田舎にある土地や建物を担保に融資を受けるのは難しいと聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
今回は、田舎の物件を担保に不動産担保ローンは利用できるのかについて解説します。
不動産担保ローンは担保不動産の価値で決まる
不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保に融資が受けられるローンのことです。
しかし、不動産を所有している＝不動産担保ローンが利用できるということではありません。
なぜなら、不動産担保ローンは万が一お金を借りた人がローンの返済ができなくなってしまったときは、担保の不動産を売却してその売却で得られたお金で返済を行うという仕組みになっているためです。そのため、田舎にある物件のように、不動産物件の価値が低く、不動産を売却しても返済できない場合は不動産担保ローンが利用できない可能性があるということです。
また、不動産担保ローンは担保提供する不動産によって、融資までのスピードや借入れ限度額も変わってきます。
提供する不動産の担保評価額が高ければ融資までのスピードも早く、希望する額の融資を受けられる可能性が高くなります。
反対に不動産の担保評価額が低い、または担保価値が認められなければ融資までの時間がかかるだけではなく、場合によっては融資が受けられない可能性もあります。
都心にある不動産物件と田舎にある不動産物件の違い
都心のプライムエリアにある不動産物件と田舎にある不動産物件では、残念ながら不動産の担保価値に大きな差があります。
都心にある不動産物件の場合は、大きく担保価値が値下がりする可能性が少なく、また場合によっては周辺の都市開発が進み、生活に便利なエリアに変われば現在の価値よりも値上がりする可能性もあります。
一方、田舎にある不動産物件の場合は、物件の場所や状態によってはまったく担保価値が認められないこともあります。
つまり、担保提供する不動産の担保価値によって、不動産担保ローンの審査の通りやすさも変わってくるのです。都心のプライムエリアにある不動産物件や人気の高いエリアにある不動産物件を担保にする場合は、不動産担保ローンの審査が通りやすくなりますが、田舎にある不動産物件の場合は担保価値がつきにくいので審査が通りにくくなります。
田舎にある不動産物件を担保に融資を受けるのは難しいと言われるのは、これらのことが理由です。
田舎物件を担保に不動産担保ローンを利用する際の注意点
田舎にある物件を担保提供して不動産担保ローンを申し込むときは、以下の点に注意する必要があります。
担保価値がゼロの可能性がある
田舎にある物件を担保提供する場合、提供する物件の場所や状態によっては担保価値がゼロという場合もあります。
たとえば、長く空き家として放置していた建物の場合や家を建ててから年数が経過している場合は、担保価値ゼロの可能性も考えられます。
しかし、建物の担保価値がゼロであっても、土地を担保に融資が受けられる場合があるため、一度相談してみることをおすすめします。
融資の審査に時間がかかる可能性が高い
不動産担保ローンの審査では、ローン会社のスタッフが物件の現地調査を行います。
そのため、東京など都心にあるローン会社に不動産担保ローンを申し込み、田舎にある物件を担保提供する場合は、現地調査を行うための物理的な距離も含めて、審査に時間がかかる可能性があることを理解しておきましょう。
希望額の融資が受けられない可能性がある
不動産担保ローンの貸付限度額は、担保提供する不動産にどれくらいの担保価値が認められるかによって大きく変わります。
一般的に田舎にある物件は担保価値が付きにくいため、希望額の融資が受けられない可能性があります。
田舎の土地が農地の場合は融資が受けられない可能性がある
農地は売却ができないという話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
田舎で所有している不動産が農地だった場合、農地を担保に不動産担保ローンを利用するのはかなり難しいと言えます。理由は、農地の売却については農地法という法律によって、売却相手は農家または農業生産法人に限定されているためです。つまり、農地を担保に融資を行った場合、返済ができなくなってしまったときは担保となっている農地は農家または農業生産法人にしか売ることができないということです。そのため、農地は担保価値が認められにくいため、農地を担保に融資を受けることはかなり難しいのです。
最後に
田舎の物件を担保に不動産担保ローンを利用することは不可能ではありませんが、所有している土地の場所や建物の状態によっては担保価値が付きにくいため、融資が受けられない可能性や審査に時間がかかる可能性があります。
特に所有している不動産が農地だった場合は、融資が受けられない可能性の方が高いと言えます。
田舎にある物件や不動産を担保に不動産担保ローンの融資を検討している場合は、今回ご紹介した内容を踏まえた上で、不動産担保ローンを扱う金融機関やローン会社に相談してみると良いでしょう。
