老後の生活資金を調達する方法として注目されているリバースモーゲージですが、担保割れのリスクがあることは事前に把握しておく必要があります。
この記事では、担保割れとはどんな状態を指すのか、リバースモーゲージの担保割れを回避する方法について解説します。
担保割れとは
担保割れとは、土地や建物の担保評価額が、不動産を担保に借りたお金の残高よりも下がっている状態のことです。
通常、不動産を担保に融資を受ける場合、不動産評価額に一定の担保掛目を掛けた金額が融資限度額になります。
担保掛目の割合は利用する金融機関やローン会社によって異なりますが、6割~8割程度であることが一般的です。
そのため、本来であれば担保評価額が借りたお金の残高よりも下がってしまう担保割れのリスクは低いと言って良いでしょう。
ですが、不動産の価値は年月の経過や不動産周辺の環境などによって大きく変わることがあります。
不動産の価値が大幅に下落して担保割れが起きてしまうと、万が一返済が滞ってしまった際、金融機関やローン会社が担保の不動産を売却したとしても、貸したお金の回収はできなくなってしまいます。
そのため、追加の担保提供や融資期間の短縮を求められるケースもあり、注意が必要です。
リバースモーゲージは担保割れに注意
リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受け、契約者が存命中は金利のみを返済し、契約者が亡くなったら担保の自宅を売却して元金を全額返済するという金融商品です。
リバースモーゲージには、「高齢者でもお金が借りられる」「存命中は金利のみを返済すればよいので返済の負担が少ない」「担保にした自宅に住み続けることができる」などのメリットがあります。
一方で、以下のようなリスクもあるため、注意しなければなりません。
長寿リスク
リバースモーゲージでは、契約者の死亡後に自宅を売却して元金の返済を行います。
しかし、契約者の死亡後となると担保期間が曖昧となってしまうため、融資期限を設定するケースが多いです。
契約者が存命中であったとしても返済期限を迎えてしまうと、元金を一括返済しなければならなくなります。
金利上昇リスク
リバースモーゲージでは存命中は金利部分のみの返済を行いますが、契約時よりも金利が上昇してしまった場合は返済の負担が増えることになります。
担保割れリスク
不動産の価値が大きく下落した場合、お金を貸した側としては、貸したお金を回収できなくなるリスクが高まるため、融資限度額の見直しが行われることがあります。
融資限度額が見直された場合、超過した分を一括返済しなければならないケースもあります。
リバースモーゲージの担保割れを回避する方法
リバースモーゲージは、高齢になっても融資が受けられる便利な金融商品ですが、担保割れになってしまった場合、超過した分を一括返済しなければならないケースもあります。
ここからは、リバースモーゲージの担保割れを回避する方法を紹介します。
申込時にデメリットやリスクを理解する
リバースモーゲージで融資を受ける場合、ついつい借りられるお金の額や毎月の返済額だけに注目してしまいがちですが、元本割れのリスクや長生きリスク、金利上昇リスクなどさまざまなリスクがあります。
自宅の契約者が配偶者や子どもと同居していた場合は、契約者が先に亡くなってしまうと、残された配偶者は自宅を失う可能性もあるでしょう。
リバースモーゲージを申し込む時は、メリットだけではなくデメリットやリスクについても理解しておくことが大事です。
リコース型を申し込む
ローンには、「リコース型」と「ノンリコース型」という2種類があります。
リバースモーゲージの場合、原則的には元金は担保の自宅を売却して返済を行いますが、元本割れになった場合は残債が発生することになります。
ノンリコース型の場合は、元本割れで残債が発生したとしても返済義務は発生しません。
しかし、その分金利が高い、審査が厳しいといったデメリットがあります。
リコース型の場合は、残債が発生した場合は相続人に返済義務が発生しますが、金利が低めに設定されています。
月々の返済の負担を減らし、借りたお金を有効に活用したい場合は、リコース型を申し込んだほうが良いでしょう。
追加融資を申し込む
ほかに不動産などの担保提供が可能な資産がある場合は、担保を追加することで融資限度額を上げてもらえるケースもあります。
担保割れの可能性がある場合や資金が足りなくなった場合は、追加融資の申し込みを検討してみましょう。
最後に
年金だけでは生活できない、家族に負担をかけずに老後の資金を確保したいといった場合、リバースモーゲージを活用することができます。
ですが、リバースモーゲージにはメリットだけではなくデメリットもあるため、デメリットやリスクを理解した上で利用することが大事です。
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