不動産担保ローンは、所有する不動産を担保に融資を受けるものですが、不動産売却を前提につなぎ融資として不動産担保ローンを利用することができます。
そこでこの記事では、売却前提の不動産担保ローンとは何か、つなぎ融資に利用するメリットや注意点について紹介します。
売却前提の不動産担保ローンとは何か
不動産担保ローンは、所有している不動産を担保に必要なお金の融資を受けるというものです。
一方で、売却前提の不動産担保ローンは、売却予定の不動産を担保提供することで不動産に買い手がつく前に融資が受けられるというものです。
不動産売却前提ローンは、買い手が決まるまでの期間は利子分だけの返済を行い、売り出している不動産が売れたときに売却で得た資金で融資分を一括返済する仕組みのため、売却予定の不動産が売れるまでの期間のつなぎ融資として利用されることが多くなっています。
不動産売却前提ローンをつなぎ融資に利用するメリット
不動産売却前提ローンをつなぎ融資に利用するメリットは、売却予定の不動産の買い手がつく前に資金調達ができることです。
不動産は、売りに出してもすぐに売却できるとは限りません。そのため、不動産を売却して資金調達を考えている場合は、不動産に買い手がつくまでの期間資金を調達することができません。
しかし、不動産売却前提ローンをつなぎ融資に利用すれば、不動産の買い手がつく前に資金を調達することが可能になります。
不動産売却前提ローンはこんな人におすすめ
不動産売却前提ローンは、以下のような人におすすめです。
- 現在住んでいる家の買い手がつく前に、新たな家の購入資金を調達したい人
- 返済資金や生活資金を調達し、不動産の売却代金で返済したい人
- 相続税などの納税資金が必要な人
不動産売却前提ローンのメリット
不動産売却前提ローンをつなぎ融資に利用するメリットは、以下のようなことがあります。
- 不動産が売れる前に必要な資金の調達ができる
- 買い手がつく前に資金を調達できるので、売り急ぐ必要がない
- 決済が済むまでは利子のみの返済で済むので、返済の負担が少ない
- 不動産を担保にしているため、利子を抑えられる
- 担保となる不動産価値によっては高額融資も可能
- 総量規制の対象外なので、年収に左右されずに融資が受けられる
不動産売却前提ローンは売却予定の不動産を担保に融資を受けるので、金利を抑えることができ、担保となっている不動産の売買契約が成立し、決済されるまでは金利のみの返済だけで良いので、返済の負担を減らすことができます。また、買い手がつく前に資金調達ができることで売り急ぐ必要がないため、条件の良い買い手が見つかったタイミングで売ることができます。
不動産売却前提ローンをつなぎ融資に利用するときの注意点
買い手がつく前に資金調達ができる点だけを考えると、不動産売却前提ローンには大きなメリットがあると言えます。しかし、不動産売却前提ローンをつなぎ融資に利用する場合は、いくつか注意しなければならないこともあります。
返済期間が短い
不動産売却前提ローンは、売却予定の不動産が売れるまでの期間のつなぎ融資が主な目的です。不動産担保ローンであれば10年以上の返済期間を設定できますが、不動産売却前提ローンの返済期間は、2年程度のところが多くなっています。そのうえ、不動産売却前提ローンの返済期間は延長することができません。
分割返済ができない
不動産売却前提ローンは、不動産担保ローンのように分割返済をすることができません。不動産が売れるまでの期間は、利子のみの返済だけで良いので返済の負担を減らすことができますが、万が一、返済期間内に不動産が売れなかった場合は、返済期限までに融資を受けた全額を一括返済しなければならなくなるというリスクがあります。
手数料や利子分の費用が必要になる
不動産売却前提ローンを利用せずに不動産を売却した得た場合には必要のない、手数料や利子分の費用が必要になります。売却予定の不動産を焦らずに売却できる点は不動産売却前提ローンを利用するメリットですが、不動産の売買契約が成立するまでの期間が長くなるほど、利子分の費用が増えることになります。
不動産売却前提ローンの利用はデメリットも理解した上で活用する
不動産売却前提ローンは、売却予定の不動産の買い手がつく前に資金調達ができるというメリットがあります。そのため、すぐに資金が必要なケースやなかなか買い手が付かない場合は便利なローンだと言えます。一方で、不動産売却前提ローンは不動産担保ローンのように返済期間を長く設定することができないため、万が一返済期間内に買い手が付かなければ、返済日までに融資額を一括返済しなければいけなくなるリスクもあります。不動産売却前提ローンにはメリットもありますが、デメリットもあります。不動産売却前提ローンをつなぎ融資に利用する場合は、メリットだけではなくデメリットも理解した上で利用することが大切です。