不動産担保ローンで返済不能となったら、担保となる不動産を失ってしまうという話を聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。不動産担保ローンは、不動産を担保提供することで高額の融資を受けることができ、かつ返済期間も長く設定することができるのが魅力です。急に高額の資金が必要になったときに便利な金融商品ですが、万が一返済不能となった場合は大切な不動産を失う可能性があります。
そこでこの記事では、不動産担保ローンで返済不能となったらどうなるのか、ローンが払えなくなったときの対処法について解説します。
不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、所有している不動産(家や土地)を「担保提供」することで融資が受けられる金融商品です。
不動産担保ローンにおける担保とは、債権者(お金を貸した人)が、債務者(お金を借りた人)が返済不能になってしまった場合のリスクを軽減するために預かる不動産のことです。
担保提供した不動産には、「抵当権」が設定されます。
抵当権とは、債務者から貸したお金を返済してもらうことができなくなってしまったときに、預かっていた担保を売却し、売却益から残債を返済してもらえる債権者の権利です。
そのため、不動産担保ローンで返済不能となった場合は、債務者は担保提供していた不動産を失う可能性があります。
不動産担保ローンが払えない!まずは何をすべき?
不動産担保ローンが払えなくなってしまったときに、最もしてはいけないことはそのまま放置して無視をしてしまうことです。
無視をし続けると、今よりも状況が悪化してしまう可能性が高くなりますので絶対に避けましょう。
ローンの支払いが難しい場合は、まず債権者に相談をすることが大切です。
債権者に相談することで、支払い期限を延ばしてもらえることや、月々の返済額を減らしてもらえる可能性があります。
不動産担保ローンが返済不能となったらどうなる?
不動産担保ローンの返済が不能となり、債権者に連絡をせずに無視し続けると、督促状が届くようになります。
督促状も無視し続けると、最終的には担保提供した不動産が競売にかけられ、失うことになります。
ここからは、不動産担保ローンが返済不能となった後の流れについて説明します。
督促状や催告状が届く
ローンの返済が滞り、債権者への連絡をせずにそのまま放置し続けると、債権者から督促状や催告状が届きます。
督促状も催告状も返済を促すための書面ですが、催告状には「このまま返済をせずに放置し続けた場合は、法的な措置を取ることを視野に入れている」という意味が含まれています。
どちらも無視をしてはいけない重要な書類ですが、催告状のほうがより緊急性が高くなります。
裁判所から「競売開始決定通知書」が届く
督促状や催告状をそのままにしてしまうと、裁判所から「競売開始決定通知書」が届きます。
これは、債権者が裁判所に申し立てを行い、競売が開始されることが決定したことを知らせる書面です。
この段階であれば、「任意売却」を選択することができます。
任意売却とは、債務者の意思で売却ができるもので、競売にかけられるよりも担保不動産を高く売却できる可能性があります。
競売にかけられる
競売開始決定通知が届いた後も何もしなければ、担保として預けていた不動産は競売にかけられ、売却されることになります。
ただし、ローン会社から督促状や催告状が届いてから、実際に売却されるまでには数ヶ月の期間があるので、担保提供した不動産を守るためにできるだけ早く対策を取ることが大切です。
また、担保提供した不動産の売却によって残債を返済する場合、債務者の意思で売却する「任意売却」と「競売」では、売却価格が変わります。
一般的に競売によって売却されてしまうと、任意売却よりも安い値段で売却されてしまうため、場合によっては不動産を売却しても残債を全額返済することができないケースもあります。
このような場合は、不動産を失った上に残った残債も返済しなければならないという状況に陥ってしまう可能性があります。
返済不能にならないために!不動産担保ローンの注意点
返済不能にならないために注意することは、不動産担保ローンを申し込む際に、無理のない返済計画を立てることです。
ただし、不動産担保ローンの場合は返済期間を長く設定できるため、返済の負担が減らせるというメリットがある反面、返済の途中で状況が変化してしまい、計画通りの返済が難しくなってしまう可能性もあります。
もし、返済が難しくなってしまった場合は、そのまま放置してしまうことは絶対に避け、難しいと判断した時点でできるだけ早く債権者に事情を話して相談することが大切です。
債権者に相談すれば、支払い期限を延ばしてもらえたり、返済金額を減額してもらえたりなど、返済方法を見直してもらうことが可能です。
無視をするとさらに最悪な事態に発展してしまうことになりますので、不動産担保ローンが返済不能となった場合は、できるだけ早く債権者に相談することが最悪の状態を回避する唯一の方法です。
最後に
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