名義の不動産を担保にする場合、まずは遺産分割協議や相続の手続きを済ませる必要があります。
具体的な手続きの流れは、以下の通りです。
遺産分割協議
財産を所有する人が亡くなったときに、法定相続人である配偶者や子どもたちが集まって話し合い、相続の内容を決めることを遺産分割協議と言います。
家や土地などの不動産を相続する場合、遺産分割協議の結果によって内容によって相続の方法は変わります。
例えば、長男が家を相続し、次男が現金や有価証券を相続するというケースもあれば、一つの不動産を複数の相続人が共同相続するというケースもあります。
共同相続の場合、各相続人は法定相続分に応じた持分を所有することになります。
相続登記
亡くなった親の不動産を相続した場合、管轄の法務局に相続登記(名義変更)を行う必要があります。
不動産のすべての権利を1人が相続するケースだけではなく、複数の相続人が共同相続する場合も、それぞれ持分所有という形で相続登記をすることになります。
相続登記が完了した後は、自身の持分だけを担保提供したり、売却したりする際に、他の相続人の了解を得る必要はありません。
不動産担保ローンの申込
相続登記が終わったら、不動産担保ローンの申込を行います。
不動産担保ローンの審査
申込が終わると、不動産担保ローンの審査が行われます。
不動産のすべての権利を相続した場合は比較的審査に通りやすいと言えますが、持分のみを担保にする場合は、担保評価額が低くなってしまう傾向にあります。
そのため、審査に落ちてしまったり、融資限度額が低くなってしまうことがあるため注意も必要です。
不動産担保ローンの契約
審査に通過したら、必要な書類等の準備を行い、不動産担保ローンの契約を行います。
融資の実行
契約が済むと、指定の口座にお金が振り込まれ、融資の実行となります。
契約から融資が実行されるまでの期間は、利用する金融機関やローン会社によって異なります。
亡くなった親名義の不動産を担保にするときの注意点
亡くなった親名義の不動産を担保にするときの注意点としては、相続税がかかる点があげられます。
相続税は、財産の相続税評価額の合計から基礎控除額を差し引いた額に応じてかかる税金です。
相続した不動産を担保に融資を受けたとしても、相続税の支払いが必要になるため、全額使えるわけではありません。
また相続税には納付期限があり、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています。
つまり、遺産分割協議などが長引いてしまうと、相続した不動産を担保に融資を受けるよりも先に相続税を支払わなければならなくなるので、注意してください。
ちなみに、相続税は納付期限を過ぎてしまうと、本来納める税額の5%~20%分の無申告加算税のペナルティが課せられてしまいます。
最後に
親名義の不動産を担保に融資を受けることは可能ですが、親が生きているケースと亡くなっているケースでは不動産担保ローンを利用するための条件が異なります。
亡くなった親名義の不動産は相続の対象となるため、相続の方法や相続人の人数によって融資の審査の通りやすさや融資限度額が大きく変わる可能性があるのです。
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