生前贈与のメリットは?非課税になる6つの方法を紹介

相続税対策や資産の有効活用を考える中で注目されているのが「生前贈与」です。

生前贈与を上手く活用することで、将来の相続税負担を大きく減らせるほか、贈与された側も、早いうちから資金を有効活用できるというメリットがあります。

また、生前贈与は一定の条件を満たせば非課税となり、贈与税負担が少ないのも魅力です。

この記事では、生前贈与の主なメリットと、非課税で贈与できる6つの具体的な方法について、わかりやすく解説します。

目次

生前贈与とは

生前贈与とは、被相続人が生存しているうちに、自分の財産を子や孫などの親族に贈ることを指します。

生前に財産を譲ることで、相続時の財産総額を減らし、将来的な相続税の軽減につなげられるため、相続対策の一つとして注目されています。

生前贈与のメリットは、主に次の3つです。

  • 相続税の節税につながる
  • 財産の使い道を自分で決められる
  • 若い世代への支援ができる

元気なうちから毎年少しずつ財産を贈与することで、相続時に課税対象となる遺産を減らすことが可能です。

また、自分の意思で「誰に」「いつ」「いくら」渡すかを決められるため、将来的に揉めごとを防ぎやすくなります。

さらに、結婚資金や住宅購入、教育費など、早い段階での資金援助により、子や孫の人生設計をサポートできるのも嬉しいポイントです。

一方で、贈与税の対象になる可能性や、贈与者・受贈者双方の手続き負担などもあるため、非課税制度の活用や計画的な贈与が重要となります。

生前贈与と相続の違い

 生前贈与相続
手続きのタイミング生存中に任意のタイミングで行う被相続人が死亡した時点で発生
納税者受贈者(財産をもらう側)相続人(財産を引き継ぐ側)
申告・納税の期限贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内
税金の種類贈与税相続税

生前贈与は自分の判断でいつでも行うことができますが、贈与税の対象になります。

一方で、相続は、被相続人の死亡によって自動的に発生するものであり、相続人の人数や遺言の有無によって手続きの複雑さが異なります。

また、相続には基礎控除、生前贈与には年間110万円までが非課税となる基礎控除があり、それを超えると贈与税がかかります。

ただし、非課税枠を活用した特例制度も複数あるため、目的に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。

生前贈与が非課税になる6つの方法

生前贈与には本来「贈与税」がかかりますが、一定の条件を満たせば非課税で贈与できる制度がいくつか存在します。

これらの制度をうまく活用することで、将来の相続税対策にもつながります。以下では、代表的な非課税制度6つについて、それぞれの内容や非課税額、注意点を解説します。

暦年贈与

暦年贈与は、もっとも基本的な生前贈与の制度で、贈与税がかからない範囲で毎年贈与を行う方法です。

非課税額は「年間110万円まで」で、贈与者1人から受贈者1人あたり、毎年110万円までは贈与税がかかりません。

例えば、親が子ども2人にそれぞれ110万円ずつ贈与すれば、合計220万円を非課税で渡すことができます。

ただし、名義預金とみなされないよう、受贈者自身の口座に入金し、本人が管理することが大切です。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、60歳以上の親または祖父母が、18歳以上の子または孫に贈与する際に使える制度です。

非課税額は「累計2,500万円まで」で、申告は必要ですが、上限内の贈与には贈与税がかかりません。

将来の相続時に、その贈与分を相続財産に合算して相続税を計算します。

ただし、贈与時点では節税効果がない場合もあるため、将来的な資産状況を見据えて選択する必要があります。

住宅取得等資金の贈与

住宅取得等資金の贈与は、子や孫が住宅を購入・新築・増改築する際に、親や祖父母からの資金援助に対して使える制度です。

非課税額は「最大1,000万円(省エネ住宅の場合)」となり、住宅の契約時期や性能により非課税枠が異なります。

受贈者の年齢や所得制限もあり、要件を満たす必要があるため、国税庁の最新情報を確認しながら、利用するタイミングを見極めることが重要です。

教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与は、30歳未満の子や孫に対し、教育資金を目的に一括贈与できる制度です。

非課税額は「最大1,500万円(学校以外の教育は最大500万円)」で、学費や入学金のほか、塾や習い事なども対象となります。

金融機関で専用口座を開設し、支出ごとに領収書提出が必要です。

この制度は終了期限が設定されており、2025年5月時点では、2026年3月末まで期限が延長されています。

結婚・子育て資金の一括贈与

結婚・子育て資金の一括贈与は、結婚式費用や不妊治療、出産、育児などにかかる費用を支援するための制度です。

非課税額は「最大1,000万円(結婚関連費用は最大300万円)」で、20歳以上50歳未満の子や孫が対象です。

教育資金贈与と同様、金融機関での専用口座開設と支出管理が必要なほか、制度終了期限があるため、早めの活用をおすすめします。

配偶者控除

配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の夫婦間で自宅や居住用不動産の購入資金を贈与する際に適用できます。

「おしどり贈与」とも呼ばれており、非課税額は「2,000万円まで(基礎控除110万円と合わせて2,110万円まで)」で、同一配偶者からは一生に一度しか使えません。

不動産の登記や契約書など、要件を満たす証明資料の保存が必要です。

生前贈与の贈与税対策には不動産担保ローンを活用しよう

生前贈与を活用して財産を早めに引き継ぐことで、将来の相続税負担を抑えることができますが、贈与税がかかる点に注意が必要です。

今回紹介した贈与税が非課税になる方法を活用しても、さらに贈与税の支払いが必要な場合には、不動産担保ローンを活用してはいかがでしょうか。

自宅や賃貸物件などの不動産を担保にすれば、比較的まとまった資金を低金利で借り入れることができ、借り入れた資金を贈与税の支払いに充てることができます。

協和信用保証株式会社では、創業以来、不動産担保ローンによる融資を専門的に取り扱っております。

贈与税対策のご相談にも対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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