不動産担保ローン関連コラム

不動産担保型生活資金とはどのような制度なの?

不動産担保型生活資金という言葉を聞いたことがありますか。不動産担保型生活資金とは、厚生労働省が行っている制度のひとつで、高齢の低所得者に対して持ち家を担保に生活費の貸付を行う制度のことをいいます。借り入れた生活資金は、死亡時に担保となっている自宅を売却して返済を行います。このような融資方式のことをリバースモーゲージといいます。リバースモーゲージには、厚生労働省の不動産担保型生活資金のような公的サービスと銀行などが行っている民間のサービスがあります。そこで、不動産担保型生活資金(リバースモーゲージ)のしくみや公的サービスと民間サービスの違いについてご紹介します。

不動産担保型生活資金(リバースモーゲージ)のしくみ

不動産担保型生活資金(リバースモーゲージ)とは、冒頭でご紹介したように家に住みながら老後に必要な生活資金などを調達する方法のことをいいます。厚生労働省で行っている不動産担保型生活資金も民間のリバースモーゲージも高齢者向けのサービスで、持ち家を担保に入れ、評価額の範囲内で融資を受けます。生きている間は元金の返済の必要がなく、亡くなったあとに担保物件を売却して借入金を返済します。

持ち家を担保にすることで高齢世帯でもお金を借り入れることができ、生きている間は元金の返済の必要がないことから現在注目が集まっています。

売却価格が借入額を下回ってしまった場合はどうなる?

もしも、住んでいる家の評価額が下落してしまい、売却額が借入額を下回ってしまってしまう状況になったときはどのようになるのでしょうか。

不動産担保型生活資金は、3年ごとに不動産の評価額の再評価を行い、貸付が継続できるかの判断が行われています。

もしも担保物件に居住中に貸付元本と利子を合わせた金額が貸付限度額に達してしまった場合は、「居住を継続しながら限度額に達してしまった以降に発生する利子を支払う」、「限度額に達した時点で担保になっている居住物件の売却を行い、精算を行う」のいずれかを選択をしなければなりません。

不動産担保型生活資金の公的サービスと民間サービスのリバースモーゲージの違い

公的サービスの場合も民間のサービスの場合も、自宅を担保に限度額内で融資を受け、生きている間は元金の返済の必要がなく、死亡時に家を売却して返済するという根本的な部分は同じです。しかし、公的サービスと民間サービスでは借入の目的が異なります。そのため、利用条件が異なるので利用する場合は自分の目的に合うものを選ぶことが大切です。

不動産担保型生活資金の場合

公的サービスの不動産担保型生活資金の場合、低収入高齢者の自立支援を目的とした福祉制度です。そのため、「住民税が非課税」「家族構成員の年齢が65歳以上」などの要件を満たしていない人は申し込みをすることができません。申し込み窓口は、各都道府県の社会福祉協議会になっています。必要な資金は年金形式で支払われ、1か月30万円を上限に3か月に1度受け取るしくみになっています。公的サービスの場合、豊かな老後を送ることを目的としているのではなく、収入が少ない高齢者が生活に困らないための融資制度になっています。

民間サービスのリバースモーゲージの場合

民間サービスの場合は、高齢者が豊かな老後を送るための資金を得るための融資方法の1つです。民間サービスのリバースモーゲージの場合、生活資金だけではなく、老人ホームの入居費用や子どもや孫への資金援助などにも借り入れたお金を使用することができます。サービスを利用する機関によって利用条件は異なりますが、民間サービスの場合は所有価値の高い不動産(家)を所有していて、安定した年金収入がある人を対象としています。

そのため、資産価値の高い都市部に持ち家がある人を対象にしていることも多いので、持ち家があったとしても不動産担保型生活資金を受けられる条件が整っていない人は利用することができません。

子どもたちはそれぞれ持ち家があるので自分たちの代で家を処分して生きている間に資産を有効利用したい、独身で相続する人がいないので家を残さずに資産として利用したいと考えている人には、民間のリバースモーゲージは有効な手段だといえるでしょう。

不動産担保型生活資金(リバースモーゲージ)を利用するときの注意点

不動産担保型生活資金(リバースモーゲージ)は、持ち家に住みながら生活資金などの融資を得られる1つの手段になりますが、いくつか注意しなければいけないこともあります。

1.持ち家がマンションの場合は基本的に利用することができない
2.生きている間は元金の返済義務がないので、返済の必要のない元金に対する金利が積み重なることを理解しておく必要がある
3.最終的に持ち家を処分することになるので、家族の同意を得ておく必要がある
4.借入期間中の金利を考慮し、売却時の価格内での融資になるように検討する必要がある

上記のように、不動産担保型生活資金は、持ち家がマンションの場合は利用することができません。また、生きている間は元金の返済義務がないので、その間の元金に対する金利が積み重なることを理解し、融資額が売却時の価格内に収まるように考えておかなければ、限度額に達した以降に発生した利子を支払うか、限度額に達した時点で持ち家を売却し、精算しなければいけなくなってしまいます。

民間のリバースモーゲージを利用した場合は、融資額よりも売却額の方の金額が低くなってしまった場合は、相続した人が差額を支払う必要があるため、遺された家族の負担になってしまうことがありますので注意が必要です。

まとめ

豊かな老後を送るための資金としてリバースモーゲージの利用を考えている場合は、民間のサービスを利用する必要があります。公的サービスの場合は、低所得の高齢者が安心して老後の生活を送ることを目的としている福祉制度なので、所得が高い人は利用することができないためです。

リバースモーゲージには、自分たちの代で不動産を処分できる、不動産の資産価値を利用して豊かな老後を送るための資金を確保できるなどのメリットもありますが、売却価格が借入額に満たない場合は、遺された家族が残金を返済しなければいけなくなる可能性があるというデメリットもあります。借入期間中の利子を考慮し、契約内容をしっかり確認した上で利用することが大切です。

リバースモーゲージなどの不動産担保ローンについてもっと詳しく知りたいという方は、こちらをご参照ください。

 

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