不動産担保ローン関連コラム

複数融資を受けるときに必要なローン残高証明書と割賦表

不動産担保ローンとは、所有する不動産を担保提供することで、大きな金額の融資に申し込むことが可能となる資金調達の手法の一つです。不動産担保ローンの場合、担保提供する不動産に抵当権を設定しますが、そのとき第1抵当権設定、第2抵当権設定…と抵当権設定に順位をつけることで、同じ不動産で複数の融資を受けることが可能な仕組みとなっています。今回は、不動産担保ローンで複数融資を受けるときに必要なローン残高証明書と割賦表について解説していきます。

不動産担保ローンの仕組み

不動産担保ローンとは、所有する不動産を担保にし、抵当権を設定することで、大きな金額の融資を受けることができる資金調達の方法です。例えば、所有する家が3,000万円の不動産評価額があると評価を受けた場合、その7割程度の金額(この場合は2,100万円ほど)の融資を申し込むことが可能です。

一方で、何も担保も提供せずに融資を受けることを無担保ローンと言います。無担保ローンの場合、担保提供なしで融資が受けらる金額の上限は、融資を受ける人の年収の3分の1までという総量規制が定められています。例えば、借り手の年収が300万円だとした場合、一般的な無担保ローンで受けることができる融資金額の上限は100万円までということになります。

しかし、急な資金が必要になったとき、年収の3分の1ほどの融資金額では足りない…というケースも少なくはなく、そのような場合に大きな金額の融資を受けることができる不動産担保ローンが活用されています。

不動産担保ローンで複数融資は可能?

所有する不動産を担保にすることで、大きな金額の融資を受けることができる不動産担保ローンですが、実は一つの不動産で複数の不動産担保ローンを申し込むことが可能な場合があります。

例えば、最初の不動産担保ローンを銀行で申し込み、融資が実行された後、さらに資金が必要となって、今度は不動産担保ローン専門会社に追加融資を申し込むといったケースです。例えば、3,000万円の不動産価値があると評価された土地を担保に提供し、銀行から2,500万円の不動産担保融資を受けることになった方が、その後、さらに追加でまとまった資金が必要となり、今度は不動産担保ローン専門会社から1,000万円の追加融資を申し込むことが可能です。

第1抵当権・第2抵当権とは?

同じ不動産を複数の不動産担保ローンに担保提供するとき、最初の融資の貸し手には第1抵当権が設定され、次の融資の貸し手には第2抵当権が設定されます。第1抵当権、第2抵当権について、先ほどの例でわかりやすく説明してみましょう。
不動産を担保に融資を受けた方が返済不可能な状態になってしまった場合、担保提供した土地が売却されて3,000万円になり、まずは2,500万円の融資を受けた最初の貸し手である銀行に2,500万円分を返済します。そして残った500万円は、二番目の貸し手である不動産担保ローン専門会社に返済されることとなります。しかし、この例では、不動産担保ローン会社は1,000万円の融資をしていたにも関わらず、担保に設定していた不動産の売却からは500万円分しか回収することができません。このように、万が一の場合、不動産を売却して第1番目に債権を回収することができる権利が第1抵当権、第2番目に債権を回収することができる権利が第2抵当権ということになります。

複数融資を受けるにはローン残高証明書と割賦表が必要

同じ不動産を担保に設定して、別の不動産担保ローンに申し込むためには、一番目の融資の返済状況などについての正確な情報を、二番目の融資の貸し手に対して提示する必要があります。

この時に必要となる代表的な書類が「ローン残高証明書」と「割賦表」です。ローン残高証明書とは、その名の通り、最初に受けた融資のローンがどれだけ残っているのかを証明するための資料で、貸し手側が発行します。そして割賦表とは、融資を受ける際に契約した返済計画が記された資料のことをいいます。契約条件により毎月の返済金額が変化する場合も少なくないため、割賦表には月々の返済金額が、完済までの全期間分記載されています。こちらも最初の融資の貸し手側が発行します。最初の不動産担保ローンは住宅ローンであるという方が多いのですが、その場合は、住宅ローン残高証明書を金融機関など貸し手側に発行してもらうということです。

追加融資を受けるときは、l最初の融資における「ローン残高証明書」「割賦表」を二度目の貸し手に提出し、不動産評価額の余力や返済能力などの審査に通過したら、融資を受けることができるのです。

まとめ

今回は、同じ不動産で複数の不動産担保ローンに申し込める可能性があること、そして、その際に提出が求められるローン残高証明書と割賦表について解説いたしました。不動産担保ローンのローン残高証明書、割賦表について、より詳しくご覧になりたい場合は、こちらをご参照ください。

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