不動産担保ローン関連コラム

融資の返済不能で一括返済を迫られる「期限の利益喪失事由」とは?

不動産担保ローンなど、融資を受ける際の契約書に「期限の利益喪失事由」と呼ばれる専門用語が書かれています。一般的に「期限の利益喪失事由」という言葉を使うことはほとんどなく、初めて聞く言葉だという方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にはローンや融資を申し込む際に締結する「金銭消費貸借契約書」において定められている重要な条項であり、その意味を知っておく必要があります。今回はこの「期限の利益喪失事由」について解説していきたいと思います。

「期限の利益」とは何か

「喪失事由」だけを抜き出してみますと、なんとなく「何かが失われてしまう理由」という意味であることが文字から想像できるかと思います。一方、「期限の利益」という言葉は一般的に日常会話で使われる言い回しではないため、その意味をイメージすることは難しいかと思います。「期限の利益」とは、借り手と貸し手の間に結ばれる金銭消費貸借契約書で使用される言葉であり、契約で決められた期限まで借り手は貸し手に返済を行わなくても良いという状態、つまり返済期限において借り手側が得られる利益のことを指しています。
契約上、決められた期限まで借り手側は債務の返済をしなくても良いということは、逆を言えば貸し手側としては、期限まで貸したお金が手元に戻らず自由に使うことができないという不利益な状態にあることも同時に意味しています。

期限の利益の仕組みを理解する

では具体的に「期限の利益」がどのような意味・仕組みを持っているのか解説していきます。
例えば、1月1日に借り手が貸し手から100万円を借り、返済計画は毎月10万円ずつ10回払い、という契約を結んだとします。また、1回目の返済日は1月31日、2回目は2月28日、と毎月末日に返済を実行していくという内容も契約に定められていたとします。この場合、1月1日から返済日1月31日までの1ヶ月間、1回目の返済分を返済しなくてもよいという期間が生まれます。また、同時に2回目の返済分は2月28日まで、8回目の返済分は8月31日まで返済しなくてもよい状態にあります。このようなそれぞれの返済期日までに生まれる「返済しなくてもよい期間」の権利のことを「期限の利益」と呼びます。

期限の利益の喪失事由とは?期限の利益喪失により何が起こるのか

ローンや融資の契約において「期限の利益喪失事由」とは、決められた期限まで返済しなくてもよいという「期限の利益」がなくなってしまう何らかの理由のことを言います。何らかの理由とは、例えば一時的にでも返済不能となってしまった、契約に決められていたルールを破ってしまった…などが、喪失事由にあたるでしょう。返済不能になった、契約を破ってしまった、などの行為が貸し手側に「期限の利益喪失事由」と受け取られてしまうと、それまで契約で決められた期限まで返済する必要がなかった債務を一括ですべて返済しなければならない、という事態に陥る可能性があります。期限の利益喪失事由は契約に反する行為のため、当然のことながら借り手側にとって利益となっていた契約条項についても、効力がなくなるというわけです。

期限の利益喪失事由を起こしてしまったときの対処方法

銀行などの金融機関からのローンや融資を受けていて、万が一「期限の利益喪失事由」と受け取られる行為を起こしてしまった場合、金融機関から一括返済の請求が届いてしまったら、どのような対処方法があるのでしょうか。
もちろん期限の利益喪失事由を起こさないようにすることが大前提ですが、それでも止むを得ない事情で返済が難しくなってしまうような場合には、できる限り早く貸し手に伝え、一緒に解決策を練ることが重要です。自分一人では不安だ、という場合には債務専門の弁護士などに相談するという方法も有効です。
そしてもう一つの方法としては、新たに不動産担保ローンを組み、一括返済を求められている融資を返済してしまうというローン・融資の借り換えがあります。不動産担保ローンの場合、個人の信用以上に不動産の担保評価額が融資の実行可否を決定するため、期限の利益喪失事由を起こしてしまうような状況にあっても新たに融資を受けられる可能性があります。

まとめ

今回は「期限の利益喪失事由」とは何か、期限の利益喪失事由により一括返済の通知が届いてしまったときの対処方法についても解説してきました。一括返済通知が届いてしまったら、そもそも月々の返済ができない状況だと言うにも関わらず、残金を全額支払わなければなりません。対処法としては、新たに融資を受けて支払いを行うという方法がありますが、このようなケースでは、銀行などの金融機関で新たな融資を断られてしまうことが多いのも事実です。しかし、そのような状況においても不動産担保ローンであれば融資が実行されたというケースも存在するのです。

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