不動産担保ローンとアパートローンはどちらも不動産を担保に融資が受けられるものですが、2つはまったく内容が異なる金融商品です。
そこで今回は、不動産担保ローンとアパートローンの違いを分かりやすく解説します。
アパートローンとは
アパートローンには以下のような特徴があります。
資金使途
アパートローンは、投資目的でアパートやマンションなどを購入する際の資金に利用できるローンです。
そのため、自分が住む家を購入するときは利用することができません。
金利
アパートローンの金利は、住宅ローンと比較すると高めに設定されています。
また、銀行とノンバンクを比較すると、審査が厳しい傾向にある銀行は金利がやや低くなっていますが、審査が比較的緩いとされているノンバンクは金利が高めの傾向があります。
融資額が多くなるほど、金利の差による返済の負担が大きく変わるため、アパートローンを利用する際はできるだけ金利の低いところから融資を受けることがおすすめです。
特徴
アパートローンは家賃収入が返済時の原資とみなされるので、購入する物件によって審査の通りやすさや金利が変わるという特徴があります。
例えば、人気のエリアにある新築マンションと郊外にある中古マンションを比較した場合、人気エリアの新築マンションのほうは空室リスクが少ないと判断されやすいと言えます。
ただし、人気エリアの新築マンションと郊外にある中古マンションの値段を比較すると、前者の融資額の方が多くなる可能性が高くなります。
アパートローンを利用する際は、通常の融資と同様に金融事故などがないことはもちろんですが、他社からの借入件数や金額、頭金の金額、他に資産があるかといったことも審査基準の対象になるため、審査に通りやすい条件を整えておくことも必要です。
不動産担保ローンとは
不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保に融資を受けられる金融商品です。
資金使途
アパートローンや住宅ローンも不動産を担保に融資を受ける金融商品ですが、この2つのローンと不動産担保ローンの最も大きな違いは、原則として資金使途が限定されていないことです。
提供する担保によっては高額の融資も可能なので、生活資金以外に事業資金などにも活用できます。
金利
不動産担保ローンは、住宅ローンと比較すると金利はやや高めですが、資金使途が限定されていないローンの中ではかなり低金利な金融商品です。
カードローンも資金使途は限定されていませんが、不動産担保ローンと比較するとかなり金利が高くなっています。
特徴
不動産担保ローンは、所有している不動産を担保提供する金融商品なので、提供する不動産の担保価値が認められれば比較的審査に通りやすいという特徴があります。
また、銀行やローン会社など多くの会社で扱っているため融資先の選択肢が多いのも特徴の一つです。
住宅ローンとは
住宅ローンは、ローンを利用する人が住む家を購入する際に利用できるローンです。
資金使途
住宅ローンの資金使途は、ローンの契約者が住むための家を購入や増改築するための資金に限定されています。
それ以外の用途で資金が必要な場合は、他の融資方法を検討する必要があります。
金利
住宅ローンは、他のローンと比較すると金利が低く設定されているのが特徴です。
住宅ローンはフラット35のように全期間固定金利のものが多く利用されており、金利は2％以下のものが多くなっています。
ローンの金利には、全期間固定金利型、固定金利期間選択型、変動金利型があります。
全期間固定金利型は、返済期間中の金利の変動がないので返済計画を立てやすいという特徴がありますが、最初に設定される金利は変動金利よりも高く設定されています。
変動金利型は、最初の金利は低く設定されていますが、定期的に金利が見直され、市場に合わせて金利が変わります。
金利が下がった場合は返済金額を減らせることができますが、反対に金利が上がった場合は返済金額が増えてしまうリスクがあります。
全期間固定金利型の住宅ローンは、フラット20、フラット35、フラット50のように返済期間によって種類があり、種類の違いによっても金利が変わります。
特徴
住宅ローンを利用する場合、団体信用生命保険（団信）への加入を義務づけている金融機関が多いという特徴があります。
団体信用生命保険とは、ローンの契約者が万が一の状態になったときに、ローンの支払いを生命保険会社が代わって支払う仕組みになった保険です。
団信の保険料は金融機関が負担しますが、保険料に相当する分の金額は金利に上乗せられていることが多くなっています。
最後に
不動産を担保に融資が受けられる金融商品には、住宅ローン、不動産担保ローン、アパートローンなどの種類がありますが、それぞれ資金使途が異なるため、金利や利用できる場面が異なります。
自分の住む家や賃貸物件の購入資金の場合は住宅ローンやアパートローンを利用することができますが、借りたお金を他の資金に使用することができないため、注意が必要です。
不動産担保ローンは、資金使途が限定されていないため、借りたお金の使い道が自由なうえに、有担保ローンなので比較的審査に通りやすく、金利が抑えられているという特徴があります。
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