運転資金の役割と必要額
不動産事業を行う際にはその資金の役割と必要な金額を十分に理解しておくことが重要です。これらの内容を適切に理解しないと様々な場面で資金繰りに効果的な方法を利用することが難しくなるほか、必要な資金管理をすることができなくなってしまう恐れがあるので、しっかりと理解しておくことが重要です。
経営に必要な資金は用途や必要な場面において概ね5種類のものに分かれており、これを5種類の運転資金といいます。経常、増加、減少、季節、設備未払金決済の5つの場面において必要な運転資金がこれにあたります。この中で開業時に必要な運転資金には経常と増加が挙げられます。経常は事業を行うにあたり必要な様々な経費を指し、従業員の給与やオフィスの維持に係る光熱費等が主な費用です。また会社を設立した後で売り上げが上昇するに従い、人員の状況やオフィスの拡充などを行った場合には増加が必要となります。
その他減少や季節についても、場合によってはすぐに必要となってしまうことがあるので注意が必要です。減少は事業を縮小するために必要な経費であり、余剰人員のリストラなどを行った際の退職金等の経費もこれらの費用に当たります。季節は従業員のボーナスや一時的に人材を増強する際の給与や報酬等を計上するものとなっており、増加と1部重複する部分もありますが、期間限定の費用を計上するところがポイントとなっているのです。
また設備未払金決済は設備導入後これらの費用を分割で支払う場合などに発生する費用となっており、設備運営の計画によってその金額が変動するため、効率的に利用することが必要です。
これらの5種類の運転資金はそれぞれ経営計画や事業拡大の計画によりその金額が大きく変動します。また一般的には経常の資金が潤沢なほど経営が安定していると考えられがちですが、その他の様々なものに関しても十分に考慮しておかないとその状態に陥った場合に迅速な対応をすることができないと言う問題が発生するのです。そのため事業計画を綿密に立案しそれぞれの運転資金に関して明確に設定を行うことで効率の良い経営を行うことができるようになるのです。