新型コロナウイルスが発生して以降、日本だけではなく世界的に経済的なダメージを受けています。終息の目途も立っていない今、このままの状態が続くと企業だけではなく経済状況がさらに悪化して生活そのものが成り立たなくなってしまう可能性があるという人も少なくないでしょう。しかし、新型コロナウイルスの影響で収入が大きく減少したり、仕事を失ってしまったりした場合には受けられる支援があります。多くの支援金や助成金は、支援を受けるためには手続きが必要です。
そこで今回は、新型コロナウイルスの影響で経済状況が悪化してしまった人が受けられる支援の内容や、住宅ローンの支払いや不動産担保ローンを利用したいと考えていた場合など、新型コロナウイルスが不動産や不動産担保ローンの融資にどのような影響があるのかなどについてご紹介します。
今できる対策をしていくことが重要
この厳しい状態を乗り切るためには、今自分にできる対策をしておくことが重要です。たとえば税金などの支払いは申請すれば猶予してもらえるものもありますし、生活費が厳しいという場合は無利子で貸付が受けられる制度などもあります。
また、収入が減少したことで注意しなければならないのは、住宅ローンなどのローンの支払いです。何の連絡もせずに支払いが滞ってしまうと一括返済の請求を受けてしまうこともありますので、支払いが難しいと判断した場合は返済日が来る前に借入をしている金融機関やローン会社に事前に相談するようにしましょう。
新型コロナウイルスの影響で経済状態が悪化した人が受けられる支援
新型コロナウイルスの影響で経済が悪化している状況を踏まえて、国は国民1人あたり10万円の給付金の配布を行いました。
しかし、いまだに経済的に厳しい状態が続いており、先の見通しも立っていないのが現状です。国は新型コロナウイルスの影響で経済状態が悪化してしまった人に向けてさまざまな支援を行っていますが、これらの支援は申請をしなければ支援を受けることができません。
国の支援をうまく利用しつつ、自分でできる対策を取りながら今の状況を乗り切っていきましょう。
新型コロナウイルス関連個人向け支援
新型コロナウイルスに関する個人向け支援には以下のようなものがあります。
1.生活費の貸付(一時的な資金の緊急貸付)
新型コロナウイルス感染症による休業や失業などで生活資金に悩んでいる方に対して、お住まいの市町村福祉協議会に一時的な資金の緊急貸付を申し込むことができます。
- 貸付額上限:20万円以内
- 貸付利子、保証人の有無:無利子、保証人不要
- 据置期間:1年以内
- 償還期限:2年以内
- 申し込み先:お住まいの市町村福祉協議会またはお住まいの都道府県内の労働金庫
2.電気料金の支払い期限の延長
新型コロナウイルス感染症の影響で緊急小口資金又は総合支援資金の貸付を受けた人(生活福祉資金貸付制度)で、一時的に電気料金の支払いが困難になっている人は電気料金の支払いの延長を申し出ることができます。
- 支払い期限延長
- 申し込み先:契約している電力会社
3.賃貸住宅無償提供
新型コロナウイルスの影響で倒産又は人員整理によって寮の退去を余儀なくされた人
- 2020年12月末まで賃貸住宅の無償提供が受けられる
- 申し込み先:Apaman Property株式会社(アパマンショップ)
新型コロナウイルス関連法人向け支援
新型コロナウイルスに関する法人向け支援には以下のようなものがあります。
1.持続化給付金
新型コロナウイルスの影響で事業の継続が難しくなっている中小企業の事業者や個人事業主が受けられる給付金です。
- 給付限度額:中小企業200万円、個人事業主100万円
- 返済義務:返済の必要はありません
- 申し込み方法:経済産業省持続化給付金のサイトより申し込み
※持続化給付金の詳細につきましては経済産業省ホームページを確認してください。
2.各自治体が独自で行っている給付金制度
持続化給付金以外にもお住まいの都道府県、市区町村などで独自の給付金制度が実施されています。
たとえば、お客様との接触が多い理美容業、エステティック、リラクゼーションといった業種に対して10万円の支援金が受け取れるものや、デリバリーなどを応援するために無償で特設サイトに情報の掲載をしている自治体などがあります。
詳しくは、お住まいの都道府県、市区町村のホームページまたは担当窓口に問い合わせてみてください。
新型コロナウイルスの影響で住宅ローンが払えない場合の対処法
新型コロナウイルスの影響で会社が倒産してしまったり、会社を解雇されてしまった場合、給与が大幅に減少してしまった場合など、住宅ローンが支払えなくなってしまったときは必ずローンを利用している金融会社に相談するようにしましょう。金融会社にもよりますが、返済期間の延長や一定期間の返済額を減額するなどの対応を取ってもらえることが多くなっています。
一番やってはいけないことは、無断で滞納をし続けてしまうことです。最悪の場合、大切な自宅を失うことになってしまったり、自己破産をせざるを得ない状況になってしまったりする可能性もあります。住宅ローンの返済が難しいと判断したときは、ひとりで悩まずにまずは金融機関やローン会社に相談してみましょう。
事業資金が厳しい場合は不動産担保ローンの利用を検討する
今回ご紹介したような公的支援を利用しても、どうしても事業資金が厳しいという場合、不動産担保ローンの利用を検討する方法があります。
不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで比較的審査に通りやすく、カードローンなどと比較すると金利が低いため返済の負担を軽減することができます。
もちろん、不動産担保ローンは融資の方法の1つなので返済する義務はありますが、今の厳しい状態を乗り切るために不動産担保ローンを利用して資金を十分に確保し、ゆっくり経済状況を立て直すことを検討してみるのも1つの方法ではないでしょうか。
最後に
新型コロナウイルスの影響を受けて、経済的に苦しい生活をしている人は大勢いらっしゃいます。大切なことは一人で悩まずに、公的機関や金融機関に相談することです。公的機関や金融機関に相談することで受けられる支援について教えてもらうことも可能ですし、返済期間を延長してもらえるケースや返済金額の変更などの対応を受けられることもあります。
また、自分では知らなかった支援などを受けることで早く経済的な立て直しが図れる可能性もあります。特に住宅ローンの返済などは相談せずに滞納を続けてしまうと、今よりもさらに状況が悪化してしまいます。新型コロナウイルスの影響で経済的に苦しくなってしまっている人は、まずは公的機関、金融機関、ローン会社などに相談することから始めてみましょう。