不動産を売却する際には、多くの方が税金の負担を心配します。実際、不動産売却には様々な税金がかかり、その額は少なくありません。
しかし、不動産を売却せずに資金を得る方法も存在します。
この記事では、不動産売却時にかかる主な税金を紹介したうえで、不動産を売らずに資金を作る方法について解説します。
不動産売却時にかかる税金の一覧
不動産の売却時にかかる税金は、以下の3つです。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産の売却によって得た利益に対して課される税金です。課税譲渡所得金額は、売却価格から不動産の取得費や譲渡にかかる費用を差し引いた額をもとに算出します。
また、譲渡所得税は不動産の所有期間によって、「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分類されます。
所有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり20%(所得税15%、住民税5%)の税率、5年以内の場合は短期譲渡所得となり39%(所得税30%、住民税9%)の税率が適用されます。
売却した不動産の所有期間が、売却した年の1月1日現在で5年を超えるかどうかで適用する税率が異なるため、不動産売却時の税金が気になる方は注意しておきましょう。
区分 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
長期譲渡所得 | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 30% | 9% |
注1:マイホームを売ったときには、税率を軽減する特例があります。(「1(2) 軽減税率の特例」参照)
注2:確定申告の際には、所得税と併せて基準所得税額(所得税額から、所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の金額)に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税を申告・納付することになります。
登録免許税
登録免許税とは、不動産売却後、所有権移転登記を行う際に課される税金です。
一般的には、譲渡所得税の一部として考えられますが、売却価格の0.4%が課されるため、売却価格が高いほど税額も大きくなります。
印紙税
印紙税とは、不動産売買契約書などの文書に対して課される税金です。
不動産売買の契約金額に応じて税額が決まり、例えば1,000万円以上5,000万円以下の契約書には2万円の印紙税がかかります。
不動産売却時の印紙税は、売買契約書に印紙を貼ることで納付されます。
不動産売却以外でお金を作る方法はある?
不動産を売却する以外にも、売らずにお金を作る方法はいくつかあります。
「不動産は手元に残したいけれど資金は必要」「不動産を売らずにお金を作る方法があれば知りたい」という方は、以下をぜひ参考にしてください。
不動産担保ローン
不動産担保ローンとは、不動産を担保にして融資を受ける金融商品です。
担保に入れる不動産の評価額に基づいて融資額が決まるため、高額な資金を調達できる可能性があります。
不動産担保ローンのメリットは、不動産を売却せずにお金を受け取ることができることです。
また、担保がある分、カードローンなどの無担保ローンと比較して金利を低く抑えられるため、長期の返済計画が立てやすいと言えるでしょう。
不動産担保ローンのデメリットとしては、万が一返済不能となってしまった場合、不動産を失う可能性があるという点です。
例えば、不動産売却時の税金負担を抑えるために、所有期間5年を経過するまでは不動産担保ローンで融資を受けてやり過ごし、5年経過後に売却をして、返済に充てることも可能です。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、高齢者向けの融資制度です。
不動産を担保にして融資を受け、返済は借主の死亡時に不動産の売却で行います。
リバースモーゲージのメリットは、融資を受けてお金を手に入れたうえで、生涯にわたって自宅に住み続けられる点です。
借主の死亡後に返済が行われるため、生活資金として利用しやすいことが挙げられます。
リバースモーゲージのデメリットとしては、借入額が不動産評価額に依存するため、期待する額に達しない場合がある点です。
また、期限付きのリバースモーゲージの場合、契約期間が終了すると存命中でも一括返済しなければならないため、いわゆる「長生きリスク」にも注意が必要です。
リースバック
リースバックとは、不動産を売却し、その後も賃貸契約を結んで引き続き住み続ける方法です。
リースバックのメリットは、不動産売却によって得た資金を利用して、これまで通り自宅に住み続けられる点です。
まとまった資金を一度に得られるうえに、引越しの手間もかからないため、リバースモーゲージ同様に高齢者に向いています。
一方で、リースバックのデメリットとしては、賃貸料が発生することが挙げられます。
長期的に考えれば負担が増える可能性があるため、注意が必要です。
不動産買取
不動産買取とは、不動産業者に直接不動産を買い取ってもらう方法です。
不動産買取のメリットは、第三者に売却するよりもスピーディーに現金化できる点です。
仲介手数料がかからないのも嬉しいポイントです。
不動産買取のデメリットとしては、仲介売却に比べて売却価格が低くなる傾向がある点です。
買取価格は不動産会社によって異なるため、複数の不動産会社から見積もりをとり、比較検討することが大切です。
不動産売却以外でお金を作るなら不動産担保ローンがおすすめ
不動産を売却せずに資金を調達する方法は複数あります。不動産の価値を最大限に活用し、安定した返済計画を立てることで、資金不足の解消を図ることができるため、ぜひ自分に合った方法を見つけて、有効に活用してください。
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