不動産担保ローン関連コラム

担保融資を受けるための不動産評価額は容積建ぺい率で変動する?

不動産担保ローンなど、不動産を担保に設定して融資を受けようとした場合、融資可能額の上限を決める大きな要素となるものが不動産の評価額です。決められた計算方法により不動産の価値を評価し、不動産鑑定士などの専門家が評価額として算出します。今回はこの不動産評価額を左右する「容積建ぺい率」を中心に解説していきたいと思います。

不動産の評価額とは

一言に不動産の価格と言ってもいくつかの種類があることをご存知でしょうか。最もイメージしやすい不動産の評価額は「実勢価格」と呼ばれるものです。不動産を購入、売却するときの価格がまさに実勢価格です。例えばあなたが3,000万円で物件を購入したいと考えており、同時に3,000万円で物件を売却したいという方がいて売買が成立すれば、3,000万円がその物件の実勢価格ということになります。

続いて、今回のテーマとなっているローンや融資の担保設定時に使用される不動産評価額が「鑑定評価額」と呼ばれる価格です。純粋に不動産の価値のみを評価した価格で、不動産鑑定士などの専門家により算出されます。その他にも、税金の課税対象となる金額を算出する際などに使用される、公示地価(基準地価)、相続税評価額、固定資産税評価額といった不動産評価額の種類があります。

不動産の評価額は容積建ぺい率で変動する

不動産の評価額には実勢価格、鑑定評価額、公示地価(基準地価)、相続税評価額、固定資産税評価額と、全部で5つの種類があることを解説しました。いずれの不動産評価額においても基本となる算出方法は、国が定めている路線価などの数値をベースに算出されますが、その他にも種類によって様々な要素によって評価額が変動します。例えば、実勢価格であれば、その物件を購入したいと考える人が多くなればなるほど価格、つまりは評価額は高騰していきます。その他にも不動産評価額を変動させる要素として「容積建ぺい率」と呼ばれる数値があります。

 

容積建ぺい率とは

不動産評価額を変動させる「容積建ぺい率」とは何なのでしょうか。正確に言えば容積建ぺい率は「容積率」と「建ぺい率」の二つに分かれます。
「容積率」とは、その不動産(土地)に建築することができる建物の延べ床面積の割合のことを指しています。延べ床面積は建物の床面積の合計であり、例えば1階が100平方メートル、2階が50平方メートルの建物の延べ床面積は150平方メートルと言うことになります。
「建ぺい率」とは、その不動産(土地)に建築することができる建物の面積の割合のことを指しています。容積率で使用される延べ床面積とは異なり、建物を真上から見たとき面積を使用します。仮に1階が80平方メートル、2階が100平方メートルという建物があったとした場合、建物を真上から見たときの面積は100平方メートルということになります。
容積率や建ぺい率は、建築基準法やその不動産がある地域の条例に基づき、行政が決めた都市計画に従って定められています。反対に言えば、行政が定めた容積率・建ぺい率の条件を満たさない建物は建てることができないということです。

 

容積率・建ぺい率が不動産評価額をどのように変動させるのか

一般的な住宅エリアでは、建ぺい率はだいたい60%、容積率はだいたい200%で、さらに建物の階数も3階建てまでと定められているケースが多く、例えば100平方メートルの土地であれば、一階が60平方メートル、二階が30平方メートル、三階が30平方メートルで延べ床面積120平方メートルの建物を建てることができます。しかし、住宅エリアであっても、国道などの大きな道路沿いなどの特定のエリアに限って、容積率や建ぺい率が高く設定されている場合があります。一つ裏の路地に入れば建ぺい率60%、容積率200%と定められているエリアでも、大通り沿いに限っては建ぺい率90%、容積率400%のように設定されているケースです。
不動産担保ローンなど融資で不動産を担保に設定する場合、この容積率と建ぺい率が高く設定されている土地であればあるほど不動産評価額が高くなる傾向にあります。仮に現在平屋(一階建て)が建っている場合でも、その土地の容積率・建ぺい率が、例えば建ぺい率90%、容積率400%と高く設定されている土地であった場合、将来的にその土地に商業ビルなどを建てることができる土地であるため、不動産(主に土地)の評価額が高く算出されます。

まとめ

今回は、不動産担保ローンを申し込む場合や、不動産を担保に融資を受ける際に、担保となる不動産評価額を大きく変動させる可能性がある「容積建ぺい率」について解説してきました。不動産担保ローンの専門会社では、現在の不動産(土地・建物)の価値だけではなく、容積率・建ぺい率から見た将来的な収益性までを考慮して融資可能額を算出することができます。より詳しく不動産担保ローンについて調べてみたい、などのご要望をお持ちの方は、以下の当社サイトをご参照ください。
https://kshc.jp/realestate-securedloan/

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