不動産担保ローンとリースバックの違いは?

「不動産担保ローン」と「リースバック」は、どちらも不動産を活用した資金調達の方法です。

しかし、その仕組みや手続きの方法は大きく異なるため、2つの違いを理解することが大切です。

この記事では、不動産担保ローンとリースバックの違いやメリット・デメリット、おすすめの活用シーンをわかりやすく解説します。

目次

不動産担保ローンとリースバックの違い

比較項目不動産担保ローンリースバック
仕組み不動産を担保に資金を借りる不動産を売却して現金化した後、賃貸物件として住み続ける
資金使途原則自由原則自由
審査ありあり
登記手続き必要(抵当権設定登記)必要(所有権移転登記)
連帯保証人不要不要
調達できる上限額担保評価額の60~80%市場価格の60~80%
発生する税金固定資産税譲渡所得税
毎月の支出借入の返済(元金+利息)家賃の支払

仕組みの違い

不動産担保ローンは、住宅や土地を担保に資金を借り入れ、物件の所有権を維持しながら資金を調達することが目的です。

事業資金や教育資金、リフォーム費用など幅広い用途に対応でき、長期的に不動産を保有し続けたい人に向いています。

金融機関は不動産に抵当権を設定しますが、返済が終われば抵当権は抹消され、所有権は変わりません。万が一返済できない場合には、担保物件を売却して債権を回収します。

一方で、リースバックは物件を売却してまとまった現金を得ながら、同じ家に住み続けたい人が利用する仕組みです。老後資金の確保や住宅ローンの返済に悩む高齢者が選ぶケースが増えています。

不動産会社や専門業者に不動産を売却した後は、元の所有者が賃借人として家賃を支払って住み続けます。

将来的に買い戻しが可能な契約を結べる場合もありますが、買い戻し価格は売却価格より高く設定されるのが一般的です。

資金使途の違い

不動産担保ローンとリースバックは、どちらも資金使途は原則自由です。

教育費・事業資金・医療費など幅広い目的に充てられます。

ただし、不動産担保ローンは借入金額が大きくなる傾向があり、事業拡大や複数の借入金の一本化など、高額資金を必要とする場合に向いています。

リースバックは売却価格がそのまま現金化されるため、住宅ローンの完済や老後の生活資金確保など、即時にまとまった資金を必要とするケースで活用されています。

審査の違い

不動産担保ローンは金融機関の融資審査があり、返済能力や信用情報、物件の担保評価が重視されます。安定した収入や返済計画が求められるため、自己破産歴や延滞があると審査に通りにくくなるでしょう。

ただし、金融機関ごとの審査となるため、複数社に申込むのがおすすめです。

不動産の資産価値を重視するノンバンクであれば、審査に通過できる可能性が高まります。

リースバックは物件を買い取る業者による査定が中心で、利用者本人の信用情報よりも不動産の資産価値が重視されます。

過去に金融トラブルがある人でも比較的利用しやすいでしょう。

登記手続きの違い

不動産担保ローンでは抵当権設定登記が必要となり、金融機関が返済完了まで担保権を保有します。

登記費用や司法書士報酬が発生しますが、完済後は抹消手続きが可能です。

リースバックは所有権移転登記が必要で、売却先の業者名義へ変更されます。

以後は固定資産税や維持管理の責任は買主が負うため、売却後の管理負担が軽減されます。

連帯保証人の違い

不動産担保ローンは担保物件があるため、通常は連帯保証人を求められません。

ただし、収入や物件評価が不足する場合には、追加保証を依頼されることがあります。

リースバックも物件売却による契約のため連帯保証人は不要です。賃貸借契約に基づく入居審査のみが行われます。

調達できる上限額の違い

不動産担保ローンの融資額は担保評価額の60〜80%が目安で、地価や物件状態によって変動します。

住宅ローン残債がある場合は、その残債を差し引いた額が実際の融資可能額となります。

リースバックも市場価格の60〜80%が相場ですが、将来の買い戻しや利回りを考慮して買取価格が低くなるケースが多いです。

そのため、不動産担保ローンよりも資金調達額は下がる傾向があります。

発生する税金の違い

不動産担保ローンでは所有権が変わらないため、借入期間中も固定資産税や都市計画税を支払い続けます。

一方で、リースバックでは物件を売却するため、売却益が出た場合は譲渡所得税が課税されます。

所有権が移転することで、固定資産税は買主負担となり、売却後は毎年の税負担がなくなります。

毎月の支出の違い

不動産担保ローンでは元金と利息の返済が続きます。

金利は金融機関や借入期間によって異なりますが、返済期間が長いほど総支払額が膨らむ可能性があるでしょう。

リースバックは家賃を支払い続ける必要があり、相場は売却価格や周辺家賃に基づきます。

家賃は将来値上げされることもあるため、長期居住を希望する場合は契約内容の確認が重要です。

不動産担保ローンとリースバックはどちらがおすすめ?

以下の表は、不動産担保ローンとリースバックのメリット・デメリット、活用シーンをまとめたものです。

 不動産担保ローンリースバック
メリット・所有権を維持したまま資金を借りられる
・金利は無担保ローンより低く高額融資も可能
・返済が完了すれば抵当権は抹消され資産をそのまま残せる
・売却代金を一括で受け取り即時に現金化できる
・売却後も賃貸契約を結んで住み続けられる
・固定資産税や維持管理費の負担がなくなる
デメリット・審査が厳しく収入や信用情報が重視される
・返済が滞ると競売にかけられる可能性がある
・固定資産税や維持費は引き続き自己負担
・売却価格が市場価格より低めに設定されやすい
・賃料が相場より高くなるケースがある
・将来買い戻しを希望する場合は高額になることが多い
活用シーン・事業資金や教育資金など高額資金を低金利で調達したい
・相続対策や資産を保有しながら資金需要に対応したい
・自宅を残して長期的に活用したい
・住宅ローンの返済や税金の支払いに即現金が必要
・老後資金を確保しながら住み慣れた家に住み続けたい
・収入が不安定でローン審査が通りにくいが現金化したい

不動産担保ローンの金利は一般的に年1〜4%程度と無担保ローンより低く、返済完了後は資産をそのまま引き継げます。

ただし、返済能力や信用情報の審査があり、延滞すれば競売にかけられるリスクもあるため、注意が必要です。固定資産税や修繕費も引き続き自己負担となります。

審査が厳しいイメージがありますが、ノンバンクの不動産担保ローン専門会社であれば、年金生活や不安定な収入でも不動産の価値を重視した審査が可能です。

審査基準はノンバンクによって異なるため、複数社に相談することがポイントになります。

リースバックは、売却代金を一括で受け取れるため、住宅ローンの完済や医療費、相続税対策など急な資金需要に対応しやすい点が特徴です。

買い取り価格は市場価格の60〜80%程度に設定されることが多く、家賃も相場より高めになる傾向がありますが、収入や信用情報が不安な方でも利用しやすいでしょう。

不動産を売らずに資金調達できる!不動産担保ローンを活用しよう

不動産を売らずに資金調達したい方には、不動産担保ローンがおすすめです。

物件を担保にすることで、無担保ローンよりも低金利かつ高額な融資を受けられます。

返済中も所有権は自分にあり、完済すれば抵当権は抹消され、資産をそのまま残せます。

協和信用保証株式会社では、不動産担保ローンに特化した融資を行っております。

お客様の状況に合わせた柔軟な審査を提供いたしますので、お気軽にご相談ください。

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