固定資産税評価額は、固定資産税額を決めるもととなる土地や家の評価額のことです。所有する不動産を担保に融資を受ける場合、固定資産税評価額が利用されることがあります。そこで今回は、固定資産税評価額とはどんなものなのか、調べ方や固定資産税評価額を利用した不動産担保価値の計算方法について解説します。
固定資産税評価額とは
固定資産税評価額とは、固定資産税などの税額を計算する際に使われる土地や建物の評価額です。
不動産の価値を決めるものには路線価や公示価格がありますが、利用する目的によってどれを基準に計算するのかが異なります。
固定資産税評価額は、主に固定資産税を算出する際に利用されますが、不動産を担保に融資を受ける場合、その不動産にどれくらいの価値があるのかを評価する際にも用いられることがあります。
固定資産税評価額と路線価との違い
路線価には、固定資産税路線価と相続税路線価の二種類があります。
固定資産税路線価は、固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税を算定する際に用いられるもので、市町村が算出しています。
固定資産税路線価の目安は公示価格※の7割程度です。
相続税路線価とは、相続税を算定するときに用いられるもので、国税庁が毎年1月1日時点の評価額を7月に発表しています。
相続税路線価の目安は公示価格※の8割程度です。
※公示価格:国土交通省が地価公示法に基づいて毎年公示している標準地の価格
固定資産税評価額と実勢価格との違い
実勢価格は、土地の売買を行う際の実際の取引額のことをいいます。
固定資産税評価額は、実勢価格の7割~8割程度となることが一般的です。
不動産を担保に融資を受ける場合、担保価値評価の方法はローン会社によって異なり、固定資産税評価額をもとに算出される場合もあれば、実勢価格をもとに算出される場合もあります。
固定資産税評価額の調べ方
固定資産税評価額を調べる方法は、以下の通りです。
課税明細書で確認する
土地や不動産を所有している場合、毎年春頃に市町村から固定資産税の納税通知書が届きます。
納税通知書には「課税明細書」が同封されていて、課税明細書に記載された「価格」欄に書かれた金額が固定資産税評価額です。
固定資産課税台帳で確認する
固定資産税評価額は、固定資産課税台帳にも記載されています。
固定資産課税台帳は「納税義務者本人」「同居の家族」「本人から委任または同意を受けた人」であれば、閲覧することができます。
申請に必要な書類は自治体によって異なる場合があるので、閲覧方法の詳細は自治体のホームページで確認してください。
固定資産証明書を取得する
固定資産証明書とは、土地や建物などの固定資産の評価額を証明するものです。
固定資産証明書には、以下の内容が記載されています。
・所有者
・所在地
・土地の場合:地積、地目、持分
・建物の場合:家屋番号・建物番号、床面積、構造・規模、種類、敷地権
・固定資産税評価額
・課税標準額
固定資産証明書は自治体の担当窓口で申請する方法と郵送で送ってもらう方法があります。
自治体によって申請する窓口の名称などが異なるため、固定資産証明書を取得するときは自治体のホームページで詳細を確認するようにしてください。
固定資産税評価額から担保価値を計算する方法
金融機関やローン会社が不動産を担保に融資をするかどうかの審査をする際に、担保不動産の評価を行います。
その際に用いられる計算方法の一つに、「担保掛目」があります。
担保掛目とは、担保提供された不動産の実際の評価額よりも、低く評価する比率のことです。
例えば、固定資産税評価額をもとに担保価値を評価する場合、固定資産税評価額に担保掛目をかけたものが融資額を算出する基準となります。
担保掛目は一般的に7割程度に設定されていることが多いですが、必ずしも7割とは限らず、金融機関やローン会社によって異なります。
そのため、固定資産税評価額が2,000万円の不動産を担保提供する場合、担保掛目が7割のローン会社であれば、融資額を決めるもととなる不動産の担保価値は、2,000万円×0.7=1,400万円と評価されることになります。
同じ不動産でも、担保掛目が6割のローン会社であれば、不動産の担保価値は、2,000万円×0.6=1,200万円と評価されることになります。
最後に
不動産担保ローンを利用して融資を受ける場合、固定資産税を算出する際に使われる固定資産税評価額を知ることによって、どれくらいの融資を受けられるのか、おおよその不動産評価額を計算することができます。
今すぐ不動産担保ローンを利用する予定がない場合も、所有する不動産があるのであれば、その担保価値をあらかじめ計算しておくことで、いざというときに幾らの融資を受けられるのか、ある程度は予測することができるでしょう。
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