


「セールアンドリースバック」とは、不動産や設備などの資産をいったん売却し、その後も同じものを賃貸として使い続ける仕組みです。
手元にまとまった資金を確保しながら、事業や生活を継続できる方法として注目されていますが、当然ながらメリットだけでなくデメリットも存在します。
この記事では、セールアンドリースバックの仕組みや活用シーンをわかりやすく解説し、利用を検討する際に知っておきたいポイントを詳しく紹介します。
セールアンドリースバックとは、不動産などの資産を活用した資金調達方法の一つです。
企業や個人が、所有する不動産や設備などの資産を売却した後で、買い手とリース契約(賃貸借契約)を締結することにより、売却した資産を引き続き使用するという取引手法を言います。
セールアンドリースバックには、以下のようなメリットがあります。
セールアンドリースバックを活用すれば、資産の売却により、まとまった資金を迅速に調達できます。
売却資金は、事業拡大や設備投資、運転資金の補填などのさまざまな用途に活用できるでしょう。
不動産を売却する場合、固定資産税や火災保険料の負担がなくなります。
また、維持管理にかかる費用や修繕費用も軽減できるため、企業のキャッシュフローの安定化につながるケースも多いです。
セールアンドリースバックでは、資産を売却した後も、同じ資産を引き続き利用できるため、環境の変化が起こらないのが特徴です。
企業の場合、就業場所はそのままの状態を維持できるため、従業員へ負担がかかることはありません。
セールアンドリースバックには、さまざまなメリットがある一方で、以下のようなデメリットが存在する点に注意しましょう。
セールアンドリースバックでは、売却後も資産を継続利用できるという仕組み上、資産の売却価格が、市場価格よりも低くなる傾向にあります。
売却価格は取引によって異なりますが、市場価格の70%程度となるケースが多いです。
売却後も資産を引き続き使用するためには、リース料(賃料)の支払いが必要となります。
また、リース料は、将来的に一定の金額であるとは限りません。
周辺の賃料相場や契約条件によって値上がりする可能性もあるため、注意が必要です。
セールアンドリースバックを活用する場合、不動産の所有権や買い手側に移転します。
そのため、改修や建て替えなどを自由に行うことはできません。
また、何らかの事情でリース契約が継続できなくなった場合、資産を使用できなくなるリスクもあります。
企業や個人が不動産を活用して資金調達する方法は、リースバック以外にもいくつか存在します。
ここでは、主な方法を3つ紹介します。
リバースモーゲージは、自宅を担保として金融機関から融資を受け、契約者の死亡後に自宅を売却して借入金を返済する仕組みです。
生前の返済は利息分で済むため、返済負担を減らしながらまとまった資金を調達できるというメリットがあります。
ただし、こちらは主に個人を対象とした融資制度で、老後資金の確保を目的として利用されるケースが多いです。
また、契約者の死亡後には物件を売却しなければならず、残された子孫に相続することはできません。
不動産の直接売却は、不動産を第三者に売却する資金調達方法です。
売却後にその不動産を利用することはできませんが、セールアンドリースバックと比較すると、高値で売却できるというメリットがあります。
ただし、基本的には売却を不動産仲介会社に依頼する必要があるため、仲介手数料などのコストがかかります。
また、売却活動を続けても、必ず売れるとは限りません。
不動産担保ローンは、所有する不動産を担保に金融機関から融資を受ける資金調達方法です。
企業、個人のいずれでも利用でき、資金使途に制限はありません。
事業資金や開業資金、生活費やリフォーム費用など、あらゆる資金需要に対応できます。
返済が滞ると担保とした不動産を失うリスクはありますが、基本的には不動産を所有したまま、低金利で高額な融資が受けられるのがメリットです。
また、返済期間を長期で設定できるため、無理のない返済計画が立てられます。
セールアンドリースバックは、不動産などの資産を売却した後も継続利用ができる資金調達方法です。ただし、資産は完全に売却する必要があるため、所有権は買い手側に移転してしまいます。
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