開業資金や事業資金の調達方法には、デッドファイナンス、エクイティファイナンス、アセットファイナンスなどの種類があります。今回は、デッドファイナンスで資金調達する方法を解説します。
資金調達の方法
資金の調達方法にはデッドファイナンス、エクイティファイナンス、アセットファイナンスと呼ばれているものがあります。それぞれの調達方法についてご紹介します。
デッドファイナンスとは
デッドファイナンスのデッド（debt）は、借金を意味する言葉です。
デッドファイナンスとは、金融機関や投資家などからお金を借り入れることで資金を調達する方法のことを言います。デッドファイナンスは、お金を借りて資金を調達しますので返済する必要があります。
エクイティファイナンスとは
エクイティファイナンスのエクイティ（Equity）は、株主資本と言う意味の言葉です。
エクイティファイナンスとは、株式を発行して資金を調達する方法のことを言います。
エクイティファイナンスは、原則的に返済期限がありません。利息を支払う必要がありませんので、集めた資金を無駄なく利用することができます。
アセットファイナンスとは
アセットファイナンスのアセット（asset）は、資産を表す言葉です。
自社の資産を利用して資金を調達することを言います。アセットファイナンスには、所有している不動産を担保に融資を受けることが多いですが、不動産以外の資産を利用して資金を調達することもあります。
デッドファイナンスによる資金調達方法
デッドファイナンスによる資金調達方法には、主に以下のような方法があります。
1.銀行などからの借入
2.公募債の発行
3.私募債の発行
4.投資家からの融資
それぞれについて説明します。
1.銀行などからの借入
デッドファイナンスによる資金調達方法でもっとも一般的な方法は、銀行などの金融機関からの借入です。
銀行の融資には、プロパー融資と呼ばれているものと、信用保証協会の保証付き融資があります。
プロパー融資とは、信用保証協会を間に挟まずに直接銀行から融資を受けるものです。保証付き融資の場合、信用保証協会が保証人となって融資を受けるため保証料が必要ですが、プロパー融資は銀行から直接融資を受けるので保証料は必要ありません。
ただし、特に開業資金の融資を受ける場合は会社の実績がまったくない状態なので、プロパー融資を受けることは非常に困難です。また、会社の財務状況が健全ではない状態で銀行の融資を受けようとした場合も、返済が困難になると予想されてしまい、融資を断られてしまう可能性があります。
開業資金や事業資金の融資を受ける場合は、いきなり銀行の融資を考えるのではなく政府が100％出資をしている金融機関の日本政策金融公庫からの融資の利用がおすすめです。日本政策金融公庫の融資であれば、新しく事業を始める人向けの融資や従業員数が20人以下の小規模事業者向けの融資を行っていますし、金利も民間の銀行よりも低く設定されているため、返済時の負担を減らすことができます。
2.公募債の発行
公募債とは、不特定多数の投資家を対象に発行する債券のことで、50人以上の投資家に向けて引受を募集し、資金を調達する方法です。
3.私募債の発行
私募債とは、募集人数を50人以下に絞って、資金を調達する方法です。
ただし開業資金や創業間もない会社や知名度がない会社に投資をする投資家が集まることはあまり期待できません。そのため開業資金や実績の少ない会社の場合は、公募債や私募債の発行による事業資金の調達は難しいと言えます。
4.投資家からの融資
投資家から融資を受ける方法は、ソーシャルレンディングと呼ばれるもので貸付型クラウドファンディングと呼ばれることもあります。
ソーシャルレンディングとは、ソーシャルレンディング事業者が仲介となり、融資を受けたい企業と投資をしたい投資家をマッチングするものです。
ソーシャルレンディング事業者が投資家を募って資金を集め、集まった資金を企業に融資をします。
ソーシャルレンディングは、公募債や私募債とは違い、企業に投資をするというよりも企業が行う特定のプロジェクトに対して投資を行うものなので、開業資金や創業間もない会社の事業資金として利用することが可能です。
デッドファイナンスによる資金調達が難しい場合はどうする？
開業資金や事業資金を調達する場合、デッドファイナンスによる資金調達が最も一般的です。
しかし、開業資金や実績の少ない会社の場合、銀行から融資を受けるのはかなり困難です。
デッドファイナンスによる資金調達が難しい場合は、アセットファイナンスを検討してみましょう。アセットファイナンスとは、資産を利用して資金調達をする方法です。アセットファイナンスでもっともポピュラーな方法は、不動産を担保に融資を受ける不動産担保ローンです。銀行で融資を断られてしまった場合でも、不動産担保ローンであれば審査に通る可能性がありますので、デッドファイナンスによる資金調達が難しい場合は不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。
最後に
開業資金や事業資金の調達方法として一般的な方法は、デッドファイナンスと呼ばれている銀行や金融公庫などから融資を受ける方法です。しかし、開業前や開業間もない会社の場合、銀行からの融資はかなり難しいのが現状です。デッドファイナンスにより資金調達が難しい場合は、アセットファイナンスの1つである不動産担保ローンを利用して資金を調達する方法があります。不動産担保ローンは、銀行から融資を断られた場合でも審査に通る可能性がありますので、不動産担保ローンを専門に扱う会社に相談してみることをおすすめします。
