「融資」も「借金」もどちらもお金を借りるという意味があります。しかし、実は2つの言葉には明確な違いがあります。
事業を始めるときや拡大するとき、資金繰りが厳しくなったときなど、資金調達が必要になる場面で使われるのは「融資」です。
この記事では、融資、借金、出資など分かりそうで意外と分かりにくい言葉の意味や違いについて解説します。
融資とは
融資とは、事業を始めるときや事業を拡大するときなどに、必要な資金を借りることです。
事業資金は、以下のようなところから借りられます。
・日本政策金融公庫
・銀行
・ノンバンク（銀行以外）
日本政策金融公庫のような公的機関や銀行では、低い金利で融資を受けられるため、返済の負担を軽くすることができます。
しかし、審査が厳しい傾向にあり、簡単にお金を借りられるわけではありません。
一方で、ノンバンクなど公的機関や銀行以外から融資を受ける場合、金利は高い傾向にありますが、比較的審査に通りやすいと言われています。
審査の通りやすさと金利は大きく関係しているため、融資先を検討するときはバランスよく考えるのがポイントです。
融資と借金の違い
融資も借金も、どちらも「お金を借りる」という行為であることに違いはありません。
しかし、借金と融資には、お金を借りる目的に違いがあります。
借金は、消費目的で必要になるお金が足りないときに使われる言葉です。
お金を借りることに対してマイナスのイメージを持っている人は多くいますが、お金を借りることは必ずしも悪いこととは限りません。
しかし、常に収入よりも支出のほうが多い状態で借金を繰り返してしまうと、いずれ破綻することになるため注意も必要です。
融資と出資の違い
融資と出資は、どちらも事業で必要な資金を調達する方法です。
しかし、融資と出資は返済義務の有無に違いがあります。
融資の場合、借りたお金に金利を加えて期日までに返済する義務があります。
出資の場合、出資者から事業に必要な資金の提供を受けることになり、調達したお金に返済の義務はありません。
融資のメリット・デメリット
事業を行ううえで、資産調達を行うことは不可欠です。
そのため、融資、借金、出資の違いやメリット・デメリットを理解しておくことは、大切なポイントになります。
| 融資 | 借金 | 出資 | |
| メリット | ・借りた相手からの経営への介入を受けない ・高額の資金調達ができる |
・手元にお金がなくても買い物や投資ができる | ・借りたお金を返済する必要がない ・スタートアップ企業など社会的信用性の低い会社でも資金調達が可能 ・投資家からのアドバイスを受けられる |
| デメリット | ・返済の義務がある ・金利がかかる ・審査に通らなければ資金調達はできない |
・返済の義務がある ・総量規制の対象 ・マイナスのイメージがある |
・出資者の出資した金額や割合によって、経営権を奪われるリスクがある ・出資者から財務資料など細かい資料の提出を求められることがある |
融資と出資は、法人や個人事業主がビジネスシーンで行う資金調達の種類です。
借金は、個人が消費のためにお金を借りることを指すケースがほとんどです。
法人や個人事業主が資金調達を行ううえで大切なのは、いくらの融資が必要なのかをしっかりと見積もること、目標金額を達成できる調達方法を選択することです。
また、融資や借金には返済義務があります。
計画的に、無理のない返済ができるように、返済計画をしっかりと立てることが大切です。
最後に
資金調達と一口に言っても、「融資」「借金」「出資」など、さまざまな方法があります。
資金調達の目的や必要な金額によって適した資金調達の方法は異なるため、まずはそれぞれの特徴、違いを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
融資はもちろん、借金や出資の場合も、必要なタイミングですぐに資金を調達できるとは限りません。
お金を借りたり、出資を受けるときには審査や調査が行われるのが一般的です。
必要なときに資金が足りないという最悪な事態を防ぐためには、資金調達を行うときは早めに準備を始めることが大切です。
不動産を所有している場合は、事業資金を調達する方法の一つとして不動産担保ローンを利用することもできます。不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保に融資が受けられるものです。
不動産担保ローンは提供する不動産の担保価値によって融資限度額は変わりますが、一般的なローンと比較すると低い金利で利用することができ、原則として資金使途が限定されていないため借りたお金は事業資金以外にも利用できます。また、返済期間が長く設定できるため、返済時の負担を軽減することも可能です。
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