民間の金融機関から融資を受けている場合、金利の安い日本政策金融公庫へ借り換えをしたいと考える人も多いのではないでしょうか。そこで、民間の金融機関から日本政策金融公庫へ借り換えすることは可能なのかについてご紹介します。
日本政策金融公庫への借り換えはできない
結論からお話しますと、民間の金融機関から日本政策金融公庫へ借り換えをすることはできません。理由は、日本政策金融公庫は、100%政府が出資している融資専門の機関だからです。借り換えを可能にしてしまいますと、民間の金融機関の利益を政府が奪うことになってしまうため、民間の金融機関から日本政策金融公庫への借り換えは禁止されているのです。
借り換えはNGでも追加融資なら可能
民間の金融機関から日本政策金融公庫へ借り換えをすることは禁止されていますが、すでに民間の金融機関からの融資を受けている場合でも、追加融資であれば日本政策金融公庫から融資を受けることができます。ただし、追加融資を受ける場合は、中小企業庁の認定を受けている認定支援機関を経由して申し込みをする必要があります。
認定支援機関とは?
認定支援機関とは、正式名称は「経営革新等支援機関」といいます。この経営革新等支援機関(認定支援機関)は、専門知識や実務経験が一定のレベルに達している者に対して国が認定している公的な機関で、中小企業や、小規模事業経営者が安心して経営相談をすることができるようになっているものです。全国で25,000か所の認定機関がありますので、日本政策金融公庫に追加融資をしたいという場合は、近くの認定支援機関に相談してみましょう。全国の認定支援機関は、こちらから調べることができます。
全国の認定支援機関(中小企業庁ホームページ):https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/kikan.htm
借り換えは日本政策金融公庫以外の方法で
民間の金融機関から日本政策金融公庫への借り換えはできません。ただし民間の金融機関からすでに融資を受けていても追加融資であれば利用することができます。金利を抑えるために借り換えをしたい場合は、日本政策金融公庫以外への借り換えが必要です。
1.金利の低い金融機関への借り換え
事業資金の借り入れは多額な融資を受けるケースも多いので、金利が少し違うだけで返済の負担が大きく変わってきます。
民間の金融機関の金利は、融資を受けた銀行によっても、利用する金融商品によっても利率や金利方式が異なります。固定金利の場合、金利が安いときに融資を受けた場合は金利情勢に左右されないので金利が低いまま利用することができますが、逆に金利が下がった場合も融資を受けたときの金利が維持されてしまいます。変動金利で融資を受けた場合は、金利が下がれば融資を受けたときよりも金利の負担は軽くなりますが、逆に金利が上がってしまった場合は金利の負担が増えることになります。
現在利用中の金融機関の金利が高い場合は、金利の低い商品への借り換えを検討してみましょう。融資を受けた商品や融資を受けた時期によっては、借り換えをしたほうが金利を抑えられる可能性があります。1社だけではなく複数の金融商品の情報を収集し、借り換えを検討することをおすすめします。
2.金利の低い融資への借り換えなら不動産担保ローンがおすすめ
民間の金融機関は日本政策金融公庫と比較すると金利が高いので、できるだけ金利の低い商品に借り換えをしたいという人は、不動産担保ローンを検討してみるのも1つの方法です。
不動産担保ローンに乗り換えるメリット
担保にできる不動産を所有している場合は、民間の金融機関から不動産担保ローンに乗り換えるという方法もあります。民間の金融機関から不動産担保ローンに乗り換えるメリットには、以下のようなことがあります。
- 担保にできる不動産があればだれでも利用できる
- 企業の経営状態の影響を受けにくい
- 担保価値があれば高額な融資を受けることが可能
- 返済期間が長いので月々の返済負担を減らすことが可能
- 年齢が高くでも融資を受けられる可能性がある
- 日本政策金融公庫や民間の金融機関の追加融資が難しい場合も審査が通る可能性がある
このように不動産担保ローンを利用するメリットはたくさんありますが、デメリットもあります。
不動産担保ローンを利用する場合の最大のデメリットは、返済ができなくなってしまったときは担保にしていた不動産を手放さなければいけなくなってしまう可能性があることです。融資を受けるときだけではなく、乗り換えを検討する場合も日本政策金融機構、民間の金融機関、ローン会社などそれぞれにメリットとデメリットがありますので、しっかり検討してから決めることが大切です。
最後に
民間の金融機関の融資から日本政策金融公庫への借り換えを行うことはできません。しかし、追加融資であれば申し込むことは可能なので、日本政策金融公庫からの融資を希望する場合は、追加融資を検討してみましょう。
借り換えを希望する場合は、日本政策金融公庫以外の方法を選択する必要があります。借入先や借り入れた時期によっては、今よりも金利の低い商品に借り換えをしたほうが返済の負担を減らせる可能性があります。ただし、他の金融機関に借り換える場合は、新規契約が必要なので必ずしも審査に通るとは限らないので注意も必要です。審査に通るか不安がある場合は、比較的審査に通りやすい不動産担保ローンがおすすめです。ただし、どの融資先にもそれぞれにメリットとデメリットがありますので、内容を確認した上で借り換えを行うようにしましょう。
不動産担保ローンについて、より詳細にご覧になりたい場合は、こちらをご参照ください。